ひたちなかタイムトライアル180kmTTバイク 4時間13分45秒 優勝 | 桜伐ル馬鹿梅伐ラヌ馬鹿

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5月3日、ひたちなか市の安全運転中央研修所で開催されたひたちなかタイムトライアルに参加し、180kmTTバイクの部で優勝した。

タイムは4時間13分45秒、平均速度42.7km/h、平均出力244W、NP246Wだった。

ログはこちら。

 

 

自分の中では全体の平均で260W程出したかったのでそれには遠く及ばなかったのだが、この日の自分としては諦めずにやり切る事が出来たので悔いは無い。

中身を見てみると、ログの時間が4時間13分46秒だったのに対してPedaring Timeが4時間13分46秒だった。減速せずにペダルを空転させるような場所が無いコースだっただけに、1秒も止めずにペダルを回し続けられたのは良い。

 

リザルトの上位陣はこういう感じだった。

しろさとTTに続き優勝する事が出来て嬉しい。

 

当日までの諸々とライド内容は以下の様な感じだった。

 

【参加を決めた経緯】

3月19日に参加したしろさとTTでは優勝を目標として走ったので、過去に全て優勝されていた高岡さんをマークし、スタートのタイミングや走行中の位置等全て把握した上で自分の方が短時間になるように終始動き、目標達成できた。

ただこの時、直前にDHバーのセッティングを変更し本来の踏み方が出来なかった部分があり、その事が何となく出し切れていないという感覚に繋がり、煮え切らない気持ちが出てきた。

この気持ちを処理するにはもう1度長距離TTにチャレンジして出し切るしかない。

5月3日開催のひたちなかタイムトライアルは日程がGW中になるので何かと費用が掛かるが、迷う理由が値段なら買っとけ、というのはよく言われる事。

加えて、5月3日に向けてDHバーでの巡航練を繰り返してベースラインを押し上げるのは今シーズン全体のライド内容の進化にも繋がる。

 

自分はしばらく競技に参加してこなかったし、今年出ると決めていたのも3月19日のしろさとTTと6月17日のニセコクラシックTTのみ。これにひたちなかが加わったとしても1月半ずつ間隔が開いていることになる。

この数だと、全部が本気のレースになる。ひたちなかに参加した場合も目標は優勝という事になる。それならしろさとの優勝で気持ちよくシーズンイン出来たのだからリスクを取る必要も無いんじゃないか、優勝できなかったら悔しい思いをするだけなんだし、という考えも頭をよぎったが、参加した場合と参加しなかった場合、5月3日を終えた時点でどちらが強くなっているかを考えると参加した方だろうと思い、参加を決めた。

決めた以上何とか優勝を目指すだけだ。

 

【練習】

ここ3年ほど、普段の自分のライドはホームコースの銀山~赤井川を中心とした巡航練だ。

何か目標があってそうしているのではなく、やっていて気持ちが良い、終わった後充実感がある、という感じで楽しさを追求してそうなっている。

ひたちなかへの対策も大筋でこの枠から外れず今まで通りだった。

しろさとの後半月ほどはロードバイクにしか乗らなかったし、4月に入っても五稜郭に桜を観に行ったり、ひたちなかと関係の無いライドもしたが、ホームコースを走る時は徐々に出力を上げて行った。

 

【前日】

前日の昼に宿泊地の水戸に着いたのでしろさとの時には行かなかった偕楽園に行ってみた。

前日に何kmも歩くのはどうかと思ったが、大きな影響は無かったと思う。

水戸駅の北口からバスで向かったのだが、北口から少し坂を上った辺りの街の雰囲気が自分好みだった。

昔からある街の古さを感じさせながら、「ここで飲んだら楽しそうだな」という賑わいもあった。

 

偕楽園は竹林と梅がきれいだった。

 

丘の上にあるので千波湖ごしに街が見えて良い雰囲気だった。

しろさとの時も今回も南口にあるホテルに泊まったが、南口は大きな駅ビルとホテル、オフィスビルが立ち並ぶ感じで正直味気ない。

水戸がこんなに良い街だと解ったのは大きな収穫だ。

 

これだけいい街ならグルメも楽しみたくなるものだが、今回は前々日から脂ものは控えてひたすら炭水化物中心でカーボローディングを図った。

前々日と前日合わせて炭水化物中心で7000~8000kcal程は食べた。

ここまで食べるとそれはそれで消化器官に負担がかかるかも知れないとも思ったが、よく解らないのでとりあえず食べておいた。

あっさりしたラーメン位なら食べても全く問題無いんだろうとは思ったが、そこも我慢する事で精神的な隙も無くしたかった。

 

【当日】

当日はホテルから15km程自走し、少し余裕をもって会場に向かった。

受付の方も親切で、いい意味で緩いというか、参加者がリラックスして力を出して楽しめるように対応して下さった。

しろさともそうだったが、自転車競技連盟のレースとはまた違った雰囲気だ。

 

【スタート~60km】

180kmTTバイクは8時から各参加者が申告タイム順の5秒ごとにスタートする。

前年優勝は高岡さんで、高岡さんが最初の出走の段取りだったようだが直前にトラブルがあった様で後方でのスタートになっていた。

自分は全体の3番目の走行開始だった。

スタートしてすぐに先頭になり、そこからは淡々と巡航した。

はじめは緩い登り基調のホームストレート側が追い風、緩い下り基調のバックストレート側が向かい風という感じで、登りで向かい風になるよりはマシだろうと思いながら走っていたが、日が高くなるにつれて横風になり、風も強くなっていった気がする。

自分の中で180kmを60kmごとに分けてイメージしていたのだが、最初の60kmは平均出力264Wだった。

走行中に出力を確認すると270W前後の事が多かったのでそんなものだろう。

この60kmは前の筋肉は極力使わず後ろ側メインで踏むようにしていたが、ペダルに体重を乗せるのに加えて筋力でトルクをかける事も出来ていた。

タイミングがずれてスタートされる形になった高岡さんは確か4周目位のスタート直後のコーナーの辺りで捕捉し、追い抜く形になった。その時点でスタートのタイミングは違えど自分がタイム的には先行する形になっているのだろうと思い少し安心した。

60km走り終えた時点ではそれほど疲労感も無かった。

 

 

【60km~120km】

次の60kmはキツいものになった。

淡々と走っているだけなので特筆すべきことは基本的に無いのだが、前述の通り風向きが変わり風も強くなってきた。

ストレートで追い風ならそこでは速度も乗るし追い風前提のギアをかけたペダリングが出来る。

向かい風でも追い風でも巡航で使う出力はあまり変わらないと思うのだが、向かい風だとトルクのムラですぐにクランクの角速度が落ちてそれを戻すたびにトルクがかかり、筋力が削られる。

追い風前提でペダリングできる箇所が減ったのは脚にはキツかった。

速度はキープしなければいけないから、エアロポジションを崩すわけにはいかず、しろさとの時以上に頭を下げて腕と近付けるようにした。

周回を重ねるごとに色々な箇所に疲労が出てきて、エアロポジションの影響で肩の周りも張って疲労感が強くなってきた。

ソロのロングライドならリラックスしたポジションで体をほぐせばいいのだが、TTではそれはタイムロスに繋がるので出来ない。

エアロポジションを解除したら出力が20W程は余分に必要になる。それを脚で踏み抜けるのか?というと無理だ。それならどんなに辛くてもエアロポジションを解除するという選択肢は無い。

キツいのは主観の問題だが、速度が出るかどうかというのは客観的に決まる。それなら主観は無視だ。

色々とキツくなりかけていた中で、21周目を終える直前、走行距離103km辺りだったと思うが、左脚の内転筋が攣る感覚が出た。

経験上、少し力を抜いて回し続けていれば徐々に元に戻って攣る事は回避できるのだが、この時はその戻りに時間がかかった。これは良くない。

主観的にどうこうという次元では無く、内転筋が攣ったらまともに走る事は出来ない。

ある程度のライン以上のトルクをかけると攣る状況になってしまったので、103km以降はトルクをかけられない状態となった。

スタートから100kmまでの平均出力が255Wで180kmのゴール時にはそれが244Wにまで落ちているので、本当に大減速したことになる。

 

【120km~180km】

前述の通り左脚でトルクがかけれないので、最後の60kmは筋肉の動員を抑えて体重だけでトルクを生む状態になった。

序盤に筋力も動員してトルクをかけられていたのとは状況が全く違う。

ログ全体での左右のバランスを見ると、後半左脚が使えなかった影響が数値にも出ている。

普段自分は左右ほぼ同じか少し左が多い位だから、この数値は異常だ。

 

脚が終わった様な状態でもやめられないのが長距離TTの辛い所だが、この時はまさにそういう感じだった。

追い風になる箇所でダンシングを入れるなどして体をほぐしつつ、ひたすらエアロポジションでペダリングした。

もしここで気持ちが折れてトルクを抜いたら、1周あたり10秒20秒はすぐに遅れる。

そうなると、それまで自分が追い抜いた強豪の皆さんに簡単に追い抜かれる。

気持ちが原因で負けたとなればわざわざ日程と予算を割いて遠征した上で悔しい思いだけが残る事になるし、もしそれを次回に再チャレンジして払拭しようなどという事になったら、悔しさに1年間拘束される事になる。

そうならないためには今回一発で決めるしかなく、そのためにはどんなに辛くてもトルクを抜くわけには行かない。

再び内転筋が攣りそうになる瞬間があったが、攣らないという事だけ気を付けてキツさと疲労感は無視した。

最初の60kmに比べると大幅に体感時間は長かったが、何とかゴールにたどり着いた時は気持ちよかった。

他の方に追い抜かれずゴールしたので優勝かなと思ったが、計測の方に距離がちゃんと足りて完走出来ている事と、多分優勝だとうという事をお聞きした時は嬉しかった。

 

【反省】

今回の反省は、何といっても左脚が攣りそうになったことだ。その原因は恐らく脱水だと思う。

汗をかいた感覚は全くなかったが中盤以降腕の辺りに塩がふいていた。かいた汗が全部乾燥していたのだと思う。

今回はDHバーの間のハイドレーションに750ml程、1800kcal近くの糖類を溶かし込んでそれを摂りながら走った。

しろさとの時に比べ糖類の密度を高める事が出来たので、胸にハイドレーションを仕込むことは無かった。何もない方が動きやすいからだ。

今思うと、胸にハイドレーションを仕込んでスポーツドリンクなどを入れて飲みながら走っていれば状況は違ったのかも知れない。

自分は普段小樽から函館に行く時にもボトルは携帯しないことが多い。70km位に1度コンビニでジュースを飲めばそれで事足りるからだ。しろさとでも水分不足は感じなかった。

そういう経験から、水分の大切さを軽視していたのだと思う。

 

これも自分の甘さといえば甘さなのだが、しろさとの時の様に力を出し切れなかったというよりは、経験不足による無知で痛い目に合ったもののその時の自分としてはやり切ったという感覚だった。

 

【チャンピオンジャージとゴーゴーカレー】

完走後、本来なら他の方とTT内容や機材、練習について語り合い、健闘を称え合って表彰式に参加したかったのだが、茨城空港にバスで向かう必要があったため早々に退散してしまった。

運営の皆さんに申し訳なかったし、皆さんとお話しできる機会を失ったのも残念だった。

 

帰る前に、上位のタイム的に自分が優勝だろうという事でチャンピオンジャージとゴーゴーカレーを頂いた。

チャンピオンジャージを頂いたのは初めてなので本当に嬉しかった。

ゴーゴーカレーは東京に住んでいた頃食べていたので、また食べるのが楽しみだ。

 

運営の皆さん、参加者の皆さん、キツかったけど楽しい1日でした。

有難う御座います。