運命の分れ道!喜友名朝博VS大橋秀行 | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

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「あの試合で喜友名の運命が変わったな」88年1月11日チャンピオン・カーニバル。日本L・フライ級タイトルマッチ、チャンピオン喜友名朝博選手に同級1位大橋秀行(ヨネクラ)選手が挑戦。”宿命の対決”と言われた。

それぞれ韓国の世界王者に挑みKO負けした同士とはいえ、国内では自他共に認めるライバル。世界戦後5連勝の王者はWBA3位、WBC4位と世界再挑戦も見えて来ていた。幼馴染、渡真利誠司(キング)との世界ランカー対決を制したが、その後の地元沖縄での2度目の防衛戦では、KO勝ちこそ収めたものの2度のダウンを喫している。

強い相手に勝った後での地元試合で、気負ったにしても精神面の心配材料が見え隠れする。一方の挑戦者はWBC14位。WBC王者張正九への挑戦失敗後2連勝。とはいえ、内容的評価はいまひとつ。予想は五分五分。勝った方が世界再挑戦へ向けて生き残るであろうと言われた試合であった。

後楽園ホールは2620人の入りで超満員。お客さんは”好カード”知っている。試合は、手数、クリーンヒットではチャンピオンが3倍上回ったが、単発ながらダメージを感じさせるパンチは挑戦者。「俺は喜友名が勝ったと思ったけど」大竹マネジャーだったが、判定は99-96のユナニマス。意外な大差と表現される判定で大橋選手が勝利した。

勝利の瞬間の挑戦者コーナー。大橋選手と共にガッツ・ポーズの米倉会長。右端は今なお現役の西澤ヨシノリ選手。若い。(~~)来る18日大橋会長の愛弟子、川嶋勝重選手が世界王座返り咲きを目指す。大橋イズムを継承する川嶋選手の健闘を期待したい。-大橋ジムホームページはこちらです -

「喜友名アレで気持切れたかな。大橋はあの試合勝ったから世界チャンピオンになった」二人のその後を分けた試合後、大橋選手はタイトル返上、6月再びWBC王者張正九の世界タイトルへ挑戦が決定。今度は東京でのアタックだったが、歴史に残る打撃戦を展開したものの壮絶な玉砕。だが、またしても貴重な経験を積んだ。


この当時のガッツ・ファイティングでは、休憩時間にフラメンコ・ギターの演奏等も行なわれていた。「良かったでしょ。アレ」(~~)

一方の喜友名選手。4月リターン・マッチを主張したが、大橋選手の世界戦が決まったため、5月地元沖縄で小野健治(トクホン真闘)選手と対戦。10回KOで3度目の日本王座に就いた。しかし、自分に勝っている大橋選手はまたしても世界王座挑戦に失敗。少なからずショックは受けただろう。

それでも、一度勝っている渡真利選手をKOで返り討ち。帝拳ジムのホープ、木村健一選手”14勝(7KO)1敗”をも退けた。11月28日の木村戦後、翌89年1月23日早山 進 (金子)選手との試合が組まれた。

早山選手、好センスでパンチもあったが打たれろすぎた選手。大橋選手には2連続KO負け。喜友名選手も2度勝っている。しかも2度目は1回KO勝ち。クリスマス、お正月をはさんでのこんなカードは波乱の要素がたくさんある。予想も楽勝のKO防衛でした。

しかし、この試合の喜友名選手、全く精彩に欠けた。肌のつやも悪く、入場時から元気が無い感じ。早山選手のパンチは鋭い。2回開始早々から痛烈なダウンを喫する。いいところなく追い掛け回されたあげく、2回目のダウン。その後パンチでカットされた左目上の傷が深く、3回ドクター・ストップのTKO負け。

大番狂わせ。早山選手、あの10連敗世界王者F・キロスのようだ 。7連敗後の3連続KO勝利で9勝(7KO)11敗。一気に世界ランキングにも入った。あまりにあっけない喜友名選手のラスト・ファイト。あまりのショックに言葉も無かった。

大橋選手は2度の張正九への世界挑戦経験の失敗を生かし、世界王者となった。これは喜友名選手ラスト・ファイトの1年後。もう少し辛抱していたら・・・。両者2度目の対戦もありえたかも知れない。決して言葉ほど強気ではなかった喜友名選手。世界挑戦前のホテル、”不動心・精神的スタミナを作る本”なんていうのを読んでいたらしい。

ほんとに強気な人間はこのての種類は読まない。強気なリードが必要だった部類の選手であったと思う。「自分の言う事聞いてくれる楽なトレーナーに逃げる選手は、試合で返ってくるよ。だけど自分で選んだんだから仕方ない。選手もホントはわかってるんだから」体力=心のスタミナ=技術。目標、夢を見つめ、追いかける事を持続させる毎日。

楽な事ではない。「お前チャンピオンになりたいんだろ。違うならいいけど」練習生に対しても、あっさりと言い切る大竹マネジャー。現在喜友名選手は、千葉市の本多ジムでトレーナーとして選手育成に携わっている。-本多ジムホームページはこちらです -

「喜友名の選手どうした」いつも気にしている大竹氏。赤城ジムを去った後、心配していた。「本多さんなら大丈夫」長い年月色々あったが、今では師弟共々相通じるものがあるようだ。喜友名氏のこれまでの経験を生かした、トレーナーとしての今後の活躍を期待したい。今度石川さんの”茶夢亭 ”で昔話でもしよう、頑張れよキュウちゃん。(~~)

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