史上初!元旦世界戦 エスパダスvs高田 | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

日本のリング史上初めて元旦世界タイトルマッチが開催されたのは、昭和52(1977年)年1月1日のWBA世界フライ級タイトルマッチ、王者グティ・エスパダス(メキシコ)vs同級3位高田次郎(協栄河合)戦。

王者エスパダスは76年10月、25戦無敗のアルフォンソ・ロペス(パナマ)を、5度ものダウンさせた末に13回TKOで破り王座獲得。世界中をアッといわせた。これが初防衛戦である。


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一方の挑戦者は75年8月、エスパダスとは同郷のユカタン州メリダ市出身のWBC王者ミゲル・カント相手に、敵地で世界初アタックするも11回TKOで敗れる。以後、4戦全勝(3KO)でカントへの再挑戦を狙っていた。

そこへ飛び込んで来たのが、ロペス敗るのニュース。日本で小熊正二(新日本木村・→大熊)選手に圧勝したばかりの、あの強いロペスが負けた。当時のエスパダスは全くの無名選手。これは一発屋?

”カントとエスパダス。どちらに挑戦するのが得か、よ~く考えてみよう。”で、選んだのがエスパダス。(ボクシングマガジン誌)ということになった。

放映はテレビ朝日。プロモーターは極東プロモーションである。当時のお正月は、「元旦くらいは家でテレビを見よう」かという時代。歌番組全盛時代の元旦に世界タイトルマッチをぶつける。飽きた人達がチャンネルを合わせてくれれば・・・・。

かくて史上初の元旦世界戦は、テレビ朝日の希望で実現された。

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「切符を売るのには苦労しましたよ」(河合会長)

会場の日大講堂は6千人の観衆。「なんとかカッコがついた。後は高田に王座を奪取してもらうだけ」。河合会長の鼻息も大いに上がった。

貧困から這い上がった22歳のチャンピオンは真面目そのもの。練習以外は、ほとんどをホテルの自室で過ごした。しかし、挑戦者の高田選手も小学生の時には、新聞店で住み込みのアルバイトをしていたという今では考えられぬ苦労人。

「なんとか高田に世界を」。河合会長は特別セコンドにエディ・タウンゼント氏を呼び寄せ、愛弟子の勝利を期待した。


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しかし、試合は・・・。

「パンチの威力がまるで違う」立ち上がり。その上手数も多いエスパダスに挑戦者は打ち合いを余儀なくされる。そして迎えた3回。王者の左フックがヒットして挑戦者アッサリとダウン。




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しかし、ここで開き直った挑戦者は手負いの獅子と化す。再開後猛烈な打ち合いに突入した中、挑戦者の左から右ストレートがものの見事にクリーンヒット。さすがの王者表情もこわばった。ダウンがあったにもかかわらずパナマ人のライ主審は5-5-のイーブンと付けている。

前に出る挑戦者だが、その健闘もここまで。打ち合いには滅法強いチャンピオンは、手数とパンチ力で高田選手を圧倒する。5回には完全に左目がふさがった。右目もうっすらと開いている程度。




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そして7回、「もうストップしろ!」の声が飛び交う中、青コーナーから白いタオルが投げ入れられ試合終了。終わってみれば、惨敗という文字が並んだ。それはTV視聴率にも及んだ。

9.3%(平均)。TV局も大惨敗とある。ちなみに昭和51年大晦日の紅白歌合戦視聴率は、74.6%。

日本TV局がノルマとしていたのは、日本人選手が王者の場合30%。挑戦者の場合で20%の視聴率。「ゴールデンタイムに一桁ではスポンサーに顔が立たない」。

「今回の低い視聴率は、一時的なものだとは思いますが、万が一、どの世界戦でも似たような数字しか出なかったら、局としては世界タイトルマッチを切ることになるでしょう」(TV朝日ディレクター)


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昭和52年。4月、ガッツ石松(ヨネクラ)選手がセンサク・ムアンスリン(タイ)のボディブローで沈み、6月、輪島功一(三迫)選手がエディ・ガソ(ニカラグア)にタオル投入で引退。

この年、日本人選手の世界戦勝利は具志堅用高(協栄)選手の挙げた3勝のみ。

TV朝日は小熊選手をKOした触沢公男(東洋)選手を6月、ミゲル・カントに挑戦させるも失敗。翌3年1月2日、再起の触沢選手をエスパダスへアタックさせるも7回TKO負け。この試合は僅か。6.1%の視聴率に終わる。

後年、TV朝日は世界タイトルマッチ放映からいち早く撤退することになるのだが、世界タイトルマッチへの執念は、ある意味素晴らしかった。世界目指したTV朝日の歴史。これは賛否両論出ますね。しかし、面白いです。(~~)

今年も、よろしくお願い申し上げます。

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