村田諒太vs輪島功一 3年計画 世界チャンピオン | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

フジTVが専属契約を結び、世界王者へのレールを走りはじめたロンドン五輪ミドル級金メダリスト村田諒太選手。日本での所属先はフジTVの窓口である名門三迫ジム(三迫仁志会長) 。日本、輪島功一。東洋、門田新一の2王者をメインにした、1971年5月28日のジム創立10周年記念興行はTBSによって放映された。


長年、TBS『チャンピオンスカウト』(極東プロモーション)の傘下にあった三迫ジムが、初めてチャンスカと別枠で得たTV放映権で、午後8時からの1時間半枠。


9連勝8連続KOの輪島選手。5連勝4連続KO勝利の門田選手。この試合後、三迫会長はヨーロッパへ飛び、世界Sウェルター級王者カルメロ・ボッシ(伊)への輪島挑戦を決める。そして、英国まで足を伸ばし、当時自国では防衛戦を認められていなかった、WBA世界ライト級王者ケン・ブキャナン(英)への門田挑戦も内定というところまでこぎつけている。




25歳目前で入門。「一度でいいから試合をしてみたいんですけど」と遠慮がちに切り出した輪島選手に、「それならライセンス取って来いよ」と応じた三迫会長。


入門4ヶ月でプロライセンスを取得した輪島選手は早速デビュー(68年6月)。「会長から左のストレートをちょこっと習った程度」であったが、25歳のグリーンボーイはその左で初回KO勝利。「右を出す余裕はなかった。だって、習っていないんだから」とは笑わせる。


2週間後の第2戦もKOで飾った輪島選手は、あれよという間に全日本新人王獲得。デビュー15ヶ月で日本王者へ出世。現役世界王者のペドロ・アディグ(比)の一発で初回KO負けを喫するという痛手もあったが、プロ3年目のボッシ挑戦まで22勝(20KO)2敗。世界ランクは4位であった。


迎えた1971年10月31日。輪島選手は大方の予想を覆してボッシに判定勝ち。三迫ジム初の世界王者が誕生した。TBSの視聴率は、西城vsゴメス、大場vsカバネラ戦をはるかにしのぐ31%を記録。



輪島選手以上に期待が大きかった門田選手は、その後、一度勝っている代打挑戦者ガッツ石松(ヨネクラ)選手にまさかの判定負けを喫し、東洋ライト級王座を喪失。世界への道が閉ざされた門田選手は、海外武者修行に出る。


そして、海外リングで世界ランクを奪ってきた門田選手の帰国第1戦は、フジTVでゴールデンタイムに生中継された。


TBSが生んだ世界王者輪島選手は初防衛戦でもドメニコ・チベリア(伊)を初回KO。トリッキーなボクシングと、個性的なキャラクターがかみ合って一躍人気王者になった。


しかし、2度目の防衛戦を前にTBSは突然ボクシングからの撤退を表明。困り果てた三迫会長のテレビ局詣でが始まる。その中にはNHKもあったという。そんな三迫会長に手を差し伸べたのがフジTV。三迫=フジラインの始まりである。



時代の先に輪島選手が2度の王座返り咲きを果たし、”国民的”人気選手になろうとは、誰も知る由もない。素人から3年で世界チャンピオンになった輪島選手の後を、金メダリスト村田選手が追う。


輪島選手は東京五輪の金メダリスト桜井孝雄(三迫)選手の練習を覗き見て、「カッコいいなァ」と憧れ、その動きから”蛙飛び”を思いついた。


こういうつながりを切らさないことが、『名門』でありえる所以であろう。


村田、世界挑戦3年計画(中日スポーツ)


さて、村田選手。米国のボクシング業界最大手トップ・ランク社と契約を結び、マッチメークを担当するのは帝拳ジム・本田明彦会長。12月の次戦で世界ランカーと対戦するという期待もあったが、「それは無理。そんなに世界は甘くない。物事には順序がある。今、候補を5人に絞っているけど、それなりの相手、面白い相手、勉強になる相手とやらせる」(本田会長)。


さらに、「ファンは最終的に満足すればいい。5月からプロの練習を始めたばかり。これから徐々に上げていく。穴王者を狙って、ただ世界王者になればいいというような育成はしない」とした本田会長は、「来年の後半から勝負になる。(世界挑戦の時期については)早くても、メドは10試合目」。


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3年計画で世界チャンピオンを目指す村田選手は、素人から3年で世界王者になった輪島選手に肩を並べることが出来るのか。


”金メダリスト”と、”飯場のチャンピオン”(輪島選手は王座獲得時、まだ土建会社の飯場暮らし)。好対照である二人の道のり。村田選手の今後を楽しみに見て行きたいと思います。


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