V8ならず新井田・誇り高き玉砕! | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。


20勝負けなし18KO。最軽量級とは思えぬ破格のKO率を誇る挑戦者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)を迎えたWBA世界ミニマム級王者・新井田 豊 (横浜光)選手は、初回から果敢に打ち合うも、4回ドクターの勧告を受け入れたレフェリー、マーク・ネルソンが試合をストップ。V8はならなかった。

最強の挑戦者を迎えたチャンピオンは、その強打を正面から受けて立った。そして、これまでに見せた事のない逞しいボクシングを見せた。3回の猛反撃は素晴らしかったと思う。

挑戦者の強烈な左アッパー。右目が大きく腫れた新井田選手。かつての坂本博之(角海老宝石)選手と同じく、下側の腫れが痛々しい。もし、試合が続いていたならば、どうなっていたろうか。後半戦、まだ底を見せていない挑戦者から弱点を見出せた可能性はなかったか。2度防衛したら、クラスを上げるという新王者ゴンザレス。

現代ボクシングはスピードの変化がはなはだしい。15回戦は12回戦に変わった。そのダメージに対しても敏感だ。目の腫れ、カットは、体質的に腫れやすい者、カットしやすい選手がいる。


輪島功一選手の負けっぷりは見事だった。

オスカー・”ショットガン”・アルバラード(米)の強打に、最終15回玉砕した輪島功一選手。両目は腫れ上がりふさがっていたにもかかわらず、ラストラウンド勝ちに行った。結果的には、倒れなければ王座防衛の場面。性も根も尽き果てた王座陥落は感動的だった。

怪物王者。世界バンタム級王者ルーベン・オリバレス(メキシコ)65勝(61KO)1敗1分と挑戦者・金沢和良(アベ)選手の試合は壮絶なる打撃戦であった。両選手死力を尽くしての戦いは、ピンチとチャンスのシーソーゲームの末、14回チャンピオンが打ち勝った。


史上まれに見る打撃戦。オリバレスvs金沢。


試合後の両選手。

互いに深いダメージを被った両選手。13回のチャンスを逃した挑戦者は、14回壮烈な討ち死にを遂げる。だが、2度のダウン後も「テメエーッ」「コノヤロー」と立ち向かう金沢選手の姿は大きな感動を与えた。

”カンムリワシ”。具志堅用高(協栄)選手も、顔面が腫れやすく、カットしやすい体質であった。初防衛戦のハイメ・リオス(パナマ)戦はダウン挽回、両目を腫れ上がらせ、さらにカットという悪条件の中、達成された。

シュギート(幻)といわれたリオスは、変則フットワークと、ロー・ダッキングを駆使する。2勝しているが対戦では2度ともチャンピオンの両目がふさがった。


具志堅vsリオス第1戦。

現WBA世界フライ級チャンピオン坂田健史(協栄)選手はロレンソ・パーラ(ベネズエラ)との第1戦、顎を砕かれながらも前進をやめず、王者を追い掛け回したが惜敗。

「あれ(アゴ、)いっちゃってるよなァ。よく頑張るなァ」

試合が行われている最中、関係者の声を聞いた。


試合後の坂田選手。パーラ第1戦。

「もう一度、同じパンチ貰ったらタオル入れるつもりだったよ」

「だけど、あの試合は勝ってたなァ」

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ミニマム級とは思えぬ激しい打撃戦の末、王座を明け渡した新井田選手。大きなダメージを被ったが、心まで折れてはいなかった。王者としての威厳を保ち、その座を譲ったV7王者。しかし、記憶に残る試合を見せた。

今は、何も言えないだろう。しかし、ゴンサレスが2度防衛後王座返上であれば、またチャンスはやって来る。あれだけの打ち合いを演じたのだから・・・。

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