向かい風はなぜキツいのか | 桜伐ル馬鹿梅伐ラヌ馬鹿

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最近、向かい風はなぜキツいのかについて考えてみた。

以前からよく考えてはいたのだが、ニセコクラシックのTTを控えて自分の弱点に真正面から向き合わざるを得ず、その1つとして向かい風でバテやすい理由についてそれまでより突っ込んで考えてみたのだ。

 

キツいというのは具体的に言うと、筋肉への負荷が高いという事だ。

机上で考えると、追い風だろうが無風だろうが向かい風だろうが同じ出力で走ればキツくない様に見えるが、実走してみると違う。

極端な言い方かもしれないし主観に過ぎない話ではあるが、追い風で240Wで巡航しているのと向かい風で210Wで巡航しているのとが同じくらいの負担感だ。確実に違う。

 

理由について考えてみて、主に2つあると思った。

 

①エアロポジションを崩す事が出来ない事による疲労の蓄積

②ペダルの角速度ωが落ちやすい事でFにムラが発生する事による疲労の蓄積

 

①は慣れれば何とかなる話なので、②について考えてみる。

 

【運動方程式】

ペダルは円運動をしているので、円運動の運動方程式に沿って見る。

 F=ma=mrω^2

追い風の状況では惰性で自転車とライダーが前に進み続けるので、ペダリング1周で見た時に多少接線方向の力Fにムラがあっても角速度ωがあまり変わらず、ケイデンスと速度は維持しやすい。

逆に向かい風状況では常にブレーキがかかるのでFが小さくなるとωが落ちやすい。しかし速度を維持するにはωが変化した時に元に戻す必要があり、その時に大きなFが必要となる。

 

人間誰でもペダリング1周でFが完全に同じという訳には行かず、必ずFが抜けるポイントは発生する。それゆえ、向かい風状況下ではケイデンスと速度維持のためにFを大きくしなければならないポイントが発生し、Fのムラによって筋疲労が蓄積する、と考えた。

 

【Fが抜けやすいポイントと対策】

Fが抜けやすいポイントは上死点だと思う。

上死点で接線方向のFを維持するのは人体の構造的にも難しいので、片脚が上死点にある時に下死点にある逆側の脚でフォローしてやることになる。

パワーフェーズで言うと、脚が下死点前後にある時にFが確保されていれば向かい風状況でもωが小さくなるのを防ぐ事が出来ると思う。

 

【下死点でFを確保する方法】

極めて感覚的な話だが、13時から17時の辺りでFを(瞬間的にではなく)ぬるっと長めにかけて、下死点辺りでは脱力して脚を後ろ側に開放してやるイメージで押してやると下死点前後でもFを確保しやすい感覚がある。後ろに押し出す以上、前乗り気味の形にはなる。

実際平坦でペダリングをしつつ出力を見てみても、そのやり方をすると筋肉への負担を抑えつつSST辺りの出力がキープ出来た。

 

これはトレーニングではなく練習で何とか出来る技術だし、脚がキツい時にも出力を落として練習する事が出来る。

L4L5を出す場面以外も含め、ライド中常に意識していきたいと思う。