井岡vs八重樫 ”世界王者対決” ミニマム級王座統一戦 | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

昭和27年(1952年)5月。日本人初のプロボクシング世界チャンピオン白井義男(カーン)選手が誕生してから60年目の今年。ついに史上初の日本人世界王者同士による、王座統一戦が実現する。ミニマム級WBC王者井岡一翔(井岡)vs同級WBA正規王者八重樫 東 (大橋)。


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WBA・WBC世界ミニマム級王座統一戦(TBS)


17日午後9時50分からの「サンデースポーツ」 → 雑草魂八重樫にNHK動いた!特集組むぞ(日刊スポーツ)


共にアマ出身だが、プロ7戦目の世界挑戦は明暗を分けている。


井岡選手は36戦無敗の王者オーレドン・シッサマーチャイ(タイ)を破りWBC王座奪取。指名戦となった初防衛戦は1位ファン・ヘルナンデス(メキシコ)に完勝。続く2度目の防衛戦は、ヨードグン・トーチャルンチャイ(タイ)を問題とせず初回で粉砕、V2に成功している。


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プロ転向2年に満たないキャリアで世界の頂点を極めた俊才は、23歳になったばかり。大きな可能性を秘めている。


一方の八重樫選手は、当時のWBC王者イーグル京和(角海老宝石)選手に挑むも大差の判定負け。顎の骨を折るという大怪我を負った。約10ヶ月の時間を置いて再起に成功するものの、 辻 昌建(帝拳)選手に敗れ、日本王座挑戦権への道も閉ざされる。


その後は捲土重来で巻き返し、昨年11月ポンサワン・ポープラムック(タイ)との猛烈な打撃戦を制しWBA王者に輝いた。今度の試合は王座獲得第1戦となる。29歳。2人の子供がいる。


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身長164センチの井岡選手はミニマム級では非常に恵まれた体格を誇る。減量は厳しいが、きっちりと落としてくる真面目さもあわせ持つ。今度の試合は、「圧倒的強さを見せつけて勝ちたい」と、いつになく強気な発言。


対する八重樫選手は、世界王座を掴んで大きな自信をつけた。「井岡君という一人の強い人間に勝ちたい」とし、「勝ったら、また上が見えて来る」と譲らない。


WBC世界Sフライ級王座に挑戦する前の佐藤洋太(協栄)選手は、同郷の先輩八重樫選手とスパーリングを積んだ。身長171センチ、179センチのリーチを誇る佐藤選手の武器は早いジャブ。ミニマム級王者は身長159センチ、リーチ162センチ。


それが、「八重樫さんにはジャブで負けます。世界のジャブを教えられました」と感心していた。それでいて、予想となると「井岡選手有利」というのも洋太選手らしいのだが。(;^_^A


BOXING MASTER/ボクシング マスター-7月8日横浜文化体育館BOXING MASTER/ボクシング マスター-7月8日WBC世界Sフライ級タイトルマッチ


日本人選手として初めて国内でのWBC王座挑戦を認められたファイティング原田(笹崎)選手が勝った場合、JBCからは「WBA世界フェザー級王者西城正三(協栄)選手と、王座統一戦を行うこと」が条件付けされていた。


だが昭和45年(1970年)1月、期待された原田選手のジョニー・ファメション(豪)への再挑戦は失敗に終わり、原田選手は引退。西城vs原田戦は幻となった。


その後西城選手が4度の王座防衛に成功した後の同年12月、柴田国明(ヨネクラ)選手がメキシコでファメションからタイトルを奪っていたビセンテ・サルディバル(メキシコ)に挑戦。これを12回終了TKOに破って柴田選手は、西城選手に継ぐ海外奪取に成功。


新王者は「西城とやりたい!」と珍しく強い口調で訴えた。すると、先輩王者である西城選手も、「やれと言われれば、いつでもやりますよ」とプライドの強さをのぞかせる。


同一階級に二人の日本人世界王者。色々と条件を合わせるのが厳しいとされながらも、王座統一戦は大いに期待され、二人の王者は火花を散らすことになったのである。因縁勃発!


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柴田氏。


「いや、あの二人が顔を合わすことなんてないからねェ。良かったよこの前は。楽しそうに話ししてたよ」(^O^)/


ボクシングの日に開催された”スタンレー・イトウさんに感謝する会”で、かつてのライバル王者同士は顔を合わせた。


「いったいどうなってしまうのか!」。ということはあるはずもなく、昔話しに盛り上がり、お二人仲良くそろって次のお店へ向かわれたそうです。


しかし、端から見ているほうは、つい「うれしくなってしまいますね」となったのでした。


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左が西城氏。


もうひとつ言えば、柴田選手はヨネクラジム入りする前、協栄ジムの門を叩いている。童顔の入門希望者を「親の承諾書をもらって来て」と追い帰してしまったのは、返す返すももったいなかった。(;^_^A


さて、昭和46年はじめ。日本には大場政夫、西城正三、柴田国明、小林 弘 、沼田義明と5人の世界チャンピオンがいた。しかし、「ボクシングの人気はいまひとつパッとしない」とされ、その理由は「業界がファンの望む好カードを実現しないからだ」との厳しい意見がなされている。


6月20日(水)。大阪・ボディメーカーコロシアムで開催される試合のチケットは、「すぐになくなっちゃったてさ」。さすがにファンは知っている。


生観戦かなわないファンの皆様はこちらで。→ WBA・WBC世界ミニマム級王座統一戦(TBS)


両選手には、視聴率をもKOしてもらいたいと期待します。


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