柴田国明・海外再起・世界王者への道! | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

1972年5月19日。WBC世界フェザー級チャンピオン柴田国明(ヨネクラ)選手は、最強の挑戦者クレメンテ・サンチェス(メキシコ)に3ラウンドKO負け。歴史に残る名王者ビゼンテ・サルディバル(メキシコ)の地元で奪取していた王座を明け渡した。

王座を喪失した試合は痛烈なKO劇。挑戦者の強烈なワン・ツーの前に、王者は深々とキャンバスへ沈む。柴田選手は25歳。再起への道は早かった。

ヨネクラジム初の世界チャンピオンの再起戦は海外リング。王座喪失から2ヶ月と経っていない7月11日(現地時間)、ハワイで世界フェザー級8位バート・ナバラタン(比)を相手に行われた。

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この試合でスタンレー・イトウ先生とコンビを組んだ柴田選手。HICに5千人の観衆を集めて行われたナバラタンとの試合は壮絶な強打応酬の好試合。危険なサウスポーの強打者との試合は、共にグラつくシーンがあったが、柴田選手が明白な判定勝ちを収める。


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この試合の契約ウェイトはSフェザー級リミットの130ポンド(58.97キロ)。

「気持ちも、ウェイトも楽でしたねェ」(^^)

勝者は晴れやかな表情で喜びを語った。世界王者の再起戦が海外で世界ランカー相手。今ではちょっと考えられないマッチメイクですね。世界王座を保持していた自信が、強気の原動力だったのでしょうか。

かつて、タイでポーン・キングピッチとのリターンマッチで敗れ、世界王座を失った海老原博幸(協栄)選手は、「海外で再起戦を組んでくれなければ引退する」とまで言い張ってロサンゼルスへ飛び、強豪アラクレン・トーレス(メキシコ)との危険な試合に挑んでいる。

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「金平会長を目標に」と公言していた米倉会長は、奇しくも同じような路線で大事な一番弟子柴田選手を海外再起させた。この時既にSフェザー級転向を決めていた柴田選手。時の王者はWBAベン・ビラフロア(比)と、WBCリカルド・アルレドンド(メキシコ)。

続いて10月7日、南アフリカ・ヨハネスバーグに飛んだ柴田選手は、地元のアンドリース・ステイン(南ア)とグローブを交える。軽いフットワークで動き回るステインに前世界王者は大苦戦。左ジャブに大いに苦しめられた柴田選手は、大差の判定を失う。右目の負傷も痛かった。


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南ア遠征には、近大からプロ入りしていた辻本章次(ヨネクラ)選手も同道。アンドリースの実弟ガート・ステイン(南ア)と引き分けているが、この試合はホームタウン・デシジションと外電も伝えている。「絶対、僕の勝ちですよ。ひどかったですね」と辻本選手はボヤく。

この試合、辻本選手は再起戦。一月前、韓国へ遠征し無敗の東洋Sライト級王者 李 昌吉とノンタイトル戦を行ったが、これは惜敗。アマから転向のホープは悔しい初黒星を喫していた。

一月おかずの南ア遠征も凄いが、ステイン戦引分後の10月30日には日本ウェルター級王者清水孝恒(セキ)選手に挑戦、チャンピオンを6回終了棄権に追い込んだ辻本選手は、見事に日本タイトルを獲得した。そのスマートな風貌からは全く想像できないたくましさである。


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とにかく、アマから転向の逸材にこのマッチメイクは見事という他ない。これまで消極的テクニシャンとみられていた辻本選手が、初回からたくましく打ち合うさまは、ファンを驚かせた。

南アフリカで敗れたことが幸いしてか、ハワイのサム・イチノセプロモーターは、ビラフロアvs柴田戦の実現に乗り気になった。柴田選手はSフェザー級世界ランキングから落ちず、勝ったステインはランク入りしていない。試合内容が問われた時代。

1972年秋。多くの日本選手が海外リングに立っている。ボクシング隆盛の韓国。日本王者サルトビ小山(笹崎)選手が東洋タイトルに挑み、10回KO負け。タイ・バンコクへ遠征したバンタム級2位黒沢元三(野口)選手は、自慢の強打を爆発させて5回TKO勝ち。

グァム島へは10人の選手が遠征し、3勝1分け。ハワイではバズソー山辺(フリー→船橋)、豊島正直(SB川口)選手らが活躍。後、日本で旋風を巻き起こすことになる。下写真中央は世界王者ビラフロア。右は豊島選手。


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ステインに意外な判定負けを喫した柴田選手だが、全く気落ちはしていない。「もう一度、世界タイトルに挑戦したい」。

「Sフェザーでも十分通用する。パワーの点が心配だったのですが、いけると思います」と、逆に自信をつけた米倉会長は、ハワイまで飛び直接交渉、ノンタイトル戦をタイトルマッチへ変更させた。時のWBA会長はボブ・リー氏。ハワイに本部があったのも幸いした。

「海外遠征で柴田は精神的に図太くなりました。もう精神力で負けることはないでしょう。きっとビラフロアに勝ちますよ」

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米倉会長が誰にも触らせなかったというほど、手塩にかけてきた愛弟子柴田選手のウィークポイントは精神力といわれてきたが、「気楽に戦える」海外遠征を経験したくましさを身につけた。こうして、ファイティング原田(笹崎)選手以来の2階級制覇を達成することになる。

海外遠征が盛んだった時代。負けて返って来ても外国帰りの選手はなんか貫禄ありましたね。勝ってきた選手はそれこそ違う。貴重な経験ができる海外遠征。ガッツ石松(ヨネクラ)選手は一月の間にハワイと豪州で試合したこともある。

中堅選手がどしどし海外へ行けた70年代は、もう来ないのでしようねェ。

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