会員制ビジネスにおける長期繁栄の秘訣
コロナ禍でも根強い人気の1つがフィットネスクラブなど、会員制ビジネスです。
えっ? でも会員制のフィットネスクラブはコロナの影響で大きなダメージを受けているのではありませんか?
と思った人もいるかもしれませんね。
しかし、下のグラフを見てもおわかりのように、10月段階のフィットネスクラブの売上高は前年同月比で71.3%、会員数は同76.3%の在籍となっています。
もちろん厳しい状況ではありますが、ホテルや旅館、レジャー施設や外食など、他の実店舗型サービス・飲食ビジネスに比べれば底堅さは一目瞭然です。
理由は様々ですが、最も大きな理由の1つに、フィットネスクラブが(主に月額制の)「会員制」を採用しているからです。
会員制ビジネスは、サブスクリプションを通じて築き上げた顧客との長期的関係から価値を獲得しようとする、近年のビジネスモデルの大きな流れです。
とはいえ、会員制ビジネスには次のような「落とし穴」もあります。
商品やサービスを既存会員に合わせることに熱心なあまり、見込み客や新規入会者のニーズや欲求に応えることをしなくなってしまうことです。
既存会員の重視。まあ、そのこと自体は悪くはないのですが、見込み客や新規入会者の新しいニーズや欲求に応えることができなくなる恐れが多分にあります。
この問題は、フィットネスクラブのように外部から閉ざされた環境、人とのつながりが強いサービスについては、とくにその傾向が強まります。
その結果、見込み客や新規入会者の獲得が進まなくなり、獲得したとしても環境に馴染めず早々に退会してしまうということになりがちです。
「既存会員と見込み客・新規会員は異なるニーズや欲求を持っている」。
これは会員制ビジネス経営や運営にとっての大きなジレンマです。
コロナ禍でも8割近い会員が在籍してくれている一方で、会員数は徐々にではありますが減少傾向にあるのは、見込み客や新規入会者に対応した商品やサービス提供ができていない点にあるのではないでしょうか。
では会員制ビジネスを常に新鮮であり続けて新規会員を獲得し、維持するためには、どうすればいいのでしょうか?
次のシンプルな方針に従えば、問題の解決あるいは回避することができるでしょう。
1.新規会員数〉退会者数
たとえ既存会員の満足度が高いとしても、新規会員が増えないのは、①商品やサービスに魅力やニーズがないか、②伝え方に問題があります。よって、この2つを見直す必要があります。
2.初期定着に力を入れる(新規入会者のオリエンテーションをカスタマイズする)
新規入会者に一律の入会オリエンテーションをしている限り、現在の環境やサービスに合った一部の人しか定着しません。
それを避けるカギは、入会者一人ひとりに合ったカスタマイズされたオリエンテーションが必要になります。
3.毎日のように来館する熱烈な会員以外にも目を向ける
毎日のように来館する熱烈な会員は、今の環境やサービスに居心地の良さを感じている人たちです。
そうした熱烈な会員を重視するあまり現状維持を続けて、それ以外の会員が満足する新たな商品やサービスを提供しないままでいると、徐々にではありますが会員数は減っていきます。
それを避けるには、1年以内の早期退会者、見学や体験をしてくれたけど入会してくれなかった人などの多様な声をよく聴き応えることで、より美しい調和が生まれます。
会員制ビジネス経営にとって今後ますます重要になるのは、昔からの会員を重視するだけではなく、つねに新しい会員を獲得するための改善工夫、関係を深める努力も怠らないことが大切です。
本日も最後までお読み頂きありがとうございます。
それでは次号をお楽しみに!

