WBA暫定王者vs矢尾板・原田 | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

WBA最新ランキングで7人が名前を連ねる暫定チャンピオン。時代の流れとは思わないが、この先、全ての階級で埋まりそうな勢いである。ウェルター級、フェザー級、クルーザー級と、新たに三クラスでの暫定王座決定戦が既に決定している。


スーパーチャンピオンも認定しているものの、先のウェルター級スーパー王者シェーン・モズリー(米)vs同級1位フロイド・メイウェザー(米)戦ではWBAタイトルは賭けられず、リングサイドに陣取ったWBA首脳陣も面目なかった。


昭和49年(1974年)12月。WBCから初めてLフライ級(当時Jフライ級)ランキングが発表された。3位に後WBA王者となり具志堅用高(協栄)選手と戦うファン・グスマン(ドミニカ)。6位にWBA世界フライ級王者となるグティ・エスパダス(メキシコ)。7位に初代WBA同級王者になるハイメ・リオス(パナマ)らがランクされている。


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日本人選手の名前はない。全日本ランキングにもLフライ級は増設されたばかりで、初代王座は75年3月、1位天龍数典(東洋)vs2位渡辺 功 (熊谷)で争われることになっている。3位に後の世界挑戦者島袋武信(東洋)選手、4位に浦崎(ピューマ)幸也(ハーバー山上)選手、9位に具志堅用高(協栄)選手。


この時代、日本、東洋にはSバンタム級(当時Jフェザー級)はあったが、まだ世界にはない。世界にSバンタム級、Sフライ級ガ増設されていくのはこの後になる。


日本の評論家諸氏は、Lフライ級新設にはこぞって反対。「いっそのこと、ジュニアクラスは全部なくせばいい」。


WBA、WBC両クラスの世界チャンピオンは日本人。A花形 進 (横浜協栄)選手、C小熊正二(新日本木村)選手。Aには世界王者となる選手が6人、Cには5人がランキングされている。激戦区の最軽量級の下のクラスは、さらに体の小さい選手のために増設された。


モンソンvsナポレス。
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74年12月のWBA王者。フライ級花形 進 、バンタム級 洪 秀煥(韓国)、フェザー級アレクシス・アルゲリョ(ニカラグア)、Sフェザー級ベン・ビラフロア(比)、ライト級ロベルト・デュラン(パナマ)、Sライト級アントニオ・セルバンテス(コロンビア)、ウェルター級ホセ・ナポレス(メキシコ)、Sウェルター級オスカー・アルバラード(米)、ミドル級カルロス・モンソン(亜)、Lヘビー級ビクトル・ガリンデス(亜)、ヘビー級モハマッド・アリ(米)。


74年12月WBC王者。フライ級小熊正二、バンタム級ロドルフォ・マルチネス(メキシコ)、フェザー級ボビー・チャコン(米)、Sフェザー級柴田国明(ヨネクラ)、ライト級ガッツ石松(ヨネクラ)、Sライト級ペリコ・フェルナンデス(スペイン)、ウェルター級ホセ・ナポレス(メキシコ)、Sウェルター級オスカー・アルバラード(米)、ミドル級ロドリゴ・バルデス(コロンビア)、Lヘビー級ジョン・コンテ(英)、ヘビー級モハマッド・アリ(米)。


すぐに思い出せるそうそうたる顔ぶれが並んでいるが、WBAチャンピオンの方が重厚の印象でしょうか。この時代の各団体、各クラスの世界王者は暗記していたものです。今は、とても厳しいですが。(~~)


昭和29年(1954年)日本に世界王座が失われてから8年後、世界に最も近い男として日本中の期待を集めていたのは、東洋フライ級王者矢尾板貞夫(中村)選手。世界ランキングは堂々の1位。ずいぶん長い間、この地位にありながら2度目のチャンスは、なかなか回ってこなかった。


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1962年2月の世界ランキング。矢尾板選手の他には、フライ級6位に日本王者野口 恭 (野口)選手、フェザー級4位に日本王者高山一夫(帝拳)選手の名前があるのみだ。


デビュー以来23勝(10KO)2分の快進撃を続けるファイティングは原田(笹崎)選手は、リング誌ランキング10位に入ったばかり。矢尾板選手との対戦も希望しているが、世界6位野口選手との試合を切望している。だが、世界だけを考えていた笹崎会長は、野口戦がかなわぬとなると、タイへ遠征してでも世界ランカーチャチャイ・ラムフェーバー(タイ→チオノイ)とやらせたいと、たくましさを見せている。


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しかし、これも実現に至らない。世界への足がかりがほしい原田陣営は、6月世界バンタム級7位エドモンド・エスパルサ(メキシコ)と対戦するものの、エスパルサのうまさの前に連勝は25でストップ。世界への夢は、仕切りなおしとなっている。


ペレスvs矢尾板。
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1959年、無敗の世界フライ級王者パスカル・ペレス(亜)に土を付け、絶対有利の予想の中世界初挑戦。だが、ペレスは強かった。一敗地にまみれた矢尾板選手は、海外遠征で腕を磨く。ブラジルでは世界バンタム級王者エデル・ジョフレ(ブラジル)とグローブを交え、最終回につかまるも大いに善戦。自信を深めた。


62年3月、世界バンタム級1位ホセ・メデル(メキシコ)との試合は大接戦。惜しくも敗れたが、世界フライ級1位の座は変わらない。フジTVの後援を得て、ようやく王者ポーン・キングピッチ(タイ)との対戦が決まり、正式契約を済ますも突然の引退。これは日本中の注目を集めた大事件となる。原田選手がエスパルサに敗れて、2週間目の出来事。


しかし、運命はわからない。同じフジTV系列下ということでのピンチヒッター。棚ボタで世界挑戦のチャンスに恵まれたのは原田選手。そして、大方の予想を覆し日本人キラー、キングピッチを破った原田選手は世界チャンピオンの栄誉に輝き、日本のアイドルとなった。


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勝負の世界に、「れば」、「たら」はないが、ついつい考えてしまう矢尾板選手のレコードです。日本人二人目の世界王者は代打挑戦。世界ランカー戦敗北後は、前哨戦が一つ。矢尾板選手の引退、「TV局の意向」が、”根性の男”ファイティング原田選手に、大きな人生の転機を与えた。


チャンスは、いつ来るかわからない。その準備を普段から怠らない選手、強い心を持った選手が、スターの座へ上り詰める。


数少ない世界王座を目指し、先輩諸氏が大変な努力をしてこられた時代を忘れずに、努力していきたいと思います。


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