増収・増益・成長戦略、ルネサンス2025年3月期決算を読む
2025年5月13日(火)
こんにちは。
サクセス発行人の田村真二です。
先週から今週にかけて、フィットネス関連上場企業各社(子会社含む)の2025年3月期決算発表が行われています。
総合スポーツクラブなどを運営する株式会社ルネサンス(以下、当社)は5月9日、2025年3月期の決算を発表しました。
本日は、当社2025年3月期決算短信および同決算説明資料より、その決算発表の要約をお伝えします。
売上高は637億3,700万円で、前年同期比46.1%増となり、営業利益は19億4,600万円(同54.3%増)、経常利益は12億2,400万円(同117.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は7億6,600万円(同21.0%増)となりました。
この増収増益は、スポーツクラブの会員数の堅調な推移と、2024年3月末に完全子会社化した株式会社スポーツオアシスの家庭用運動機器販売の好調が主な要因です。
コスト面では、全社的な省エネ対応や国の電気・ガス料金支援により光熱費を抑制できたこと等から、各段階利益は概ね計画に近い水準となり、売上高営業利益率は2024年3月期の2.9%から3.1%に改善しました。
部門別売上高の状況
スポーツクラブ事業
スポーツクラブ事業では、ジム・スタジオ・プール・温浴施設等の施設を充実させるとともに、居心地の良さやスタッフによる運動指導、コミュニティづくりを強みに、幅広い世代の方々の健康づくりをサポートしました。
当連結会計年度においては、既存施設の新規入会者数が堅調に推移し、特に企業・健康保険組合に所属する従業員又は組合員向けの会員種別であるマンスリーコーポレート会員の新たな入会プランが好評となりました。
また、前連結会計年度に新規出店した4施設、2024年3月に事業継承した「スポーツクラブ&サウナスパ ルネサンス KSC金町24」(東京 都葛飾区)及びオアシス運営施設の純増が寄与し、スポーツクラブ事業における当連結会計年度末の売上高は532億17 百万円(前年同期比35.3%増)、在籍会員数は500,126名(うちオンライン会員数68,398名)(前年同期比26.6%増) となりました。
地域・自治体向けの健康づくり事業
スポーツクラブ運営のノウハウを活かしたBtoG領域(地域の健康づくり)では、プールの老朽化や教員の負担軽減、猛暑日の増加等によるニーズの高まりを受け、学校の水泳授業の受託が増加したほか、当連結会計年度において9つの自治体と地域住民の健康増進や防災時の当社施設利用に関する協定を結び、連携を強化しました。
また、オアシスが企画設計開発を手掛けたバランスボールを活用し、福岡市と協働で取り組んだ「バランスボールを活用した転倒災害予防実証実験」においては、厚生労働省が安全で健康に働ける職場環境づくりに向けた優れた取組を表彰する「SAFEアワード」のサービス産業部門 企業等間連携部門で最高位のゴールド賞に選出されました。
公共施設等官民連携事業(PPP)(以下、「PPP事業」といいます。)等による健康づくり拠点の活性化においては、2025年3月にトレーニングルームの運営受託を開始した「香川県立アリーナ」(香川県高松市)を含め、新たに7施設が加わりました。
企業・健康保険組合向けの健康づくり事業
BtoB領域(企業・健康保険組合向け働く人の健康づくり)では、住友生命保険相互会社のVitality会員の利用を中心に、オンラインレッスンサービス「RENAISSANCE Online Livestream」(以下、「ROL」といいます。)等を通じた企業の有する顧客に向けたサービスに取り組みました。
また、ヘルスリテラシーの向上を通じて企業の健康経営の実践を支援するオンライン健康サービス「スマートAction」を、企業・健康保険組合等に向けて提供開始しました。
介護・医療周辺事業
介護・医療周辺事業では、スポーツクラブと訪問看護ステーションが一体となって地域の健康づくりに貢献する取組として、9月に「スポーツクラブ&サウナスパルネサンス港南台24」内に「ルネサンスリハビリステーション港南台」(神奈川県横浜市)を開設しました。
また、リハビリ特化型デイサービス「元氣ジム」の事業拡大のため、鎌倉エリア及び横浜エリアのドミナント展開として、10月に「ルネサンス元氣ジム大船岡本」(神奈川県鎌倉市)、11 月に「ルネサンス元氣ジム弥生台」(神奈川県横浜市)の2施設を新規開設しました。
さらに、がんサバイバーのリハビリ支援を目的として、QOLの向上に向けたオンラインセミナーを複数開催したほか、「大阪国際がんセンター認定がん専門運動指導士(以下、「がん専門運動指導士」といいます。)」の養成・資格認定事業を強化し、当連結会計年度末時点で当社のスポーツクラブ67施設及び介護リハビリ7施設にがん専門運動指導士を154名配置しました。
この結果、介護・医療周辺事業における当連結会計年度の売上高は20億32百万円(前年同期比4.9%増)となりました。
ホームフィットネス事業
ホームフィットネス事業では、家庭用運動機器の通販において、売れ筋商品である「ツイストステッパー」シリーズのインターネット販売が堅調に推移したほか、座ったまま内転筋を鍛えることができる「スタイリーボール」等の振動系商品の販売が好調に進み、ホームフィットネス事業における当連結会計年度の売上高は48億37百万円(前年同 期より46億67百万円増)となりました。
なお、オアシスが出店する楽天市場において、多数の商品が好評となり、「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2024」のスポーツ部門ジャンル賞を受賞しました。
施設数の状況
当連結会計年度末の当社グループの施設数は、スポーツクラブ222施設(ルネサンス:直営108施設、 業務受託63施設、運営支援4施設、オアシス:直営32施設、業務受託13施設、RENAISSANCE VIETNAM,INC.:直営2施 設)、小型業態2施設(ルネサンス:直営1施設、RENAISSANCE VIETNAM,INC.:直営1施設)、介護リハビリ47施設 (直営37施設、フランチャイズ10施設)、アウトドアフィットネス14施設(直営5施設、業務受託9施設)の計285施 設となりました。
今後の見通し
今後の見通しにつきましては、賃金・雇用情勢の改善が続くなか、個人消費等の内需の増加が見込まれる一方、米国の関税引き上げによる世界経済悪化の懸念や、人材不足の本格化等、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。
フィットネス業界においては、急速に進む少子高齢化に伴い健康寿命の延伸が国の重要課題となるなか、運動やコミュニティへの参加等を通じた健康づくりの場として、フィットネスクラブへの期待が益々高まっています。
このような環境下、当社グループは、合併により合流した旧オアシスのスタッフとともに、2024年5月に策定の「2024-2027中期経営計画」達成に向け、以下の重点取組を推進してまいります。
スポーツクラブ事業では、施設ごとの市場環境や特性に応じた設備投資及び会費の見直し等を行い、収益力の向上を目指します。
旧オアシスの施設においては、都心エリアの立地を活かし、法人向けマンスリーコーポレート会員の集客に取り組むほか、これまで成人のみを対象としていた施設へ、当社のスクール事業のノウハウを活かしてジュニアスイミングスクールを展開すること、スイミングスクール向けのICTソリューション「スマートスイミングレッスン」を既存施設へ導入すること等により、会員数の拡大と品質向上に取り組みます。
また、新規出店及び施設の契約更新の判断においては、当社の事業に適したROICの視点を用い、資本コストを意識した経営を行ってまいります。
スポーツクラブ運営のノウハウを活かしたBtoG領域(地域の健康づくり)では、地域の健康課題解決を実現するための商品開発や提供体制の整備に取り組み、学校の水泳授業や介護予防教室などの受託件数の増加を目指します。
また、PPP事業の拡大に向け、PPPに精通した人材の採用と育成、マネジメント体制を強化します。
BtoB領域(企業・健康保険組合向け働く人の健康づくり)では、ROLやスマートAction等を通じた企業との健康づくり施策の協働や法人会員の拡大とスポーツクラブ利用の促進による、健康経営の支援及び働く人の健康づくりを強化します。
介護・医療周辺事業では、直営既存施設の収益性維持・向上に取り組むとともに、他の介護事業者等に向けた機能加算取得に繋がるソリューションの提案を強化し、新たなビジネスモデルの開発を進めてまいります。
ホームフィットネス事業では、スポーツクラブに通っていない、国内人口の約96%の層に向けて、家で手軽に身体を動かす楽しさを提供します。今後、ホームフィットネス事業の商品開発力と当社の介護リハビリのノウハウとを掛け合わせ、シニア層に向けた商品開発と販促手法の確立にも取り組みます。
以上の取り組みにより、2026年3月期の連結業績予想では、売上高670億円(前期比5.1%増)、営業利益22億円(同13.0%増)、経常利益14億円(同14.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8億5,000万円(同11.0%増)を見込んでいます。
●田村コメント
フィットネス業界の経営者・幹部にとって、ルネサンスの成長戦略は注目すべき点が多くあります。特に、家庭用フィットネス機器の販売強化や、スポーツクラブの会員数増加への取り組みは、今後の業界動向を占う上で重要な指標となるでしょう。
詳細については、当社公式IRページをご参照ください。 こちら
それでは次号をお楽しみに!









