スキーウェアを忘れた先週末のスキー練習2日目の28日(日)は、八方尾根スキー場に行きました。前週、2日がかりで苦労してつくったのに、たった1本しか飛べなかったエア台が残っているというので、エア練習をしてから壊すことにしました。
戸狩温泉スキー場から八方尾根までは約2時間です。上部の緩斜面に中くらいのエア台が一つ、下部の急斜面に大きなエア台が一つ残っていました。どちらも雪が積もっていたので、かなり手直しが必要でしたが、午後1時半ごろにはどちらも飛べるようになったので、それぞれ第1エア、第2エアに見立てて上から下まで通して滑る練習をしました。
途中の滑走は大きな問題はないのですが、以前のように大きなジャンプができなくなりました。下部の急斜面のエア台は、アプローチがものすごく急で難しいので、飛べなくてもしかたがないかと思いますが、上部の緩斜面のエア台はさほど難しくないはずなのに、キッカーを踏むときの「がつん」という感触がなくて、力の抜けたジャンプになってしまいます。キッカーの先端(リップ)で、ただ立ち上がるだけのような感じです。
この感覚は戸狩のモーグルコースで練習しているときも同じでした。さらにさかのぼると松之山温泉スキー場の大会のときもそうでした。全然、飛べません。
なぜでしょう。
今シーズン、ターンの前傾姿勢を強めて、体勢を低くして滑っています。特に最近は、こぶにスキーが当たった瞬間の衝撃の吸収に練習の力点を置いています。スキーの先端がこぶに当たると同時に、衝突した力が打ち消されて、前に進んでいた体が止まってしまうくらい、深く吸収する練習をしています。
その感じでエア台に入ると、キッカーから受けるG(重力加速度)の反発を吸収してしまい、体を持ち上げる力が打ち消されるので、飛べません。スキーを履いて垂直跳びをしてみるとわかりますが、スキーヤーが自力で飛び上がれる高さはせいぜい10cmくらいでしょう。スキーヤーの滑走速度から生まれる力をキッカーの反発によって上向きの力に変えることによって高さのあるエアができます。
キッカーの反発を吸収してしまうと、折り曲げていた体を伸ばして、一生懸命上に上がろうとしてもちっとも上がらず、きれいに伸びた体の軸もできなません。軸ができないので、技も満足に入りません。
キッカーで体がつぶされたときにも、同じようにまともなジャンプになりません。キッカーが壁になって、体がぐしゃっとつぶされるだけなので、体が上に上がらないのです。
どうすれば、体が上に上がるのか。エア台はアプローチが下り坂(30度~40度)、アプローチとキッカーのつなぎ目のトランジションが水平、キッカーが登り坂(国際大会の規定では26度~30度)になっています。最後のこぶからキッカーの先端(リップ)までの距離は国際大会の規定では4~5mです。このすべての過程で、斜面に対して垂直の力を加えたときに、体がエア台から最大の力を受けて、最大のジャンプをすることができます。
斜面に垂直の体勢は、下り坂のアプローチでは30度~40度の前傾、トランジションでは鉛直(重力方向)、キッカーでは26度~30度の後傾です。ただし、前に進んでいるので、この角度を維持しようとすれば、前に進む分だけ体を前に出さなければなりません。26度~30度の飛び出し角度のキッカーで、その角度に合わせて体を後ろに倒したのでは、後傾になりすぎます。エア台への進入速度にもよりますが、だいたい重力方向に対して垂直にするぐらいのつもりで、ちょうどキッカーの角度と垂直の体勢になります。
キッカーの角度と垂直の体勢は、かなり後傾です。普通に立っているときに、30度の後傾姿勢をとろうとしたら、後ろにこけてしまいます。前に進んでいるからこそ、30度の後傾姿勢がとれますが、やはり後ろに倒れてしまうのではないかという恐れを抱きます。
キッカーの後傾姿勢のままで空中に飛び出して、背中から落ちたらどうしようと思います。そこまででなくても、後傾姿勢で着地したら、スキーのコントロールができないので、ターンに入っていくことができません。
大会なら、コースがセパレートされて、コース上には自分一人しかいませんが、ゲレンデには一般スキーヤーも滑っています。着地後、暴走すると、大変、危険です。仮に誰もいなくても、硬いこぶが並んだ急斜面で暴走すると、けがの恐れもあります。着地後、スムーズにターンに入ろうと思えば思うほど、キッカーに対して垂直の姿勢ではなく、前傾姿勢をとりたくなります。
エア台に入るまで、こぶで吸収動作を続けています。その続きで、キッカーでも吸収動作をしてしまうから、ジャンプができません。こぶでは衝撃を吸収するために脚の力を抜いて曲げますが、キッカーでは脚を曲げても力を抜いてはいけません。
ストレートジャンプやアップライト(直立)系のエアのジャンプでは、キッカーでしゃがんだ姿勢(スクワット)を取ります。大きい姿勢から小さくなると回転しやすくなり、小さい姿勢から大きくなると回転にブレーキがかかります。テイクオフした後、直立姿勢をとるためには、キッカーを滑ることによってかかる後方への回転を止めなければなりません。あらかじめ小さい姿勢にしておき、テイクオフと同時に体を伸ばして大きい姿勢にすることによって回転を止めるのです。
しゃがむ動作のときに、吸収動作のように力が抜けると、体がつぶされるのと同じことになって、キッカーからの反発(反作用)を受けることができず、体が上がりません。エア台のアプローチに入ってから後は、リップを抜けるまで、一瞬たりとも力を抜くことなくしっかりと踏ん張り続けなければなりません。
力を抜いたしゃがみこみと、力を入れたしゃがみこみの使い分けが必要です。
モーグルを始めたころのキャンプで、「エア台の前のスピードコントロールは、二つ手前のこぶまでで終えるように」と言われたことがあります。これはまだ頭の中で考えているだけで、実地で検証する必要がありますが、少なくとも第2エアについては、ミドルセクションをトップスピードで滑り、エア台の手前三つ目、二つ目のこぶまででいったん減速して、最後のこぶからは加速しながらエア台に入ってはどうかと思います。
トランポリンでは、前のジャンプよりも高くジャンプするといいジャンプができます。1本跳ぶごとに高さを上げていくと、力強く安定したジャンプができますが、2本目以降の踏み切りが早くて高さが落ちると不安定なジャンプになり、演技が乱れます。つまり、加圧を強めてこそ安定したジャンプができるということです。
雪面から受ける力を吸収して減速しながらエア台に入るのではなく、雪面に加える力を強めながらエア台に入って、キッカーを思い切り踏んでジャンプするようにすれば、体の軸ができて、空中動作も切れて、着地で前傾姿勢をとるのも容易になるのではないかと思います。
八方尾根スキー場では、8日~13日、全日本スキー技術選手権大会(技術選)が開かれます。ぼくがいつも練習しているウサギ平ゲレンデ新コース(ソデグロ)も大会の競技コースになります。大会前にも公式練習で使われるので、次の週末、エア台はつくれません。
技術選は、基礎的なスキー操作の技術を競う大会です。全国から予選を勝ち抜いたスキーインストラクターら基礎スキーの熟練者が集まります。
基礎スキーとは、アルペンレースやモーグルスキーのようにコースを設けて、スピードや難しい技術を競うのではなく、大回り、小回りという基礎的な技術だけを使って、ゲレンデに普通にあるフラットとこぶの斜面を滑ります。基礎的な技術の巧拙をどのように点数化するのかは、ぼくにはわかりませんが、誰が見ても「うまいなあ」と思うスキーヤーばかりです。
3月前半の八方尾根では、ぼくのエア練習やダイナミック・ポジショニング・ターンの練習を見ることはできませんが、全国の最高峰を目指して集まった「うまいスキーヤー」の滑りを見ることができます。
戸狩温泉スキー場から八方尾根までは約2時間です。上部の緩斜面に中くらいのエア台が一つ、下部の急斜面に大きなエア台が一つ残っていました。どちらも雪が積もっていたので、かなり手直しが必要でしたが、午後1時半ごろにはどちらも飛べるようになったので、それぞれ第1エア、第2エアに見立てて上から下まで通して滑る練習をしました。
途中の滑走は大きな問題はないのですが、以前のように大きなジャンプができなくなりました。下部の急斜面のエア台は、アプローチがものすごく急で難しいので、飛べなくてもしかたがないかと思いますが、上部の緩斜面のエア台はさほど難しくないはずなのに、キッカーを踏むときの「がつん」という感触がなくて、力の抜けたジャンプになってしまいます。キッカーの先端(リップ)で、ただ立ち上がるだけのような感じです。
この感覚は戸狩のモーグルコースで練習しているときも同じでした。さらにさかのぼると松之山温泉スキー場の大会のときもそうでした。全然、飛べません。
なぜでしょう。
今シーズン、ターンの前傾姿勢を強めて、体勢を低くして滑っています。特に最近は、こぶにスキーが当たった瞬間の衝撃の吸収に練習の力点を置いています。スキーの先端がこぶに当たると同時に、衝突した力が打ち消されて、前に進んでいた体が止まってしまうくらい、深く吸収する練習をしています。
その感じでエア台に入ると、キッカーから受けるG(重力加速度)の反発を吸収してしまい、体を持ち上げる力が打ち消されるので、飛べません。スキーを履いて垂直跳びをしてみるとわかりますが、スキーヤーが自力で飛び上がれる高さはせいぜい10cmくらいでしょう。スキーヤーの滑走速度から生まれる力をキッカーの反発によって上向きの力に変えることによって高さのあるエアができます。
キッカーの反発を吸収してしまうと、折り曲げていた体を伸ばして、一生懸命上に上がろうとしてもちっとも上がらず、きれいに伸びた体の軸もできなません。軸ができないので、技も満足に入りません。
キッカーで体がつぶされたときにも、同じようにまともなジャンプになりません。キッカーが壁になって、体がぐしゃっとつぶされるだけなので、体が上に上がらないのです。
どうすれば、体が上に上がるのか。エア台はアプローチが下り坂(30度~40度)、アプローチとキッカーのつなぎ目のトランジションが水平、キッカーが登り坂(国際大会の規定では26度~30度)になっています。最後のこぶからキッカーの先端(リップ)までの距離は国際大会の規定では4~5mです。このすべての過程で、斜面に対して垂直の力を加えたときに、体がエア台から最大の力を受けて、最大のジャンプをすることができます。
斜面に垂直の体勢は、下り坂のアプローチでは30度~40度の前傾、トランジションでは鉛直(重力方向)、キッカーでは26度~30度の後傾です。ただし、前に進んでいるので、この角度を維持しようとすれば、前に進む分だけ体を前に出さなければなりません。26度~30度の飛び出し角度のキッカーで、その角度に合わせて体を後ろに倒したのでは、後傾になりすぎます。エア台への進入速度にもよりますが、だいたい重力方向に対して垂直にするぐらいのつもりで、ちょうどキッカーの角度と垂直の体勢になります。
キッカーの角度と垂直の体勢は、かなり後傾です。普通に立っているときに、30度の後傾姿勢をとろうとしたら、後ろにこけてしまいます。前に進んでいるからこそ、30度の後傾姿勢がとれますが、やはり後ろに倒れてしまうのではないかという恐れを抱きます。
キッカーの後傾姿勢のままで空中に飛び出して、背中から落ちたらどうしようと思います。そこまででなくても、後傾姿勢で着地したら、スキーのコントロールができないので、ターンに入っていくことができません。
大会なら、コースがセパレートされて、コース上には自分一人しかいませんが、ゲレンデには一般スキーヤーも滑っています。着地後、暴走すると、大変、危険です。仮に誰もいなくても、硬いこぶが並んだ急斜面で暴走すると、けがの恐れもあります。着地後、スムーズにターンに入ろうと思えば思うほど、キッカーに対して垂直の姿勢ではなく、前傾姿勢をとりたくなります。
エア台に入るまで、こぶで吸収動作を続けています。その続きで、キッカーでも吸収動作をしてしまうから、ジャンプができません。こぶでは衝撃を吸収するために脚の力を抜いて曲げますが、キッカーでは脚を曲げても力を抜いてはいけません。
ストレートジャンプやアップライト(直立)系のエアのジャンプでは、キッカーでしゃがんだ姿勢(スクワット)を取ります。大きい姿勢から小さくなると回転しやすくなり、小さい姿勢から大きくなると回転にブレーキがかかります。テイクオフした後、直立姿勢をとるためには、キッカーを滑ることによってかかる後方への回転を止めなければなりません。あらかじめ小さい姿勢にしておき、テイクオフと同時に体を伸ばして大きい姿勢にすることによって回転を止めるのです。
しゃがむ動作のときに、吸収動作のように力が抜けると、体がつぶされるのと同じことになって、キッカーからの反発(反作用)を受けることができず、体が上がりません。エア台のアプローチに入ってから後は、リップを抜けるまで、一瞬たりとも力を抜くことなくしっかりと踏ん張り続けなければなりません。
力を抜いたしゃがみこみと、力を入れたしゃがみこみの使い分けが必要です。
モーグルを始めたころのキャンプで、「エア台の前のスピードコントロールは、二つ手前のこぶまでで終えるように」と言われたことがあります。これはまだ頭の中で考えているだけで、実地で検証する必要がありますが、少なくとも第2エアについては、ミドルセクションをトップスピードで滑り、エア台の手前三つ目、二つ目のこぶまででいったん減速して、最後のこぶからは加速しながらエア台に入ってはどうかと思います。
トランポリンでは、前のジャンプよりも高くジャンプするといいジャンプができます。1本跳ぶごとに高さを上げていくと、力強く安定したジャンプができますが、2本目以降の踏み切りが早くて高さが落ちると不安定なジャンプになり、演技が乱れます。つまり、加圧を強めてこそ安定したジャンプができるということです。
雪面から受ける力を吸収して減速しながらエア台に入るのではなく、雪面に加える力を強めながらエア台に入って、キッカーを思い切り踏んでジャンプするようにすれば、体の軸ができて、空中動作も切れて、着地で前傾姿勢をとるのも容易になるのではないかと思います。
八方尾根スキー場では、8日~13日、全日本スキー技術選手権大会(技術選)が開かれます。ぼくがいつも練習しているウサギ平ゲレンデ新コース(ソデグロ)も大会の競技コースになります。大会前にも公式練習で使われるので、次の週末、エア台はつくれません。
技術選は、基礎的なスキー操作の技術を競う大会です。全国から予選を勝ち抜いたスキーインストラクターら基礎スキーの熟練者が集まります。
基礎スキーとは、アルペンレースやモーグルスキーのようにコースを設けて、スピードや難しい技術を競うのではなく、大回り、小回りという基礎的な技術だけを使って、ゲレンデに普通にあるフラットとこぶの斜面を滑ります。基礎的な技術の巧拙をどのように点数化するのかは、ぼくにはわかりませんが、誰が見ても「うまいなあ」と思うスキーヤーばかりです。
3月前半の八方尾根では、ぼくのエア練習やダイナミック・ポジショニング・ターンの練習を見ることはできませんが、全国の最高峰を目指して集まった「うまいスキーヤー」の滑りを見ることができます。