2017 BRM805宗谷岬600 20時間49分完走 | 桜伐ル馬鹿梅伐ラヌ馬鹿

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北海道のサイクリング好きのブログ。

8月5日、今年のロングのメイン目標である宗谷岬600に参加した。
結果は無事完走。20時間49分だった。

平均速度31.1km/h、平均出力120W、平均心拍144とのこと。出力がまた驚異的に低いが、これは名寄以降ほとんどまともに漕がなかったことが原因だと思う。
GARMIN VECTORの設定ミスかと思うほど低いが、全力で踏んだ時はFTP位の値になるので実際こんなもんなんだろう…

このコースは北海道民でも感動するような非日常的な景色を満喫できる最高のコースだが、去年は気持ちが持たず510km程走った時点で身体は大丈夫だったにもかかわらずDNFした。
今年は後半体調不良で苦しんだものの、気持ちが切れることはなくコースを楽しむことが出来た。夜も満月に近かったので月明りに照らされる畑や町を眺めながら楽しく走ることが出来た。
運営スタッフの皆さん有難うございます。


今回のテーマの一つはニューマシンでの完走だった。
事前に440km程のロングまでは走っていたものの、途中で膝の痛みが出たりで適応しきることは出来ず、今回はクリートの位置を思い切って変えての出走となった。
ダメなら調整しながらでも乾燥できればいいと思ったのだが、特に何もしなくても大丈夫だった。

もう一つのテーマは2年前に自分が出した21時間45分の記録を更新すること。
これは今の脚と装備ならまず問題なく可能だろうと思っていたが、実際そうだった。巡航速度が全く違うレベルなので適当にやっても更新できるレベルだった。
どうせなら20時間を切れればキリが良かったのだが、出来なかった。時間がかかった要因は下記の通り。

①パンク
遠別市街地の5km程手前でパンク。タイヤにバーストしそうな個所もあったため、一度取り付けたタイヤを再度外してタイヤブートで修理したりして20分程ロスした。
これはまあ不運だと割り切るしかない。

②体調不良
440km地点の名寄の手前で吐き気が出た。
多分運動時間が長く内蔵の血流が悪くなって消化不良になったのと、長時間エアロポジションで漕いで内臓がゆすられたこと辺りがメインの原因。
これは自分の調整不足、能力不足。コンビニやPC外の自販機などでの休憩時間が増え、ペースもガタ落ちし大ブレーキ。
これのおかげで、時短チャレンジとしては完全な失敗ライドとなった。

③風向き
当時は序盤が追い風基調で170km~235kmがやや強めの横風、235km~335km辺りが強い向かい風とたまに横風だった。
追い風と向かい風が両方あることは普通の事なのだが、タイミングが良くなかった。
序盤の追い風はチャレンジ強度だと巡航で43km/h位出るので100%の確率でPCオープン待ちになる。このPC1では30分待った。
序盤向かい風で後半追い風の方が最後の方できっかりオープン待ち位のタイミングになるので美味しいのだ。

①と③はその日の状況なので良いのだが、②は反省だ。

走行記は次の通り。写真はAJ北海道スタッフに頂きました。

【スタート~PC1(鬼鹿) 区間78.0km】
スタートは雨がちょうど上がったくらいのタイミングだった。
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第2ウェーブの8時スタートを選択したので、第1ウェーブのスタート後に車検をして出走。車検後少し早めの時間でスタートだった。
何度も走っているコースなので道は良く知っている。距離感もわかっているので特に何も感じない。思いのほか道は早く乾いてきた。
先行する第1ウェーブの皆さんに挨拶しながら進む。追い抜いた時、風切り音?走行音?がすごかったようだ。巨大なボディと90mmのホイールに反響して飛行機のような音がしているのは自分でもわかるが、他の人からも感じられるらしい。

留萌の右折ポイントで時刻は9時6分。
その後も何人かの方を追い抜き、PC1到着は最初だった。9時48分。オープン時刻の10時18分まで30分ある。
トイレや食事、氷の用意など、宗谷岬TT等ではやらないような贅沢な時間のつぶし方をした。
このタイミングでは本州からの参加者の方が多く、自分のニューバイクについて色々話しかけて頂いた。
やはり目立つ。
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10時18分に飴を一つ買ってその場で食べて出発。
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【PC1~PC2(天塩) 区間87.1km】
鬼鹿からは10km強で苫前~初山別のアップダウン区間40kmが始まる。
第1ウェーブの皆さんをたまにパスしながら進んだ。
ここは去年暑さで辛かったので、首の後ろにボトルに入りきらなかった氷を直接投入。人にオススメはしないが、冷たくて気持ちいい。
追い風なので登りもキツくなく、決して負荷を上げないようにノロノロ登った。
平坦は40km/hを超えていたところが多かったと思う。
晴れたオロロンラインの気持ちいい景色の中、走り自体は淡々とこなした。

ちょうどアップダウンが終わって遠別市街地まで5km程かなというあたりで、後輪がパンク。
仕方がないので修理を進めた。10分程停車したかなという辺りで追い抜いた人たちにパスされた。一番最初に通りかかったkotonohaさんがわざわざ停車して状況を見て、タイヤが危なそうだと知るとタイヤブートを分けてくださった。本当に感謝。
タイヤブートを使ってタイヤに応急処置し、また空気を入れたりしているうちに合計20分くらい経ったか。
遠別~天塩と淡々と走った。
PC2直前でまた皆さんを追い抜いたなと思ったら、PC2にはイングレッソ十勝のTさんが先着していた。どうやら自分は追いついてすらいなかったらしい。さすが。

本当はここもオープン待ちペースの予定だったが、パンクがあって大ブレーキ。13時17分のチェック。損をした気分だったのでサクっと出た。
ここで既に緑モンスターを1本投入したが、後後考えることこれは失敗だったかもしれない。。

出発はHIDEさんとほぼ同じタイミングだった。

【PC2~PC3(稚内) 区間69.7km】
天塩市街地を出て天塩大橋を渡り、サロベツ原野を北上。HIDEさんが動画を撮ってくださった。ありがとうございます。

区間としてはここは追い風でガチればグロス平均45km/hを確実に超える区間。
この日はサロベツ原野が強めの横風だったので、ペースを落として行った。
天塩川大橋~坂の下まで平均36km/h程。
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再び単独行になったので淡々と進んだ。利尻富士がきれいに見えた。北緯45度地点のシェルター、稚咲内、こうほねの家、抜海、坂の下と通過するポイントがわかっていればダレない。
雰囲気は写真の通り。非常に良い。去年は向かい風の中函館のPさんと一緒に進んだ。

PC3ではおにぎりやプリンを補給。15時21分のチェック。オープンから22分。

【PC3~PC4(ピンネシリ) 区間130.3km】
ここからはキツかった。
稚内~宗谷岬の30km程は横風~向かい風。しかも強い。頑張っても仕方ないので淡々と一定出力を意識した。速度は出ないが仕方がない。空港~アルメリア~富磯~宗谷岬と良く走るコースで距離感もばっちり。宗谷岬を通過したのは16時半くらいだったか。

宗谷岬からのオホーツクラインは強い向かい風だった。GPVで緑色。10m/s近い風だ。しかも浜頓別まで60kmずっと。
ここもエアロポジションを維持して淡々と。天気が悪くないのが救いか。
ANDEANの空力メリットが最大限に発揮され、30km/hを下回ることはほどんどなかった。

宗谷岬~猿払の区間は晴れていると景色が良くて気持ちの良い道だ。去年は曇っていて鉛色の海が印象的だったが、今年はもう少し明るい気分だった。
次に宗谷岬TTをする時にはこっちに抜けて豊富か幌延辺りまで回り込むコースにしてみようか。
猿払を過ぎても向かい風は変わらず。エヌサカ線入り口辺りからは内陸に入るので少しましになるかと思ったら、まさにその通りだった。向かい風が弱まって少し安心した。

浜頓別からは内陸に。中頓別までの道は登り基調だった気がしたが、この日は勾配を感じなかった。去年よりも脚が強くなったのかもしれない。
疲れもあまり感じず、脚にはまだ力があった。中頓別の辺りでは暗くなっていて、そこからピンネシリまでライトをつけてナイトライドとなった。

友人PCのピンネシリでは19時47分にチェック。バナナとオレンジジュースを頂いた。後で振り返るともう少し食べておいた方が良かったかもしれない。
ここはもともと学校だった所を利用した施設で、建物はきれいで合宿などに良さそうだ。

【PC4~PC5(名寄) 区間76.2km】
ピンネシリを出て小頓別、天北峠まで登る。登りらしいのは1kmちょいで、あとはゆったりした勾配だ。
下りでは動物が出てこないか気をつけながらもエアロポジションで行った。脚を停めていてもスピードはある程度保たれる。
音威子府はそばが有名なところだが、8時台はすでに真っ暗だ。
音威子府~美深の道は舗装が悪かったような気もしたが、この日はとても走りやすく感じた。ライトは50ルーメンでの1灯使い。全く問題なく見えたのでバッテリーをけちるためにこれで行ったが、人にはオススメ出来ない。
美深は市街地手前9kmの地点に大きな道の駅がある。そこを目標にすると音威子府からダレない。
美深市街地では雄武400を思い出す。ブルべ2回目に最大強度で挑んで14時間12分で完走したコースだ。後半120kmは左脚が壊れていた。今の方が比較にならないほどスピードがあるが、あの強度はもう出せない気がする。闇の恐怖と辛さに震えた町も満月に近い月の下で余裕を持って走ると印象が全く違う。

美深を過ぎて智恵文で大きく40号線が曲がる。この後は智恵文峠を越えて名寄だ。
この辺りから体に力が入らなくなり、吐き気が出てきた。内蔵の調子が悪くなったのとハンガーノックの予兆が同時に来た感じだった。
物を食べられる気がしなくなり、レース後のようなフラフラなペースでPC5へ。
豆乳、リンゴジュース、プリン、おにぎりを何とか頑張って補給。22時19分のチェック。
調子が良くガチっている時は5分もせず出るが、この日は15分休まなければならなかった。辛い。

【PC5~PC6(東神楽) 区間86.9km】
名寄の体調は、個人ライドなら確実に打ち切っているようなものだった。
ただこの日は、情けなくてもいいからゴールにたどり着きたかった。途中で役目を失ったブルべカードはもう見たくないのだ。
出来ることと言えば、エアロポジションをやめてアップライトなポジションになり、レースからの帰宅ライドのペースで夜風を浴びて体調の回復を待つことだけだった。
月明りで明るかったこともあって、夜風の中の散歩と思って脚を停めながら進んだ。
散歩と割り切ると士別や剣淵の長い直線区間も静かでいいところだ。
幸い追い風基調で、少しずつ吐き気が収まってきた。
南丘公園への登り手前の売店で一服した。去年気持ちが折れた場所だ。

南丘公園は夜しか走ったことがないが、夜に関して言えば気持ち悪い場所だ。対向車が全く来ないのに「対向車接近中」と出る。自分には感じられなかったが、何かしら通ってるんだろう。

南丘公園から鷹栖に下り、東神楽からは市街地をゆっくり走った。またハンガーノックの兆候が出てきたが、何とかPC6に到着。1時47分にチェック。
飲むヨーグルトと桃のジュレとパインのアイスを摂取。
ハンガーノック気味なせいでまた気持ち悪くなってきた。気付けに水をかぶったら寒かった。

【PC6~PC7(多度志) 区間46.5km】
また気持ち悪くなっていたので旭川市街地を帰宅ライドペースで流した。信号が多くて普通なら損した気分になるんだろうがこの日は何も感じない。
PCを出て7km位のところで旭川医大を通過。知り合いが何人かいる。さすがに夜間でも人の気配が強い。

105kmくらい走った辺りか、一気に人気の少ない道に。名前はわからないがトンネルに向けて登って行った。たいした幟ではないが左脚の筋に疲労がたまってきている感じがあったので吊らないように強度を抑えていった。昼間ならのどかな道なのだろう。
頂上のトンネルは確か2km近くの長いものだった。幟が続いて猶更長く感じたが、これをこえれば後は下ってゴールだと考え淡々と進んだ。

トンネルからの下りはウェット路面で視界も少し悪かった。所々エアロポジションを解除。元気な時なら50km/hを超えて走っているような道だ。
平坦になってから多度志まで意外と長かった。
3時46分、セイコーマートオープン前につき写真でのチェック。

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【PC7~ゴール(江部乙) 区間29.6km】
ここまでくればゴール前だ。雄武400の最後に走った道を無理なく走る。アップダウンがあるが気にしない。
深川駅をこえて道の駅でジュースを飲もうと思った。そこで飲まないと最後の13km程でハンガーノック気味になり気持ち悪くなると思ったからだ。しかし屋内にしか自販機が無く絶望。仕方がないのでそのまま耐えて進んだ。
明るくなっていたがまだ車通りは少ない。
感情をオフにして乗り切り、4時49分にローソンで完走証明ゲット。

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ゴール後はものを食べる気が起きなかったが、1時間くらい休んだ後で頑張ってサラダチキンとザバスのプロテイン入りのミルクを飲んだ。筋肉をいたわってやらないと。


ゴール開設後すぐにチェックし、電車に乗った。帰省した弟達と一緒に墓参りの予定が小樽であったのだ。
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スタッフの方にはバタバタさせてしまい申し訳ありませんでした。




ANDEANの性能はこういうコースでは恐ろしい程高い。自分の体調管理能力がついていけばゴールオープン待ちも十分に想定できるだろう。凄い巡航マシンだ。
自分が乗りこなすにはまだかかるかも知れないが、引き続き楽しんでいこうと思う。