初心忘るべからず、という言葉はあるけど実行は難しいですね
7月22日(金)
こんにちは。田村真二です。
昔から日本には、「初心忘るべからず」という言葉があります。
もともとは、世阿弥(能の大成者)の言葉とされていますが、現代では、「物事に慣れると慢心してしまいがちだが、最初の頃のことを忘れてはいけない」という意味で使われるのが一般的です。
例えば接客業の仕事をしている人が、最初の頃は緊張感や新鮮な気持ちでお客様一人ひとりと接していたのに、仕事に慣れてくるにしたがいそうした感情や気持ちがなくなり、「単なる作業」としてこなすようになることを戒めるときなどによく使います。
私はこれまで総合スーパーやフィットネスクラブの開店時に何度も応援に行ったことがあります。開店初日などでは、店舗で働いている人たちは皆、緊張感や新鮮な気持ちで仕事をしていることがよく伝わってきます。
ところが、数カ月後に再び訪れてみると、働いている人たちにそうした感情や気持ちが薄らいでいるシーンをよく見かけました。いわゆる、「慣れ」ですね。
本人たちが意識的にしているわけではないと思いますが、外部(や顧客)の立場から見ると一目瞭然です。
だからこそ、初心忘るべからず、という言葉があるのだと思います。
ただ、慣れや習慣を侮ってはいけません。この言葉だけを教えているだけでは、決して行動は伴わないでしょう。
初心忘るべからずを具現化させるにはどうしたらいいか、形で表現するにはどうしたらいいか、この手法や制度をともなわなければ教育なんて絵に描いた餅です。
その点、東京ディズニーランド(東京ディズニーリゾート)は、さすがです。
例えば、ダンサーの初演を保つための制度なら、「あなたたちは一年に一回、全員あるオーディションを受けなければなりません」というものがあります。
目的は、ゲスト(お客様)が感動するのはダンスのテクニックそのものではなく、そのダンスが初演になっているかどうかを見るため、だそうです(私はこのことを開園当時の役員の方に聞きました)。
このオーディションには、ダンスの上手いベテランほど落とされるそうです。つまり、ディズニーでは、初演を演じることのほうがテクニックの良し悪しよりも優先されるということです。
なぜか?
それこそが、リピーター作りにつながることだと、経営陣が理解しているからです。
ディズニーランドには、ポリシー(「ファミリーエンターテイメント」と「マジックキングダム」)を具現化するための3つの方策があります。
その1つが、常に「毎日が初演」でなければならない、です。
何年も何十年も人に接するビジネスに携わっている人なら、この言葉を実践することの難しさを理解していることと思います。
それを愚直に続けているのが、東京ディズニーリゾートなのです。
あなたは、「初心忘るべからず」と聞いて何を思い浮かべますか? 今でもそれを実行できているでしょうか?
それでは次号をお楽しみに!
