これもJBCの不祥事というのだろうか。A級審判員が、厚生労働省東京労働局の職員ということを隠し、約14年間に渡り報酬を受け取っていた件が毎日新聞より報道された。
国家公務員の兼業は所轄庁の長が許可した場合を除き禁止されているが、審判員氏は兼業許可申請書を提出していない。
厚労省職員・偽名でレフェリー14年 プロボクシングで(毎日新聞)
参考→人事院規則
疑惑の主は山田一公審判員。同氏は日本タイトル戦、OPBFタイトル戦で審判員を務めた経験がある。兼業許可申請書を提出し、兼業が認められた場合でも、その報酬は受け取れないことに決まっている。
これまでにも、そして現在も、兼業許可申請が認められリングで活躍しているボクサーはいる。01年8月に日本Sフライ級タイトルを獲得した佐々木真吾(木更津グリーンベイ)選手も、千葉県鋸南(鋸南)町役場の水道課主事を務める公務員ボクサーだった。
「公務員をやりながらもここまで出来るんだ」との意志で、日本チャンピオンまでのぼりつめた。ともなれば、ファイトマネーも大きいが、それは受け取ることが出来ない。
『厚労省によると、同労働局の調査に男性は「レフェリーなどはしていない」と否定』
報酬は度外視。純粋な気持ちでリングに上がるプロボクサー。リングに上がるまでには厳しい練習がある。一朝一夕ではいかない。毎日のひたむきな努力が必要だ。それに反して・・・・。
「レフェリーなどはしていない」という調べを受ける男性職員が、JBC審判員の”山田一公”氏とは違うことを願うばかりである。そうでなければ、リングを管理するJBCに対する不信感は募るばかり。試合を裁く以前の問題で、言語道断といえるだろう。
前事務局長安河内氏の問題処理に対し、JBCの対応は不透明さを隠せなかった。
6月13日付け、東日本プロボクシング協会大橋秀行会長名で、JBC林有厚コミッショナー宛提出された”JBCの現状に対する要請書”にも、JBCに対する不信感が如実に表れている。
『JBCの宣言(2001年8月1日)には、「JBCは昭和27年4月21日、日本プロボクシング協会の推載により日本で行われる全てのプロ・ボクシングを統括するために1国1コミッションの方針のもとに設立された」という文言があります。
即ち、JBCの設立は、日本プロボクシング協会を構成するプロモーター等のジム会長が、「1国1コミッション」という世界プロボクシング興行の方針を充足すべく、JBCを推載することにしたため、なされたものです。』
という書き出しで始まる文書では、林コミッショナー名で出された示達と題する文書により、協会理事らのJBCに対する信用が大きく毀損されたとある。
さらに、『このような混乱が続きますと、JBCにお願いしている試合等の運営・管理に支障が生じるのではないか、出場する選手の命・身体の安全が守られるのか、大変憂慮しています。』
さらに、「当協会では、そもそも当協会によるJBCの「推載」自体を見直すべきではないか、選手たちを守るためには苦渋の選択をせざるのでは得ないのではないか、という問題意識を持つに至っております。」と続く。
そして、『プロボクシング業界全体の発展のためJBCに対する必要且つ十分な影響力を行使してきたのか、自省する部分もございます。』として、5項目に渡る要請事項をあげた。
(1)直ちに、プロボクシング関係者が納得のいく人事体勢を構築し、今回の混乱を収捨すること。
(2)改めて、試合等の運営・管理に万全を期し、選手の生命・身体の安全を十全化すること。
(3)JBCの理事に、当協会が推薦する理事を選任すること。
(4)JBCの評議員につき、当協会が推薦する評議員の員数を増加させること。
(5)JBC本部事務局と当協会事務局との定期協議会を、月1回程度、開催すること。
20日(月)の回答期限にJBCは、”JBC 事務局長代行に森田健理事を起用へ(毎日新聞)” とする解答を示した。森田氏は、「JBCが安河内氏の処遇を決めれば事務局長を受ける」とし、安河内氏の処遇は、28日(月)の理事会で決まる予定。
そんな最中、厚生労働省東京労働局男性職員が、リングネーム(山田一公)を使い約14年間にわたってプロボクシングのレフェリーやジャッジを務め、報酬を受け取っていた疑惑発覚。
選手は法を守り、純粋な気持ちでリングに夢を賭けているのに、捌く方がこれでは・・・。
「レフェリーなどはしていない」
なんだか力が抜けてしまいますね。(ノ_・。)
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