10日(月・祝日)後楽園ホールで開催される日本Sバンタム級タイトルマッチのセミファイナル8回戦、河野公平(ワタナベ)vs戸部洋平(三迫)の一戦が面白い。
日本Sフライ級4位河野選手は、元日本&OPBF王者で、世界タイトル戦も2度経験しているベテラン。現在、世界のトマス・ロハス(メキシコ)、日本の佐藤洋太(協栄)選手に連続挑戦して連敗中ではあるが、心機一転、この一戦に捲土重来を期す。粘り強いファイター型。30歳。25勝(9KO)6敗。KO負けはない。
一方の戸部選手はアマ王者(拓大)からプロ入りし、これがプロ3戦目の24歳。キャリア2戦目となる6月の試合では、ベテランの元世界王者ワンディ・シンワンチャー(タイ)を2回でKO。迫力ある戦いぶりで、一気に評価を高めた。東洋太平洋Sフライ級13位にランクされる。
三迫魂・戸部洋平 ←写真はこちらから
戸部選手のパートナーを務める為、日本1位白石豊土(協栄)選手を連れて、何度か三迫ジムさんへ出稽古にいかせて頂いた。「戸部、ヤバイっすよ」。洋太選手から聞かされていた通り、戸部選手はまとまった好選手。パンチもある。
「いや~、強いですねェ。今度もいけるんじゃないですか」(;^_^A
「まだプロで3回しか戦ったことないからねェ」(^O^)/
いかにも楽しみといったふうの三迫ジム・久保マネジャー。戸部選手は人間的にも良さそう。強くなろうとする意志も強く感じられた。
ゼンマイボクサー?白石選手は3年前、名城信男(六島)選手とのWBA世界Sフライ級王座決定戦を控えた河野選手に呼ばれ、ワタナベジムへ出向きスパーリング・パートナーを務めた経験がある。初の世界戦を控えた河野選手は、燃えに燃えていた。
ひたすら前に出る。まとめて打つショート連打はしつこい。右は一発の力を秘めている。そしてスタミナも十分。「坂田(健史)さんのファンなんです」。河野選手もいい人間だ。(^O^)/
戸部選手は強気だ。それだけの力はあると思う。しかし、3ラウンド以降は未知のラウンドである。”歴戦の雄”河野選手は、「モチベーションはどうなんでしょうかねェ」という点が気がかり。試合はタイトルマッチにひけを取らない、気持ちのぶつかり合いが見られるだろう。
プロ3戦目。メルボリン・オリンピック代表からプロ入りした米倉健志(興伸)選手は、日本フライ級王者矢尾板貞雄(中村)選手の王座に挑戦したが、これは惜敗。しかし米倉選手は7戦目で世界王座挑戦を果たしている。
米倉選手もハワイのスタンレー・イトウ先生の教え子の一人です。→ハワイ・カカアコジム
”名門”帝拳ジムが初めてアマチュアからスカウトしてきた瀬川幸雄(帝拳)選手。モントリオール五輪で、ライト級金ダメルのハワード・デービス(米)からダウンを奪うも不可解な判定負け。若き本田明彦会長は、このサウスポーの強打者に、明日の世界王者を夢見ていた。
プロ経験9ラウンドで迎えた4戦目は、日本Sフェザー級9位国重講司(野口)選手との10回戦。プロキャリア8年で13勝(7KO)16敗1分のベテランは、最終ラウンドまで元オリンピアンにいいように打ちまくられた。まさに滅多打ち。9回まで瀬川選手のフルマークという試合。
しかし、最終ラウンド。キャンバスへ沈んだのは瀬川選手だった。試合終了ゴングまで残り3秒。まさにプロの怖さを思い知らされた一発。
残り3秒の超逆転劇!オリンピアン瀬川vs国重
これを経験に再起を果たした瀬川選手は、1年後リカルド・カルドナ(コロンビア)の持つ世界王座に挑むまでになった。
さて、好マッチメイクな河野vs戸部戦。ファンの皆さんも、楽しみではないのでしょうか。
いろんな思いが交錯する激しい8ラウンズになると予想されます。河野選手はタフなだけに戸部選手、深追いは禁物。ロハス戦で見せた一発もある。佐藤戦では序盤ダウンを喰らったが、最後まで粘りぬいた。10ラウンドの内、3~4ラウンドを押さえているように、最後までしぶとい。
戸部選手は前半戦からペースを握りたい。スピードある左、そして独特の距離感で河野選手につけ入る隙を与えたくない。心配される後半戦だが、ベテランを押し切る力は十分秘めていると思う。「戸部君、強いですよ」。戦いぶりに注目したい。楽しみな一戦です。
最後に一言。「ゼンマイ(白石)も、しっかりねじ巻いてくれよ!」(^_^;)
応援、深く感謝です! →
【TOP】