北陸コカ・コーラカップFIS・A/B級モーグル競技会を開催中の富山県のたいらスキー場から12日(土)のうちに白馬に移動し、13日(日)は八方尾根スキー場で開催された第19回八方スーパーモーグルに出場しました。

 快晴の下、今シーズンで引退した上村愛子選手の現役シーズン最後のランが見られるとあって、コースわきには大勢のギャラリーが集まりました。ゴール下で報道陣のカメラが待ち構える中、全日本デュアル優勝の岩本憧子選手、ソチ五輪代表の西伸幸選手に続いて、上村愛子選手が華麗な滑りを披露してくれました。上村選手はその後もトークショーや抽選会でファンサービスをし、西、岩本両選手もゲストランで大会を盛り上げてくれました。

 草大会はお祭り気分で楽しいですね。今大会のMCは全日本選手権のMCも務めたコーチの切久保達也さん。絶妙の話芸で楽しませてくれました。北陸コカ・コーラカップと重なったため、参加選手は少なめでしたが、往年の名選手が何人も出場し、「エアの着地の衝撃に耐えられない」などと言いながらも、決勝デュアルレースで、現役のトップ選手を相手にハイスピードのターンと大きなエアを見せて、楽しませてくれました。

 ぼくの方は全然、体が動きませんでした。第1エアまではよろけながらもなんとかたどり着きましたが、小さく飛んだはずなのに第1エアの着地の衝撃がけっこう大きくて、膝が全く動かなくなり、ミドルでふらふらと骸骨の踊りのように迷走し、なんとか飛んだ第2エアの着地の後はボトムを大回りで暴走してしまいました。ゴールにたどり着けたのが奇跡のようなひどい滑りでした。知っている人が応援してくれていたのに、申し訳なくなるような出来でしたが、ぼくとしては、今回は、この大会に出場できて、けがなく、ゴールインできたことに満足しています。草大会ですから、枯れ木も山のにぎわいということでご容赦ください。

 そして、帰りの車の中で考えました。今シーズンはこぶをほとんど滑っていませんでした。コースを滑ったのは大会のときだけです。しかも、ホワイトピアの大会もハチ北の大会も、バーンが硬くて、こぶは浅く、あるかなきかのごときでした。北陸コカ・コーラカップで初めて、掘れたこぶを滑ったのですが、全く滑れませんでした。どうやらこぶの滑り方を忘れてしまったようです。

 そして、また考えて、気づきました。最近、ぼくがうまく滑れなくて困っているターンは、国体に出場した2009年ごろから取り組んでいる独自のターンとは全然違うということにです。独自に開発しようと取り組んでいたのは、こぶとこぶの境目を狙ってスキーを縦に走らせ、こぶの裏側でカービングターンをするという滑り方だったはずです。

 しかし、この滑り方では減速することができないので、第1エアを大きく飛びすぎて失敗します。なんとかして同じターンで減速することができないかということを考えているうちに、スキーを横にすることばかりに気を取られ、自分のターンを見失って、迷子になってしまっていたようです。止まることばかりを考えて、どういうラインを滑るべきかということを完全に忘れていました。

 今シーズンはほとんど終わってしまいましたが、次に練習する機会があれば、スキーを縦に走らせながらのカービングターンを練習するつもりです。
 多くのスキー場の営業が終わり、花見のピークも過ぎた11~13日、富山県のたいらスキー場で、SAJ(全日本スキー連盟)公認のモーグル大会が開かれています。11日は公式トレーニングで、レース本番が12日と13日の2連戦。12日のレースだけ参戦してきました。

 今回はSAJ初めての試みで、両日ともB級、A級、FIS(国際スキー連盟)大会が同時に開催されます。A級予選、B級予選、A級決勝、B級決勝の順に、それぞれ事前のコースインスペクション(下見)、公式トレーニングをはさんでレースが行われます。

最後にA級決勝進出者、B級決勝進出者の中で、FISの競技者登録をしている選手の上位6人がFIS大会として開催されるスーパーファイナルを争います。

 A級決勝で1位になったら、その選手はA級大会の優勝者になりますが、もし、FISの競技者登録をしていなければ、スーパーファイナルに出場することができません。逆にA級大会に出場資格がなくて、B級大会に出場した選手でも、FIS登録をしていて、全体で6位以内に入ればスーパーファイナルに出場することができます。

 一発逆転の願ってもないチャンスですね。ちなみにぼくは、なぜかFIS登録をしています。

 今大会のビブナンバー(ゼッケン番号)は、今シーズンのポイントランキング順になっていました。ワールドカップ(W杯)みたいですね。1番はW杯に出場している四方元幾選手で、ぼくは80番。ぼくが持っているポイントは出場選手中、下から2番目でした。

 ぼくにもスーパーファイナルに進出する権利があります。そのためにはランキングでぼくより上位にいる選手をざっと74人抜けばいいわけです。可能性はゼロではありませんが、まあ、ありえない話です。

 久しぶりにA級大会を観戦しました。ぼくが出場するB級予選の前に行われたA級予選を見ていたのですが、A級の選手はやっぱり格が違いますね。ターンは安定しているし、スピードはあるし、エアも大きいし。特にスーパーファイナルは圧巻でした。最終成績を聞かずに帰ったので、誰が優勝したかは知らないのですが、皆、素晴しい滑りでした。

 ぼくの方はと言えば、第1エアの着地で前のめりになって転び、板を外して、あえなくDNF(Did Not Finish=途中棄権)となりました。妻に撮影してもらったビデオを見ましたが、「もっと、しゃきっとしろ」と言いたくなるようなジャンプでした。全然、踏み切れていないですね。

 ターンの方も相変わらずだめで、公式練習で1回も通せませんでした。ただ、フラットバーンを滑っているときに、今までショートターンでおかしなことをしていたことに気づいて直したら、安定するようになりました。

 ひょっとすると、今後の練習次第で、まともにターンすることができるようになるかもしれません。今までのおかしなターンで膝が変形性関節症になり、最近はショートターンやこぶの練習をすると、左膝が腫れて痛くなっていましたが、今日、ターンを直してからは、あまり痛くならなくなりましら。

 今日のA級大会を見て、上位選手からいい刺激をもらいました。明日は八方尾根スキー場で開かれる草大会のスーパーモーグルカップに出場するつもりです。こちらも楽しみです。
 五輪イヤーの今シーズン、先週の3月27、28日にHakuba47で開催された第34回全日本スキー選手権大会を最後に、上村愛子選手やトリノ五輪代表の上野修選手、ぼくが毎日新聞のコラム「憂楽帳」に「彼女はライバル」というタイトルで書いたことのある間嶋悠選手らが引退しました。
http://ameblo.jp/staizo/entry-10703821401.html
 知り合った選手がいなくなるのは寂しいですね。

 ぼくの方は、全日本の余韻もさめやらぬ29日(土)、30日(日)、隣の八方尾根スキー場で練習してきました。

 29日の昼前にゲレンデに到着すると、いつも練習に使っているバーンが真っ平らに整地され、ネットで囲まれていました。スーパーリーゼンという小学生の大会が開催中でした。エア練習をするつもりだったのですが、うかつにも事前の下調べが全くできていませんでした。

 パトロールに相談すると、ありがたいことに、ネットの上の緩斜面ならエア台を作ってもいいということだったので、さっそくエア台を作成。ただ、ランディングバーンの斜度が緩いので、着地でかなり衝撃を受けます。これは膝に悪いと、ランディングバーンに雪を盛りました。

 そうこうするうち、大会が終わり、いつも練習に使っているバーンを囲っていたネットが片付けられました。バーンは全体が圧雪され、硫安をまいて固められていたのですが、端っこに作っていたエア台の土台は残っていました。手前のこぶもうっすらと残っています。そこでこちらにもエア台を作ることにしました。

 緩斜面のエア台を飛びながら、ターンの練習もして、急斜面のエア台の形がだいたいできたところで、この日の練習は終わり。

 翌朝、目をさますとかなり強い雨が降っていました。天気予報通りだそうです。うかつにも天気のことを全然考えていませんでした。やる気をそがれましたが、エア台を壊さないといけないので、嫌でもゲレンデに行かざるをえません。

 ゲレンデに上がってみると、意外にも雨はほとんど降っていませんでした。急に元気が出てきて、前日に作りかけていた急斜面のエア台を仕上げ、上部緩斜面のエア台、急斜面のエア台と二つのエア台を飛びながら、ほとんど人のいないゲレンデをリフトで循環しました。

 最近、エアで大きく飛びすぎないように、スキーを「ハ」の字にしてキッカーに入っていたのですが、そうすることによって、後傾になり、着地が難しくなっていました。この日は、ランディングがぐさぐさで軟らかいこともあり、思いきって飛ぼうと、スキーをそろえて、キッカーに入ってみました。最後のこぶで止まってエア台に入っているにもかかわらず、体がぐんと持ち上げられ、気持ちのいいジャンプができました。ランディングバーンを越えて最初のこぶまで飛んでしまったので、ターンに入ることはできませんでしたが、スキーを「ハ」の字にするよりは、そろえてキッカーに入った方が飛びやすく、着地しやすいように思いました。

 そのうち雨が激しくなってきて、全身、ずぶ濡れ。いつもより早く、午後2時ごろに両方のエア台を壊して引き上げました。雪が重く、膝が使いすぎで痛くなりましたが、楽しい練習でした。

 会社を退職するのが先か、モーグルをやめるのが先か。体が動かなくなるのが先か、金がなくなるのが先か。

 練習できる環境があるかぎり、まだ、やめたくないですね。
 先週末の3連休は金曜の夜から白馬に行って、土日の2日間、まるまるスキーの練習をしました。

 今回もエア台を作り、エアの前後の練習をしました。エア台の前のこぶは、いつものようにポール(マーカー)を立てて自分でこぶを作るのではなく、スコップを使って、ウェーブにしました。こぶが互い違いに並ぶのではなく、階段のように段差だけをつけたのです。

 自分でマーカーに合わせて同じ場所を滑り込んでもこぶができますが、自分の癖でできたこぶなので、そこを繰り返し滑ることによって、自分の癖がどんどんと増幅されてしまうことになります。ぼくの場合は、右外足のターン(左回り)が深く、左外足のターン(右回り)が浅いという癖があって、そのターンでできたこぶはやはり、右の溝が深く、左の溝が浅くなります。そのこぶは自分の悪い癖で滑りやすいこぶなので、悪い癖で繰り返し滑ることになってしまいます。

 また、マーカーに合わせて滑ると、こぶを迂回する滑りになって、こぶを乗り越える動作がおろそかになりがちです。ぼくはこぶを乗り越えるための吸収動作がほとんどできていません。

 そこで、嫌でも吸収動作をせざるをえないように、スタートからエア台までをウェーブにしました。3.5m間隔の大きな大きな階段です。スタート台は垂直に切り立っていて、3.5m下に大きな高まりが待ち受けています。まともに入ると、スキーのトップが上を向いて飛び出してしまいます。どうすれば、この高まりで飛ばされずに前に滑っていくことができるのか。モーグルの基本に立ち戻って、どういう動作をすべきかを考えました。

 エアの着地後、最初のこぶに入るのも同じ動作をすればいいはずです。この練習で、長年の課題を解決するきっかけがつかめるかもしれません。

 ぼくがそんな練習をしている間に、W杯の最終戦がフランスのラ・プラーニュで開催されました。2人が同時に滑るデュアルモーグルですが、第2エア台が今までより大きくなり、第2エア台の下のボトムセクションのこぶがなくなりました。第2エアを飛んだ後は、何もせずにゴールするだけです。なんとも気が抜けたビールのようで、つまらなかったです。競技なのに、何もせずに流す時間があるのは、興ざめもいいところです。

 デュアルモーグルの面白さは、最後まで勝敗がわからないところにあります。第2エアを飛んだ後でさえ、転倒する可能性があり、大逆転もあります。今回の方式では、第2エアを飛ぶ時点で勝敗が決していて、そこから先は意味のない時間。以後、こういう方式は、やめていただきたいと思います。

 モーグルのエアで宙返りが解禁されてから、エア重視の傾向が出てきたために、モーグルの原点に立ち戻って採点でターンを重視するために、ミドルセクションが長くなりました。ミドルセクションでターン技術の差を見ようというのが目的だったのですが、ボトムセクションが短くなり、第2エアを大きく飛んで、ボトムセクションはただ流すだけになって、面白くなくなりました。

 モーグルファンの一人としてのぼくの考えでは、モーグルはあくまで、こぶをかっこよく滑る競技であって、極論すると、エアは付け足しだと思います。エアを飛んでも、こぶがちゃんと滑れるというところを見せる競技だと思うのですが、第2エアの後のランディングバーンが長くなり、ボトムセクションが短くなって、ボトムのターンはほとんど付け足しになってしまいました。エアの後のターンの入りが難しいのですが、その見せ場は第1エアの後だけです。

 今回のW杯最終戦のコースは、ミドルセクションが簡単で、第2エアの助走路のようでした。モーグルを面白くするには、やはりソチ五輪のコースのように、ミドルセクションのこぶを不規則にして、こぶに合わせて滑ったのでは蛇行してしまうような難しいコースにすべきだと思います。コースを作るのは大変でしょうが、その方が見応えがあります。ボトムセクションにも、第2エアを飛んだ勢いでそのまま入ると飛ばされてしまうような、大きくて、尖った山を並べて作るべきですね。

 今回の番組の中のインタビューで、ミカエル・キングスバリー選手が、2回宙返りを解禁してほしいと言っていました。アレックス・ビロドー選手もバンクーバー五輪で優勝したときのインタビューでそう言っていました。

 やめてほしいとぼくは思います。自分が選手としてできないからではなく、観客の一人としてそう思います。

 エアリアルで1回転用、2回転用、3回転用と、それぞれキッカーの大きさ、角度が違うように、選手が安全に2回転をできるようにするには、エア台をそれに合わせた大きさにせねばならず、ランディングバーンも長く取らなければなりません。ぼくは今でさえエア台が大きすぎて、ランディングバーンが長過ぎると思っているのですが、2回転ができるエア台になると、コースの中でこぶが占める比重がますます低くなり、モーグルと言いながら、エアが中心で、こぶが付け足しになってしまうのではないかと思います。

 エアリアル、スロープスタイル、ハーフパイプ、ビッグエアーといった他のフリースタイル競技では、2回、3回の宙返りは当たり前で、モーグルのエアでも2回宙返りをという気持ちはわからないではありませんが、それをしてしまうと、モーグルという競技と、スロープスタイルなどとの差別化ができなくなってしまうのではないかと恐れます。モーグルが、こぶも滑らなければならないスロープスタイルのようになって、埋没してしまうのではないかと思うのです。モーグルコースにダブルコークができるような大きなエア台を作ったととしても、スロープスタイルやビッグエアー、ハーフパイプほどの滞空時間があるはずもなく、中途半端な競技になってしまうと思います。
 9日、兵庫県のハチ北スキー場で開かれたSAJ公認B級のハチ北CUPモーグル大会に出場しました。

 この大会は平均斜度28度という急斜面で開催されます。

 2006年、初めて公認大会にエントリーしたのがこの大会でした。このときは、3月のハチ北名物の濃霧に見舞われ、中止になりました。

 次にエントリーしたのは2008年の大会で、このときは2連戦で、晴天に恵まれました。1日目は第1エアの着地の後、スキーが外れ、当時のルールでは10秒以内に履けば再スタートできたのですが、あまりの急斜面で外れたスキーを取りに上がるために、もう一方のスキーも脱いでしまって失格(当時の言い方ではRNS)になりました。2日目は第1エアがまともに飛べないまま着地した後、大きく横にそれたうえ、第2エアの着地でぐさぐさの雪にスキーが埋もれて転倒しました。

 要するに、今までまともにゴールしたことがないのです。とてもハードですが、きれいに整備されていて、滑るのがとても楽しいコースです。

 今年は6年ぶりの出場です。出場申し込みはしたものの、実力が伴わないので、ぎりぎりまで出場するかどうか悩んでいたのですが、やっぱり出場してよかったと思いました。


 前日にA級の大会本番と、ぼくが出場するB級の前日のコースインスペクション(下見)、公式練習があるはずだったのですが、濃霧に見舞われてA級の大会の進行が遅れたため、B級のコースインスペクション、公式練習ともなくなりました。

 コースを見るのはレース当日のコースインスペクションが初めて。スタートに大きな段差ができていて、横滑りするには飛び降りなければなりません。前日のTCM(Team Captains Meeting)では、平均斜度28度、最大斜度35度という発表でしたが、第1エアのランディングバーンは40度以上あるように見えました。前日のA級大会でもほとんどの選手が第1エアの着地に苦労していて、抑えて小さく飛び、なおかつ、着地後に、長い横滑りを入れていました。

 バーンには新雪が乗っていましたが、スキーの通り道は新雪がはがされて硬い下地が出ていて、滑ってみると、見た目以上にハードでした。ちょっと気を抜くと、すぐに飛ばされてしまいます。

 50分間の公式練習では3本滑ることができましたが、第1エアはほとんど飛べず、ミドルセクションも3こぶくらいしか続けて滑れませんでした。

 それでも、この年になって大会に出場し、ワールドカップ並みのこのコースを滑らせてもらえるだけ幸せです。

 本番では、とにかく第1エアまではたどり着きたいと、いきなりスキーを横に向けてスタート。妻が撮影してくれたビデオを見ると、体も横を向いていました。脚を開いて踏ん張りながら、なんとか第1エアまでたどり着き、この前のホワイトピアの大会で第1エアで技を入れるのを忘れた教訓を生かし、一番簡単なスプレッドイーグル(大の字)を小さく入れました。

 着地した後、よろよろとランディングバーンを滑り下りました。スキーヤーから見て右端のラインを滑っていたはずが、真ん中のラインのこぶにぶつかってしまいました。ラインを外すと減点され、元のラインに戻るとまた減点されるので、そのまま真ん中のラインを滑ればよかったのですが、あろうことかまた右端のラインに戻ってしまい、さらにスキーをこぶに取られて大きくバランスを崩し、タコ踊りをして完全停止してしまいました。

 その後のミドルセクションは止まらずに滑りましたが、膝は固まり、脚は開いたままで、上半身はぐにゃぐにゃです。左回り(右外足)が大きく、右回り(左外足)が小さいという不均等なターンで、体が左に右にと移動するうえ、体の向きが右向きになったり、左向きになったりと、なんともぶざまなターンでした。

 ぼくが41歳だった1999年にモーグルを始めたときの映像があります。それとほとんど変わらないターンでした。2年前に公認大会に出場して妻にビデオ撮影してもらったときにも同じことを書いたような気がします。15年間、モーグルの練習をしてきて、ほとんど進歩がなかったようです。がっくりです。15年間、人前でこんな不格好なターンを見せていたとは、思わず赤面してしまいます。

 しかし、考えようによれば、41歳のレベルを56歳の今も維持していると言えないこともないですね。地面すれすれの超低空飛行で15年間、ふらふらとしながら飛び続けている飛行機のようなものです。

 第2エアはとても飛びやすい台でした。ミドルセクションでスピードを出せればもっと大きくきれいに飛べたはずですが、小さく飛んで、かろうじてダブルツイスターを入れました。この前のホワイトピアでは1発目しか振れていませんでしたが、今回は一応、2発入っていたようです。

 やれやれ、なんとかゴールイン。仕事があったので、自分の出番が終わったら、O-airで知り合った大阪の吉田晃大選手の滑走だけ見て、早々に帰途につきました。快晴だったし、最後まで観戦して、終わった後にコースをもう一度滑りたかったのですが、仕方がありません。

 技術が伴わず、いつものように、さんざんな滑りでしたが、体力は持ちました。けがなく、とても楽しく終えることができました。終わった後、左膝の痛みもなく、この楽しい大会に、また、来年も出たくなりました。サンガリアのお父さん方、大会中、励ましてくださり、ありがとうございました。今回はいつも通り、超初心者の滑りでしたが、次の大会では、見失ってしまったダイナミック・ポジショニング・ターンの片鱗でも見せられるよう、頑張りたいと思います。
 SAJ(全日本スキー連盟)公認のモーグル競技会に出場しました。23日に岐阜県のホワイトピアたかすスキー場で開催された第7回ホワイトピア東海北陸モーグル競技会です。昨シーズンは公認大会、草大会とも出場しなかったので、2シーズンぶりの競技復帰です。

 ホワイトピア東海北陸競技会に出場するのは2008年の記念すべき第1回大会以来です。前回は第1エアの後のミドルセクションでコースわきに大きくそれてしまい、30点満点の1.90点で67人中64位というふがいない結果に終わりました。

 2シーズンぶりの復帰初戦にして、6年ぶりの今回は、目標をはっきりと定めました。上から下までまっすぐに滑ること。エアはどうでもいい。スピードも問わない。フォールラインをはずさず、常に足を腰の下に置いておく。これだけを守って完走することです。

 もう一つ、絶対条件として、けがをしないこと。全体に緩斜面のイージーコースなのですが、バーンはけっこう硬く、弾かれてコントロールを失ったら、今回の目標が達成できないばかりか、けがによって今後、競技を続けることを断念せざるをえなくなる危険性さえあります。実際、前日の公式練習中にけがをした選手がいました。

 フォールラインをはずさないという目標を達成するために、一番問題となるのは、第1エアの着地の後です。ターンに入るときに左右に大きくふくらんでしまいがちですが、ここでまっすぐに入らないといけません。今までこれができなくて、最初のこぶに弾かれたり、スキーが横に向くとともに体も横を向いてわきにそれたりして、ただでさえ低い基礎点から大きく減点されてターン点がほとんどなくなっていました。公式練習で普通にジャンプしたら、案の定、ターンに入れなかったので、できるだけ小さく飛ぶことにしました。

 もう一つは、ミドルセクションの中盤の処理です。ちょうどスピードが乗ってくるところでこぶの間隔が短くなっていました。斜度もやや緩くなっているところだったので、ここで体が起きてしまうと後傾になってリズム変化についていけずに弾かれます。

 以上の二つを注意すれば、まっすぐに滑り下りることができそうでした。

 スタートはいつも緊張します。ぼくのダイナミック・ポジショニング・ターンは腰の位置をものすごく前にしなければなりません。腰から上を思いきり前に出してスタートしました。残念ながら、ジャッジからは、スタートから第1エアまでのターンは見えません。勝負は第1エアの着地後です。

 第1エアは抑えて飛びました。そして着地もまあまあです。下を向いたままで着地すると、着地の衝撃を上半身に受けて、いわゆる「食らう」という状態になり、体勢が乱れ、最悪の場合、止まるしかなくなります。今回は第一エアのランディングバーンの斜度が緩く、ほとんど平らだったのでなおさらです。前を見たままで着地することができれば、衝撃がスキー(足関節)と膝関節、股関節によって吸収され、安定した姿勢を保つことができます。

 うまく最初のこぶに入り、ターンしましたが、次のこぶまでの間隔が長かったので、スキーを斜めにしてずらしながら、次のこぶが来るのを待ちました。これでポジションが後ろになり、ダイナミック・ポジショニング・ターンのポジションではなくなりました。次もターンした後、スキーを斜めにしたままでその次のこぶを待ち、またターンしてスキーを斜めにしたまま次のこぶを待つという繰り返しになりました。

 全体にバーンが硬かったのですが、ぼくが選択したラインは日陰で一番硬く、なかなかこぶが育ちませんでした。こぶとこぶの間の平らな部分が長かったのです。

 小さなふくらみを乗り越えながらスキーがくるんと向きを変えてしまい、こぶとこぶの間の平らな部分をスキーを斜めにしたままで横滑りして次のこぶを待つというターンです。ターン(スキーの向きを変える)の技術そのものはカービングの原理に基づいていて、普通のずらしとは違うのですが、結果的にはピボット&プッシュという初心者のずらしと同じになってしまいました。

 FISルールに次の記述があります。
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6204.1.3 Absorption and Extension 吸収と伸展

Additionally, the competitor should aggressively utilize the moguls to assist initiation of turns, rather than waiting for the moguls.

加えて、競技者はこぶを待つというよりも、むしろターンを始めるのを助けるためにこぶを積極的に利用しなければならない。
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 ターンはこぶの間隔に合わせなければなりません。スキーが同じ方向を向いている時間があってはいけないのです。

 しかし、このときのぼくには、硬いバーンで、スピードオーバーにならず、フォールラインをはずさず、足を腰の下に置いたままで滑るには、この方法しかありませんでした。

 ザーザーと音を立てながらミドルセクションを滑っているうちに気づきました。

 「さっきの第1エア、棒ジャンだった」

 技を入れるのを忘れていました。いくら中高年競技者だといっても物忘れするにもほどがある。

 スタートするまでに、エアを何にするかを全く考えていませんでした。最近のエア練習では棒ジャンしかしていません。反射的に棒ジャンをしてしまったようです。思わず、引き返したくなりましたが、後悔先に立たず。振り返りたい気持ちを抑えて、とにかくまっすぐに滑りきることを考えました。

 しかし、遅い。公式練習のときも、あまりにも遅くてなかなか先に進まないので、ミドルセクションを滑っている途中で嫌になって、止まっていました。もし、三浦豪太さんが実況解説をしていたらこう言うでしょう。

 遅いっ! まるでコースインスペクションをしているかような遅さですねっ! でも安定はしていますよ。しかし、遅いですねっ! まるでスローモーションで見ているかのような低速安定性ですねっ!

 モーグル大会に出場したことのない方のために解説します。「コースインスペクション」とは、選手がコースの下見をすることで、公式練習の前に必ずあります。ターンして滑ることは禁止で、横滑りか「ハ」の字で徐行しなければなりません。

 そうこうするうちにやっと、中盤のこぶが細かくなっているところが来ました。「ここは丁寧に丁寧に」と言いながらターンして、無難にこなしました。

 ここで減速するので、次の第2エアまでの部分は、止まるようなスピードになります。本来ならスケーティングして漕ぎたくなるほどのスピードですが、ポジションが後ろになっているので、スケーティングはできません。

 その代わりに、しっかりと体重を後ろにかけてスピード不足を補い、第2エアをジャンプ。第2エアはダブルツイスターにしようとそのとき決めました。

 高さはありませんが、ジャンプして、体を棒にしてから、イチ、ニイと思いきりスキーを振りました。1発目はスキーが真横を向きましたが、2発目はスキーが前を向いたところで止まってしまいました。よくある失敗です。

 ダブルツイスターはイチ、ニイと振ってはいけないんですね。なぜなら、1発目は前向きから横向きに90度振ります。2発目は横向きから反対向きの横向きまで180度振らなければなりません。これをイチ、ニイと同じリズムで振ったら、1発目が90度、2発目も90度しか振れないのです。そこで、ぼくはウォータージャンプで練習するときは、ゼロ、イチと数えることにしています。最初のゼロで、ツイスターをするための準備として、前を向いているスキーをゆっくりと横に向けます。スキーが真横に向いたところがスタートで、そこからイチ、ニイと2発目、3発目の振りを入れます。1発目は数えないということです。ツイスターの練習をしばらくやっていないので、このことを忘れてしまっていました。雪の台でもちゃんと練習しないとだめですね。

 何こぶか吸収のタイミングが合わずに乗り上げましたが、目立つミスではありませんでした。滑走ラインはほぼ直線だったと思います。ゴールまでまっすぐに滑るという自分で定めた目標は達成しました。しかし、終始、ずらした滑りだったのと、あまりにも遅かったのとで、これがモーグル競技の滑りかと、少し場違いな感じもしました。

 リザルトが発表されるまで、やりきったという達成感があった一方で、「このターンでは点数は出ないだろうな」と思っていました。「これで点数を出されても困る」とも思いました。自分が目指しているターンとは全然違っていたからです。

 結果は、ターン点が1.5、1.4、2.1の合計5.0点。満点の15点(5点×3人)の3分の1という結果でした。

 FISルールではターンの基礎点は次のように定められています。
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6204.1.5 Mogul ranges
最高 Excellent------------------4.6 ~ 5.0
非常に良い Very good------------4.1 ~ 4.5
良い Good-----------------------3.6 ~ 4.0
普通より高い Above Average------3.1 ~ 3.5
普通 Competent------------------2.6 ~ 3.0
普通より低い Below Average------2.1 ~ 2.5
悪い Poor-----------------------1.1 ~ 2.0
非常に悪い Very poor------------0.1 ~ 1.0
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 ぼくのターンに対する評価は1.5くらいですので、下から2番目の<悪い Poor>です。一番下の<非常に悪い Very poor>は、転倒したり、横にそれてしまったりして、まともにゴールできなかった場合ですので、事実上の最低評価です。5段階評価の通知簿で言えば<1>で不合格ということです。ああ、残酷。

 実際、ぼくの順位は69人中60位で、まともにゴールした選手の中では最下位でした。

 ちなみに第2エアのダブルツイスターの評価は2.5点満点で、0.9と1.0でした。1発しか振れていないので、当然だと思います。第1エアはNJ(ノージャンプ)で0点、第2エアは2人のジャッジの平均に難度点を掛けて0.71点でした。

 スピードは34.11秒かかり、タイム点は0点でした(コースは210m)。これもまともにゴールした選手の中では一番遅いタイムでした。ただ、ぼくの過去のリザルトを調べてみると、ほとんどが似たようなタイムでした。途中でもう少し速く滑っていても、中断があったりして、たいてい30秒以上かかっていました。

 結局、合計得点は30点満点の5.71点。まともにゴールした選手の中の最下位でしたが、ぼく自身としては生涯最高記録を更新することができました。今までの自己ベストは2008年の千葉県松之山温泉モーグル競技会での4.70点だったので、6年ぶりの更新です。ただ、このペースで更新していたのでは、死ぬまで競技を続けても10点くらいにしかならないので、もう少し、更新ペースを上げたいものです。

 今回は自分で定めた目標は達成できましたが、いろいろと課題も多く見つかりました。

 まず、ダイナミック・ポジショニング・ターンはどこに行ってしまったのかということです。「棒ジャンしてからヘリ」(空中に飛び出して棒ジャンをしてからヘリコプターを回る)に続いて「幻の秘密兵器」第2号になってしまったのでしょうか。

 大会終了後、このブログの愛読者である福岡の北冨龍一選手(決勝進出おめでとうございます)が一緒にコースを滑りながら、アドバイスしてくださいました。

 その結果、左膝の不調の原因がわかりました。左の股関節が左足の上に乗っていないということには自分で気づいていたのですが、ぼくがおかしなターンをしているときに見ていた北冨さんによると、右のこぶで弾かれて、左のこぶがうまく越えられていないそうです。

 これは前からのぼくの癖で、右のこぶのターン(右外足の左回り)が長すぎてスキーが左に走ってしまいます。それを戻すために、左のこぶのターン(左外足の右回り)で無理に左膝をねじるような動作をしているようです。いつもではありませんが、右腰-右スキーに体重が乗ったままで、左腰-左スキーが浮いているということが多いようです。体重が乗っていないと、こぶにスキーをとられて、膝がひねられることにもなります。

 もう一つは、ストックワークです。ダイナミック・ポジショニング・ターンでは、膝を曲げ伸ばしすることによってターンを導きます。ところが、今回は膝が全く動いていません。自分の出番が終わった後、フラットバーンでターンの練習をして膝を曲げようとしてみましたが、全然、曲がりません。

 北冨さんから「膝が硬いように見えます。曲がっていないようですよ」と言われて改めて考えてみると、膝を曲げ伸ばしする余裕がないほどスキーがあっという間に向きを変えていて、とても窮屈なターンになっていました。

 ストックを突く位置が手前すぎたようです。本来、描こうとしているターン弧の中心ではなく、手前にストックを突いてしまうことによって、本来のターン弧の最初の部分でスキーが回ってしまっていたというわけです。スキーが早く回りすぎると、本来のターン弧の残りの部分は回ってしまったスキーを斜めにしたままでずらすしかありません。

 表彰式前の最後の1本で、ストックで狙う場所をそれまでよりも遠くにし、しっかり待ってから突くようにしたら、スキーが縦に滑り、ターンがスムーズにつながりました。ゴールでぼくの滑りを見ていた北冨さんも「こっちの方がずっといいですよ」と言ってくれました。

 これはバッジテストの事前講習でも言われたことですね。フラットでのショートターンについて講師から「直線的だけれども、ターン弧がぶつぶつと途切れているので、ターン弧をつないでください」と言われ、それを意識してターンしたら、講師から「こっちの方がずっといいですよ」と言われたのです。

 基礎スキーのSAJ公認指導員、モーグル選手の両方から同じことを言われたということは、もう間違いありません。後者のターンができるよう、練習するのみです。
 この前の週末、CTiニーブレース(膝装具)をスキーで初めて使いました。

 大雪の予報が出ていました。白馬方面に行けば、中央道に閉じ込められた前週の二の舞になることは目に見えていました。近場で滑ろうと思いましたが、自宅から最も近いびわ湖バレイスキー場は残念ながら強風でリフトが止まっていました。

 そこで土曜のうちに綾部の実家に帰って両親に顔を見せ、日曜に、実家から一番近い宮津市(旧大江町)の大江山スキー場に行くことにしました。鬼退治で有名な大江山の中腹にあり、日本三景の一つ、天橋立を見下ろすスキー場です。

 午前8時35分に実家を出て、スキー場に着いたのが9時10分。たった35分の距離にありました。でも、このスキー場に行くのは初めてです。リフトが2基という小さなスキー場ですが、レストランもあって、基礎練習をするだけなら、ここでも十分かなと思いました。

 前日の雨で表面の雪が水を含み、朝のうちは固まっていて、難しいコンディションでした。圧雪していないルートがあって、ほとんど誰も滑っていなかったので、そこにラインを付けることにして、軽く踏んでからショートターンを繰り返しました。昼ごろには気温が上がって、こぶが育ち、ちょっとモーグルコースらしくなりました。

 装具屋さんからは「CTiニーブレースを初めて使うとき、全力では滑らないでください」と言われていたのですが、面白くなってきて、やめられません。積雪40cmだったので、しまいがたは土が出てきましたが、結局、午後4時まで繰り返し滑りました。

 今シーズンはこういう練習をすると、左膝が膨れ上がって、曲がらなくなっていました。しかし、さすがはCTiニーブレースです。膝の動揺が抑えられたので、以前のように膝に水がたまることはなく、軽い筋肉痛だけですみました。膝に負担のかかる練習をしても、膝を傷めることなく、筋肉が鍛えられるという好結果が得られるようです。
 ソチ五輪の女子決勝をさきほど録画で見ました。上村愛子選手、すばらしい滑りでした。予選ではミドルセクションでポジションが後ろになってこぶにはじかれていましたが、準々決勝、準決勝、決勝と、そのたびに課題を克服して、滑るたびに質を上げていきました。スキーを縦に縦にと走らせるカービングターンで、スライドを使ってコントロールした他のトップ選手よりも、ターンの質では上回っていたようにも思います。

 しかし、それでも4位だったのはなぜか。ぼくはモーグルで最も重要視される「まっすぐに滑る」というところに分かれ目があったのではないかと思います。

 FISルールでターンの採点基準は次の4項目になっています。

6204.1.1 Fall Line(フォールライン)
6204.1.2 Carving(カービング)
6204.1.3 Absorption and Extension(吸収と伸展)
6204.1.4 Upper Body(上体)

 最優先されるのがフォールラインで筆頭に掲げられています。こぶの中で、スタートからゴールまで最短距離を一直線に滑らなければならないということがモーグルという競技の肝心要のところだということです。

 映像で見るかぎり、上村選手は採点基準の2番目に掲げられているカービングでは間違いなく金メダルでした。ただ、フォールラインという点では、表彰台に立った選手に分がありました。

 上村選手の第一エアはよかったのですが、着地後、ゴールから見て右方向に移動して、フォールラインから大きく外れました。そこから再びフォールラインに戻って、ミドルセクションのターンにつなげました。着地したのはフォールライン上で、そこから1ターンだけですが、カービングの大回りをして、最初のこぶに入ったのです。これは減点の対象であるだけでなく、ターンの評価を下げることにもつながったと思います。今シーズンのルールではエアの着地後、フォールラインからそれることが厳しく減点されるようになっています。

 ミドルセクションではフォールラインから外れることはありませんでしたが、ときどき、スキーが体の中心より外側に出ることがあったようです。スキーを常に体(上半身の四角形)の真下に置いておくことをジャッジは求めています。体がフォールラインから外れないだけでなく、スキーもフォールラインから外れないということです。不規則なこぶの中でカービングターンをしながらこの状態を保つのは容易ではありません。FISルールの要求は理不尽にも思えますが、「フォールラインがカービングに優先する」という考え方に基づいてのことかと思います。

 上位3選手はいずれも、第1エアの着地後、まっすぐに滑って最初のこぶに入りました。優勝したジュスティヌ(英語読みではジャスティン)選手は少しだけスライドを使ってまっすぐに入りました。銅メダルのハナ選手は大きく乱れましたが、まっすぐに入りました。採点基準の2番目のカービング、3番目の吸収と伸展、4番目の上体のすべてにおいて失敗しましたが、1番目のフォールラインだけは守り、体とスキーをフォールライン上から外しませんでした。

 金、銀のデュフール=ラポワン姉妹はミドルセクションでもまっすぐに滑っていることがはっきりとわかりました。不規則なこぶなのに、ターンに左右へのぶれがなく、安定していました。ジュスティヌ、クロエともターンにはスライド要素があるのですが、フォールライン上にスキーを置いた滑りでした。

 なぜ、彼女たちはまっすぐに滑ることができるのか。ぼくは視線の高さに注目しています。特にクロエ選手ははるか前方を見ているようです。トップ(ファースト)セクションでは第1エア台を見て、ジャンプした後、エアの着地よりかなり早くから遠くを見ています。空中にいる間に前方に視線を向けています。第2エア台を見ながら着地しているのではないかと思うくらいです。第2エア台を見たままターンに入り、ミドルセクションは第2エア台を見ながら滑っているのでしょう。第2エア台から見えない糸で引っ張られているのではないかと思うような滑りでした。

 もちろん、コースによって違ってくると思いますが、斜度変化の少ない平坦なコースでは、そのくらい視線を高くした方が安定して滑ることができるように思います。

 モーグルを始めたころ、3個先のこぶを見るようにと習いました。初心者はそれが難しくて、1個先のこぶを見て左右に振られてしまいます。当たり前のことですが、スピードが上がれば上がるほど前方を見ないとまっすぐに滑ることができません。五輪レベルになると、30個先のこぶを見るくらいでないといけないということだと思います。

 あくまでカービングという自分のスタイルにこだわって完成形を見せた上村選手。ルールでは4位でしたが、フリースタイルという個性を尊重するモーグルの原点から考えれば、金、銀、銅メダルのどの選手にも負けていなかったと思います。感動をありがとうございました。
 昨日のブログで予告した通り、今日は膝装具のCTiの使い初めのため、八方尾根スキー場に向かいました。今シーズンは条件がいい日を狙って出かけていて、今までは、雨や吹雪に遭うこともなく、強風でリフトが止まることもなく、絶好のスキー日和ばかりだったのですが、今日は大失敗でした。

 午前4時過ぎに出発してから、高速で何度も渋滞に遭い、長野県中部の中央道伊那インターの手前で思いのほか早くガソリンがなくなり、いったんインター近くのガソリンスタンドで給油。再び高速に入るときに、次の伊北インターから東京側の小淵沢インターまでの中央道が通行止めという表示が出ていました。白馬に行くには、伊北インターの次の岡谷インターで長野道に分かれますので、伊北インターで下りて、岡谷インターまで一般道を通ればいいと思って、再び中央道に入ったのですが、これが間違いでした。

 伊北インターの手前3kmから全く車が動きません。結局、午前9時に伊那インターから入って、正午に伊北インターから出るまで約3時間、中央道に閉じ込められてしまいました。伊北インターの出口に雪がかなり積もっていたので、そこで立ち往生する車が相次いだようです。

 大雪警報のピークに居合わせてしまったようで、ものすごい勢いで雪が降り掛かってきます。月曜には絶対に帰らないといけない用事があるので、白馬行きは断念して引き返すことにしました。

 ここからがまた大変で、中央道の通行止め区間はさらに広がり、伊北インターよりはるか手前の中津川インターまで引き返さなければなりません。前が見えないほど激しく雪が降りかかり、国道はトラックが横を向いたり、側溝に突っ込んだりして道をふさいでいます。県道を通るしかないのですが、除雪車が時速4kmくらいで除雪しています。その後ろをアリの行列のようにそろそろと歩くより遅いスピードでついていきました。

 カーナビまかせでルートを選んだところ、中津川インターの手前が峠道でした。そこにさしかかったときには日はとっぷりと暮れ、路面は圧雪でつるつるになって、ところどころ半透明の氷が見えています。すれ違う車はほとんどありませんでしたが、急勾配のところで離合するために止まったところ、スリップして再発進できなくなりました。

 昔、同じような状況に陥ったとき、運転席のドアを開けて、左足をアクセルに乗せ、右足で路面を蹴って車を前に進めるという力技を使ったことがありますが、今回はそのような危険なことはせず、バックで急坂を何百メートルか下り、勾配がやや緩くなったところで再発進して、勢いをつけて急勾配をノンストップで突っ切るという方法をとりました。

 自宅に帰り着いたのは出発から18時間後の午後10時過ぎ。途中、コンビニでパンを買った以外、全く休憩をしなかったので、さすがに疲れました。こんな日は出かけるものではないと、つくづく反省しています。
 今シーズンは左膝の調子があまりよくありません。1日軽く滑っただけなら問題ないのですが、ショートターンの練習やこぶの練習を何日も続けると、左膝が筋肉痛になり、膨れ上がります。

 どうやら、左膝に側方への動揺があるようで、それを抑えるために、本来、必要のない筋肉が動員されて炎症を起こしているようです。毎日、短時間の雪上トレーニングと屋内、陸上トレーニングをバランスよく組み合わせることができればよいのですが、どうしても、滑れるときに滑れるだけ滑るということになります。その結果、集中して練習した後、膝が痛くなり、休養とリハビリに2~3週間かかるということになっています。

 これではシーズン中にいくらも練習できません。そこで、練習で膝を傷めないようにCTiという高機能のニーブレース(膝装具)のお世話になることにしました。
http://www.ctikneebraces.co.uk
http://www.ossur.jp/pages/14704

 スポーツ選手が靭帯損傷などの膝のけがによって膝に動揺がある場合に使っているようです。膝がひねられないよう固定してくれます。インラインスケートの世界チャンピオン、安床武士さんにずいぶん前に教えてもらいました。彼が最近、自身のブログでも紹介しています。

 Off-The-Shelf(OTS)=既製品=とCustom=特注品=があります。膝のけがや故障をしている場合は医師の処方箋に基づいてCustomを注文します。Customの値段はOTSのほぼ倍です。健康保険が使えますが、それでもものすごく高いです。ぼくは両膝とも変形性関節症ということで、かかりつけの整形外科医に相談し、両膝ともCustomを作りました。健康保険のお世話になるのは心苦しいですが、運動することによって、ほかの病気にかからないようにして、これからほかのことで健康保険をなるだけ使わないようにしますので、ご容赦ください。

 1月7日に採型して両脚の太さを測ってもらいました。その結果、左脚が右脚よりも細いことが判明しました。太もも、膝、脛とも、周囲の長さがそれぞれ1cm短くなっていました。つまり、左脚をあまり使っていないので筋肉が発達していないのです。

 はじめ右脚ばかりを使っていたので、右脚の使い過ぎで右膝が変形性関節症になり、次に両方を使うようになったら、それまで遊んでいた左脚が使い過ぎになって変形性関節症になったということなのかもしれません。

 注文してから2週間ということだったので、ちょうど2週間後に受取日を設定していたのですが、間に合わず、結局、今月4日に受け取りました。膝ががっちりと固定されます。

 一つ問題になるのは、膝関節の両側にあるヒンジ(ちょうつがい)の部分が出っ張っていて、両膝を引っ付けた状態から片側の膝を前後にずらすと引っかかります。とりあえず、サポーターを上からかぶせて使いますが、ギアガードなどの純正アクセサリーをカバーとして取り付けることでなんとかなるのではないかと思います。

 もう一つ、装具の下端がブーツの上端に当たるかもしれないという心配があったのですが、ブーツのインナーの上端が装具の下端のベルトにうまくかぶさって、ちょうどいい具合になりました。

 明日、八方尾根の軟らかい雪で試してみます。装具屋さんから「最初からフルアタックしないように」と釘をさされていますので、徐々に慣らしていくつもりです。