第21回(昭和49年度)のフライ級の本命は岡橋 勲 (SB川口)選手。17才で9勝(7KO)1敗の戦績。この一敗も、もう一つの新人王VANカップ争奪戦決勝で倒し、倒されの惜しい試合を失ったもので、その評価は一つも変わっていない。
天涯孤独の岡橋選手は、同じ境遇の門田新一選手を大変尊敬していた。
対する 牧 公一(田辺)選手は6勝5敗1分の18才。準決勝では、蕨野昭二(埼玉中央)選手と1回延長の末、勝者扱いと影が薄かった。大本命岡橋選手。
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しかし試合は、引き分け。1回延長の末に牧選手の勝者扱いとなった。つまずいたホープ岡橋とあるが、この試合以後、大器といわれた岡橋選手は平凡な選手へと変わってしまい、無冠のままリングを去る。
写真左下が牧選手。結果は引き分けだが、新人王というタイトルが両選手のその後の明暗を分けるきっかけになったように思う。
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ピ~ンと来る方にはわかるが、牧選手は具志堅用高選手のデビュー戦の相手を務めている。続く2戦目も牧選手が相手だった。アマ高校王者と18才のプロたたき上げの試合は2戦ともカンムリワシの苦戦だった。
5敗の内二つは未来のスーパー王者から。そして残り三つの黒星も将来のランキングボクサーが相手。蕨野選手も日本タイトル挑戦する程の選手になったし、牧選手は日本フライ級王者として名を残した。
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これより前、第19回(昭和47年度)のSライト級では、デビューから6連敗、これで区切りをつけようと、西日本新人王戦に出場した新井容日(大星)選手が、西日本の頂点に立った。全日本新人王は逃したが、以後は白星が続いた。
粘り強く選手生活を続けた新井選手は、元世界王者ガッツ石松選手を破り、デビューから11年かかって日本Sウェルター級王座も手に入れる。
元世界Lフライ級王者渡嘉敷勝男選手は、第26回(昭和54年度)の新人王戦に出場。毎回際どい勝負を制し、全日本の栄冠を手に入れたが、後の日本王者佐藤勝美(内野)選手とは、引き分け勝者扱いとヒヤヒヤものだった。
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トーナメントを勝ち抜くには、気持がものを言う。1勝選手と3勝選手がぶつかり合う新人王戦。普通のオープン戦では絶対に組まれない星同士の対戦もあるが、心半分、数字通りにはいかない。
明日のチャンピオン夢見て、火花散らす新人王戦。ぜひ、後楽園ホールまでご観戦に。結構、前で観れますよ。(~~)
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