10月10日 P5X試運転 石狩~稚内 | 桜伐ル馬鹿梅伐ラヌ馬鹿

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10月10日、石狩から稚内でP5Xの試運転をした。

本当は宗谷岬まで行く予定だったのだが、サロベツ原野の稚咲内~抜海間で脚が何度も攣り、全く動けなくなったので坂ノ下でやめた。

295km、全体の平均移動速度は41.2km/h、平均出力は221Wだった。

300km近くをこの出力で走ったのは自分にとって初めてだ。それが脚が攣った原因の1つなのだと思う。

 

当日は終始南風で2017年にやった宗谷岬TT(小樽から宗谷岬までのTT)をするには良い状況だった。

札幌の人もチャレンジしたくなるように今回からそのルートを走る時は石狩湾新港のローソンを出発点とすることにした。

2017年はエアロバーを付けたPROTOSで朝里~宗谷岬の348kmを完走、移動時間9時間8分、平均移動速度は38.5km/hだったので速度は今年の方が高い。

 

今回の目標は、10月7日に入手したCerveloのP5Xの試運転をしてセッティングを出すことと、平均移動速度で40km/hを超える事だった。

結果として、セッティングは朧気ながら方向性が見え、平均移動速度は41.2km/h。

宗谷岬に到達することは出来なかったものの収穫はあった。

自分の限界まで回してP5Xの性能を試す機会を年をまたがずに作る事が出来たのは大きい。来年のスタート地点が全く違う。

 

【P5X購入経緯】

自分にとって2台目の非UCIトライアスロンバイクとなるP5Xを入手したのはAndeanからの乗り換えのためではなく、使い分けのためだ。

実際に追い込んでみない事にはわからないものの、ヘッドチューブやダウンチューブの形状やチェーンリングを覆うようにせり出したストレージなど、空力に特化しているのはAndeanの方だ。

ただ、快適性や各部の構造的な安定性、バランスの良さ、使いやすさはP5Xの方が上だろうと予想し、良さそうな中古のものを見つけて購入した。

ラッキーなことに、SRAMのRED22のeTapのフルコンポでブレーキはTRPのHY/RDでAndeanで使っているものと全く同じだ。運用面で便利なことこの上ない。

ホイールはAndeanで使っているHEDのJET Plus DiscとVanquish8をそのまま使用。

 

1つ大きく違うのは、Andeanのクランクが170mmであるのに対し、P5Xは175mmだ。これは走りこんでどうなるか試してみないと解らない。

P5XとAndeanの全体図。

 

【インプレ&走行記】

①石狩~小平 130km程

石狩湾新港のローソンを出発したのは朝4時43分。風は南東からの横風だった。

東の空が白み始めるタイミングで、本格的な夜間走行はせずに済んだ。

DHバーを握ってペース走を始めた瞬間、意外と普通な感じがした。Andeanの場合、車体が空気を割いて進む感じが明らかにある。乗っていて、「明らかに速い」という感触がはっきりと感じられるのだが、P5Xではそれは無かった。

しかし、Andeanと比較して路面の凹凸の衝撃が丸めてくれる。シートチューブが無いことが大きいのだと思うが、快適性が高い。Madoneに近い。

強い横風での挙動は、(慣れ不慣れの影響が多分にあると思うが)Andeanではステアリングがフラついたりラインがずらされるような事は感じないのだが、P5Xでは少しそれを感じた。車体が空気をどう受けるか、その特性がAndeanと違うのだ。

ブレーキのローターがAndeanでは140mm、P5Xでは160mmのものを使っている影響もあるかも知れないが、それだけではない気がした。

とはいえ、望来の下り坂では69.5km/h出ても問題なかった。この辺りはフォークとヘッドの剛性が高いんだろうと想像した。

カーボン固定用のコンパウンドを塗っていなかったのでサドルの固定がうまく行かず、途中何度か停まってセッティングした。コンパウンドを塗ってまた試してみる必要がある。

 

出力は210W程度を基本にしようと思ったが、全体的に少しそれよりも高くなった。宗谷岬600では180W台を徹底して全体の平均も189Wと狙い通りだったが、それに比べればこの日は距離も短いし追い風基調。しかも怪我さえしなければ失敗しても良い、特に思い入れも無いただのライドだ。

海岸線のアップダウンの多い区間だったが、風も途中から追い風となり平坦で40km/h台前半、区間全体での平均移動速度は37.3km/h、平均出力は224Wだった。

 

②小平~初山別 60kmほど

小平町からは天塩まで一気に行く予定だったが、案の定サドルがずれてきたので休み休み行くことにして初山別で休憩。

苫前手前からのアップダウンは追い風であまり負担が無かった。最近膝が少し痛かったのでダンシングでぐいぐい行くこともやめておいた。

P5Xでの走り込みが全く出来ていないので下りで全開で走るのは危険かと思ったが、望来の下りで大丈夫だったので普通に行った。追い風の中での70km/h台は全く問題無かった。強い横風で荒れた路面だと少し怖いと思う。

区間の平均移動速度は42.0km/h、平均211W。

 

③初山別~天塩 40kmほど

初山別からは10km程でアップダウン区間が終わり、遠別手前10km程からは平坦基調に。

今回は追い風だったのでかなり速度が出た。ここでP5Xの踏み方が少しわかった感じがした。Andeanでやってきたことだが、脚の踏み下ろし方と体の使い方がイメージできた。

クランクが175mmになった事による違いはそれほど感じていなかった。違いを感じない事も無かったが初めて乗る車体だから何から何まで新鮮だというイメージの中に吸収されていた。

平均移動速度は43.9km/h、平均出力は223W。

天塩のセイコーマートで補給をしている中で、明らかに脚が攣りそうな感触があった。

宗谷岬600を大きく超える出力で進んできているせいだろう。自分の中で宗谷岬600はL2の下限付近、今回はL2の真ん中よりも少し上で走ってきている。

おまけに持ったと思ったはずの2RUNを忘れてきていた。不安だったがイベントでも何でもないライドなので塩分なども気にせずそのまま突っ込むことにした。

 

④天塩~稚内(坂ノ下) 60kmほど

この区間は天塩大橋から坂ノ下まで、55.5kmの長いセグメントを含む。2017年にここを1時間10分、平均速度47.2km/hで通過したタイムが自己ベストだったが、これを更新することを目指すことにした。

P5Xのアウターが52T(56Tに交換予定)なので、52-11、ケイデンス90程度で踏んで53km/h台での巡航を続けた。良い感じだったのだが、抜海の手前10km程の地点で両脚が攣るのをごまかしきれなくなり、そこから明らかにペースダウンした。

とはいえ1時間5分、セグメントでの平均速度51.2km/hで自己ベストは更新する事が出来た。

量脚が攣り始めたあたりから雨で寒くなってきていたので宗谷岬に向かうことは諦め、ノシャップ岬まで行こうと考えていたのだが、坂ノ下での一時停止線で少し後輪を滑らせてしまい、それを立て直すのに少し荷重を変えたところ両脚の太腿が攣り全く動けなくなった。

確実にこれ以上は無理だと思ったのでログを切って立ち往生。何とか宿に向かうという形になった。

区間全体での平均移動速度は50.5km/h、平均出力は222W。

 

 

全体通して、P5Xの初乗りとしては頑張る事が出来たと思う。Andeanで走りこんでDHバーポジションに慣れていたおかげだろう。

セッティングをもっと詰めて走りこめばもっと性能を引き出す事が出来ると思う。

冒頭でAndean程の車体の空力は感じないと書いたが、平坦の巡航ではP5Xのパッドスタックの低さ(Andeanよりも30mm近く低い)と、それによって頭をかつてない程下げる事が出来るようになったのが効いた。

一旦巡航体制に入ってしまえばあとはフォームと出力を維持して勾配変化などに効率的に対応する乗り手の問題が大きいので、あまり機材に対して細かくいう事は無い。

P5Xで頭を最も下げたポジションが自然と感じられるまで走りこめば、かつてない速度で長距離を走る事が出来るかもしれない。

 

また楽しみが1つ増えた。