28日、29日の両日、新潟県十日町市の松之山温泉スキー場で開催された全日本スキー連盟公認(B級)のモーグル大会2連戦に出場しました。昨シーズンは白馬八方尾根スキー場で開催されたバンクドスラローム大会に出場しただけだったので(結果はコースアウトして失格)、モーグルの大会出場は2年ぶりです。
エア練習がほとんどできなかった、新調した170cmの板はビンディングの取り付けが間に合わず、191cmのエッジが浮いた板で滑らなければならない、昨年末から発熱などの体調不良で運動不足だった、などと、不安要素だらけでしたが、「習得できました」と豪語してしまったダイナミック・ポジショニング・ターン(Dynamic Positioning Turn、 DPT、 ディプト)を実戦投入すべく、大寒波の大雪の中、日本有数の豪雪地帯での大会に臨みました。
<28日夕方、松之山温泉スキー場近くの雪景色>
<29日朝、大会に出かける前、宿の駐車場で埋もれていた車。宿の人も「すごいですね」。スノーダンプをお借りしました>
<29日朝、大会コースが完全に雪に埋もれてしまったので、大会役員、コーチによって掘り出し作業が行われました>
結果は、恥ずかしくて言いたくないのですが、1日目は出だしこそよかったものの、第1エアの着地後、前に進めず、途中で2回転倒してなんとかゴール。ゴール後のフィニッシュエリア(減速して止まる場所)で転倒してコース脇の雪だまりに頭から突っ込み、外れた板を履けなかったので、片足で滑って出ようとしたら、反対側のコース脇の雪だまりで転倒して起きられなくなり、大会役員に救出されるというぶざまなおまけ付きでした。
2日目は公式練習で第1エアまでたどり着けなくなり、棄権しようかと思ったのですが、知り合いの選手から「さあ、ダイナミック・ポジショニング・ターンで攻めてもらいましょうか」と煽られ、じゃなくて、励まされ、逃げ出すわけにもいかなくなって、出場したものの、2日間のうちにディプトは幻のようにどこかに消えてしまって、やっぱり第1エアまでたどり着けず、続くミドルセクションでは、2、3こぶでラインから外れてしまい、モーグルスキーになりませんでした。
ぼくのターンの課題は、スタートのこぶへの入り、こぶからエア台への入り、着地後のこぶへの入りでした。スタートはまあまあできるようになりましたが、練習していないエアの前後は「練習していないことはできない」という自然法則の通り、できませんでした。
「泰造さんはトラックの引き上げばかりしていて、練習していないからできないんですよ」という知り合いの選手の言葉の通りです。
いつも誰ともほとんど話をせず、一人で作業していますが、大会では、久しぶりに会えた人と話ができただけでなく、前から顔は知っているけれども話したことがなかった人とも話ができて、鬱々(うつうつ)としていた気分が晴れました。
自分が何ができていて、何ができていないのかは、大会に出ないとわかりません。大会での経験を生かして、またがんばって練習します。
というのが、いつものお決まりのオチですが、余命いくばくもない65歳になって、このオチでは、世界初のディプトの実戦投入に期待している人(いるかな)や、このブログの熱心な読者(いるかな)に許してもらえそうにないので、ここから本題に入ります。
知り合いの選手が撮ってくれたビデオで、1日目の第1エアまでのトップセクションの滑りを見ると、ディプトの動きにはなっているようで、ダイナミックな動きをしていますが、ターン弧(スキーの振り幅)が大きすぎて、モーグルスキーのターンになっていません。このターン弧では、上体のローテーション(Rotation、スキーのトップの方向に腰が回ること)が生じやすく、ローリング(Rolling)しながら進むことになるので、ターン点は望めません。
そもそもぼくがディプトという独自のターンを練習するようになったのは、2009年に同じ松之山温泉スキー場で開かれたトキめき新潟国体の前後からですが、こぶとこぶの合わせ目をつなぐ直線上を高速で、いかにコントロールして滑るかということを考えたからでした。
こぶとこぶの合わせ目をつなぐラインをジッパーライン(Zipper Line)と言うそうです。ジッパー(チャック、ファスナー)の両側の歯がかみ合うように、左右のこぶが合わさるところの直線という意味だと思います。モーグルコースのスタートからゴールまでの最短距離を結ぶ直線であるフォールラインと一致します。フォールラインの左右にできたこぶとこぶの間の溝やバンク(土手)に沿わせてスキーを走らせるのではなく、フォールラインにスキーを沿わせて滑るのが、ジッパーラインモーグル(Zipper Line Moguls)です。現在のモーグル競技では、カービングでジッパーラインを滑らなければ、高いターン点を期待することはできません。
ぼくがディプトを始めた一昔前と違って、今はなんでもネットで情報を得ることができます。ジッパーラインについてもYouTubeで、ワールドカップ優勝経験のある米国の成長株、オリビア・ジアッシオ(Olivia GIACCIO)選手が解説しています。
ディプトではなく、普通のターンですが、これくらいの小さな動きでないとジッパーラインは滑れないということがわかります。











