25日、長野県小谷村の白馬乗鞍温泉スキー場で開かれた2023大阪府はくのりモーグル大会(SAJ公認B級)の第1戦に出場しました。

 

 結果は、DNF(途中棄権)を除く完走者75人中67位で、下から9番目でした。途中、迷走して、タイムもトップの人の倍ほどかかって、問題外のできでしたが、2回ともジャンプして、こけずにゴールすることができました。

 

 レース前の公式練習は、2本滑ることができました。1本目、第2エアの手前で転倒して頭を打ちました。

 

 頭を打つのは、大して強くなくても、大変、危険なことです。ぼくも経験があるのですが、頭を打った後、「私はなぜここにいるんだろう」と自分の行動がわからなくなったときは確実に脳震盪を起こしています。かつてはラグビーで脳震盪を起こしたときには、「魔法の水」と称して、やかんにくんだ水を頭にかけるだけでプレーを続行していましたが、今は脳震盪を起こした後は安静にすることが義務づけられています。

 

 ちょっとでも異変があれば、直ちにスキーを中止して欠場しなければなりません。しばらく、どうだろうと自分の頭の様子を気にしていましたが、幸い、「頭痛」「めまい」「ふらつき」「力が出ない」「集中できない」「耳鳴り」「吐き気」「目のかすみ」など、脳震盪を疑わせるような症状が全くなかったので、公式練習の2本目を滑ることにしました。

 

 2本目は、1本目よりこぶが深くなっていて、スタート直後のこぶにいきなり弾かれてしまいました。ここをうまく入らないと、また、第1エアまでたどり着けないという悲惨なことになります。

 

 そして本番。公式練習2本目の教訓を生かして、体を前に出して、うまくスタートできました。第1エアはストレートジャンプ(棒ジャン)になりました。いくらきれいなジャンプでも、技を入れなければ点数はつきません。きれいに着地しましたが、そこでいつものように迷子になり、またもや、迷走してしまいました。今回のコースは第1エアの後のミドルセクション序盤が緩く、着地後のこぶへの入りはやさしいはずなのですが、反復練習して条件反射でできるようになっていないことは、本番でもやっぱりできません。

 

 ここで技術解説です。普通のターンは、脚を曲げて踏み込むことによってスキーの進行方向を変えます。ターン弧を半円とすると、半円の始まりから脚を曲げてスキーに体重を乗せていって、ターンします。ターンの始動は脚を曲げる動作です。

 

 これに対して、ぼくが開発しているダイナミック・ポジショニング・ターン(DPT、ディプト)は、脚を伸ばしながらスキーで雪面を押す動作によってターンを始めます。半円の始まりのところのターンの始動が脚を伸ばす動作です。

 

 スタートの止まった状態からの直滑降からターンを始動することはなんとかできるようになりましたが、エアの着地後、勢いがついた直滑降からのターンの始動がまだできるようになっていません。これが目をつぶっていてもできるようになるまでは、何回やっても失敗すると思います。

 

 ラインに戻ってからのミドルセクションの滑走は、コントロールを失わずにターンすることができましたが、超スローペースでスピードが落ちてしまい、第2エアの手前では、歩くより遅いくらいになってしまいました。

 

 第2エアもなんとか飛んで、今シーズン初めてのエアの技が入りました。とても小さくて、虫眼鏡で見ないとわからないぐらいのダブルツイスターです。エアのジャッジの方、ただ板がふらついただけではないと、よく見極めてくださいました。

 

 リザルト(成績表)のターン点の項目の上段はベース点と言って、失敗なしに滑った場合の点数です。ジャッジが1人につき20点満点で採点します。下段が減点です。ぼくのリザルトを見ると、ベース点は3.0、4.0、5.5となっています。トップの人のベース点は13点ぐらいです。ほかの人も10点前後ぐらいあります。ぼくだけが異様に低いベース点になっています。ぼくのターンに対するジャッジの評価がいかに低いかを示しています。

 

 モーグルのターンの評価基準は、フォールライン(まっすぐに滑る)、カービング(スキーがずれない)、吸収動作、上体の安定性などが大きなポイントです。ターンのベース点がこれだけ低いということは、体が常に左右に動きながら滑っている、常にスキーをずらしてスライドしながら滑っている、こぶを吸収せずに滑っている、上体がぶれながら滑っている、などのいずれか、または全部です。端的に言うと、ぼくのターンは採点上、モーグルのターンとはみなされていないと言ってもいいかもしれません。

 

 ベース点が高いのに、失敗による減点でターン点が低くなっている場合は、失敗をなくすようにすればいいのですが、失敗による減点はあまりないのにベース点が低くてターン点が出ない場合は、ターンそのものを見直さなければなりません。

 

 そもそもこぶの中を高速で安全に滑走するターンとして開発を始めたディプトですが、今のところは高齢者がこぶの中を遅く滑れるターンにしかなっていません。世界で初めてのターンと大口をたたいたところで、こぶの中をとてつもないスピードで滑って見せなければ誰も相手にしないでしょう。ぼくはとても面白いターンだと思っていますが、世間の人に認めてもらうまでの道のりはあまりにも遠いようです。さあ、どうするディプト。

 

 今後のことはおいおい考えるとして、とりあえず、明日の第2戦は、安全に滑ります。第1エアの着地後のターンへの入りは練習ができていないので、やっぱりできないだろうと思います。

 

 明日の課題は、エアの高さを上げることに決めました。エア台の手前のへこんだところ(トランジション)をスキーのトップですくうように押さえつける動作を意識してジャンプしてみます。第1戦の第1エアはストレートジャンプ(棒ジャン)で「NJ」(No Jump)になったので、4連戦の最後に残された力を振り絞って、何でもいいから技を入れたいところです。

 白馬八方尾根リーゼンスラローム大会第2日は24日、前日とは旗門の設定を変えて行われました。前日は60歳以上の男子と女子全員が年齢別で対戦し、59歳以下の男子はAオープン。第2日は59歳以下の男子が年齢別で対戦し、60歳以上の男子と女子全員はBオープンで対戦しました。ぼくは出走順が最後になるBオープンです。

 

 ぼくは経験が浅くてよくわかりませんが、旗門の設定は前日に比べると、スピードが上がるところで横に大きく振られているところがあり、よりテクニカルになっている印象を受けました。

 

 平らになったテラス状の緩斜面をハイスピードで通過して、その後、斜面に入っていくところでは、次の旗門が見えません。コースインスペクションで、緩斜面の次の旗門がどこにあるかをしっかりと確認して、覚えておかなければなりません。コースインスペクションの最中、真っ平らなテラスの後、コース中の最大斜度30度の急斜面に入っていくところで、他の選手が「向こうに見える山のあのあたりだな。昨日はあのあたりだったけど、今日はあのあたりだ」と話していました。

 

 二つの旗が立っている旗門のどちらの旗の際を通るかとか、皆さん、コースインスペクションで見て、覚えているようです。ぼくはスタートから見える4つ目の旗門ぐらいまでは覚えますが、中盤や終盤の旗門はとても覚えられないので、見るだけです。

 

 コースインスペクション(下見)を終えて、きれいに圧雪されたバーンを高速滑走。旗門がないので、気持ちよく飛ばせます。レースもこの調子で飛ばすぞと勢いこんでスタートしたものの、板が横にずれているのか思うようにスピードが上がりません。

 

 テラスを通過して、次の斜面に入るところで、見えない旗門の位置を忘れて、その場で探すというミスをしてしまいました。横滑りで減速するほどの大きなミスにはなりませんでしたが、ちょっと立ち上がり気味に体が浮いてしまったので、雪面にかける圧力が弱まって、スピードが落ちてしまいました。

 

 結果は1分58秒84で、完走者91人中の46位。判で押したように、トップと約30秒差で、真ん中より少し下の位置になっていまいました。

 

 

 参戦3回目で、レースとしては5戦目。すべて真ん中よりちょっと下という同じ位置です。毎回同じことを繰り返していたのでは仕方がないので、反省しなければなりません。

 

 やはり、板が回ってしまっているようです。コースインスペクション中に、有力選手が「GSの板は簡単に回るので、回らないようにして、いかにまっすぐに滑るかが勝負だ」と話しているのが聞こえました。

 

 旗門から旗門へとターンしながら最短距離を滑るのですが、このときに最短距離を通る曲線の向きとスキーの向きが一致するように滑らなければなりません。スキーのテールが曲線(ターン弧)の外側にはみ出てはいけないのです。

 

 もう一つはダイナミック・ポジショニング・ターン(DPT、ディプト)の問題です。一般的なターンに比べて、ディプトは簡単にスキーを回すことができます。ディプトで速く滑るときには、より一層、スキーが回らないようにする注意が必要です。

 

 ちなみにBオープンで優勝したのは女子選手でした。タイム差が体力や体重の問題ではなく、技術の問題であることが明らかです。

 

 完走証明書と副賞をもらって、25日、26日にSAJ(全日本スキー連盟)公認(B級)のモーグル大会が開催される白馬乗鞍温泉スキー場に移動しました。

 

 スキーとブーツをアルペンレース用からモーグル用に履き替えて、大会コースへ。25日に行われる第1戦のコースインスペクションと公式練習には間に合いませんでしたが、コース脇のネット越しにコースをのぞき込んで、どう攻略するかイメージしてみました。

 

 うまくイメージできません。

 

 まだ頭の中のイメージが、リーゼンスラローム大会の大回転(GS)からモーグルに切り替わっていません。つい先日のハチ北高原スキー場での練習のイメージを取り戻そうと、フラットバーンでプルークボーゲンやショートターンをしてみましたが、気温が高くて雪が重く、疲れただけだったようです。

 

 2日間、全力滑走して、体がだいぶ疲れてきましたが、明日朝のコースインスペクション、公式練習と、それが終わった後のフラットバーンでの練習で、なんとかイメージをつかみたいと思います。

 23日(木・祝日)は第77回白馬八方尾根スキー場でリーゼンスラローム大会第1日に出場しました

 リーゼンスラロームとは大回転(GS)のこと。全日本スキー連盟(SAJ)の競技者登録をしていなくてる出場することができる草大会の最高峰です。草大会といえばSAJ公認大会よりやさしいと思われがちですが、この大会はむしろ逆で、どの公認大会よりも大きな標高差を滑らなければなりません。

 

 ぼくが初めてのアルペンレースとしてこの大会に参戦したのは2020年からで今年が4シーズン目。昨年は母の見送りがあって欠場したので、今回が3度目の出場です。

 

 年齢別に区分けされていて、ぼくが出場したのは男子の5部。60代の選手が対象で、最も層が厚いクラスです。過去の成績を参考にして出走順が決められます。出走が後になるとコースが荒れて、いいタイムが出しにくくなるので、強い選手ほど先に滑ることができます。弱い選手は荒れたコースを滑らなければならず、いい成績を出してジャンプアップするのはなかなか困難です。ワールドカップや国内の公式戦でも同じですが、まるで、富む者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなるという資本主義の格差社会のような仕組みです。

 

 ぼくは過去2回の成績が出場者の真ん中か、それより少し下だったので、今回の出走順も、エントリーした128人のうちの57番目とだいたい真ん中ぐらいに位置づけられていました。

 

 一般客のリフト乗車は午前8時からですが、選手は特別に午前7時からリフトに乗って、コースの下見(インスペクション)をしました。といっても、コース内は立ち入り禁止で、コースの両側を横滑りで下りながら、コース内をのぞき込むだけです。(横断はできます)

 

 モーグルの大会では、コースインスペクションだけでなく、コースをレースと同じように使う公式練習がありますが、コースを滑ることはできません。いわばぶっつけ本番です。

 

 それだけではなく、ぼくには不安要素がありました。ここから言い訳です。

 

 不安要素 その1

 アルペンレース用のブーツを履くのは、今シーズンはこの日が初めてでした。GS用の板を履くのもこの日が初めてでした。つまり、GSの練習を全くしていません。

 

 不安要素 その2

 アルペンレース用のブーツはノルディカのドーベルマンWC130EDTという競技用ブーツです。10年余り使っているので、かなりくたびれてきました。今シーズン、レース前に履いて何か違和感があると思ったら、左のかかとの部分に入っている硬いパッドが割れていました。高速で滑るアルペンレースは非常に繊細なテクニックが要求されます。ちょっとした不具合が命取りになりかねません。

 

 不安要素 その3

 今回使ったGSの板は2台あるうちの短くてサイドカーブがきつい方です。過去2回は長い方を使ったのですが、サイドカーブがあまりないため横滑りしやい感じだったので、変えてみました。10年以上前に中古で買った板で、15年ほど前のモデルです。今回、よく見ると、ベンド(反り)がなくなってきているようでした。ベンドがなくなると、板が必要以上に回って横滑りしてしまいます。

 

 不安要素 その4

 出場選手は、ぼくより遅い人も含めてほぼ全員がレーシングスーツを着ています。アルペンレース用の曲がったストックを持っている人も大勢います。ぼくは普通のスキーウェア。

 

 不安要素 その5

 農作業で痛めた指(特に左手の小指)が痛くて、ストックがしっかり握れません。

 

 と、不安要素を数えていくときりがありません。よくないことばかり考えていても緊張して体が固まるばかりなので、考えるのをやめました。

 

 コースインスペクションの後、ウォーミングアップをしたり、レストランで休憩したり、何度もトイレに行ったりしながら、ずいぶんと待って、ようやくぼくの出番が来ました。

 

 スピードを上げるためには、とにかく勢いよくスタートして、最初からスピードに乗っていかなければならないと考えて、スケーティングしながらスタートしました。最初の旗門までは直滑降です。真下に向かってスキーを後ろに蹴りながら直滑降。旗門を通過して、右にある第2旗門を回ったとき、勢いがつきすぎて横滑りして、下に落とされてしまいました。

 

 雪道で車が急ハンドルを切ると、回転するようなものです。いわゆる「けつを振る」という現象。スキーが横を向いたままで谷方向(ゴール方向)に移動してしまいました。ターン弧が膨らんで遠回りになるだけでなく、次の旗門に向けての斜滑降の方向が、斜め下ではなく、真横やひどいときには斜め上になるので、スピードが落ちてしまって、大きな時間ロスになります。

 

 いきなりのミスでしたが、序盤のミスは長いコースでは取り返せるので、気を取り直して、後も滑りましたが、旗門の間際を狙ってターンしようとしたのが災いして、コースの中盤でも、同じように下に落とされるミスをしてしまいました。

 

 旗門不通過はなく、無事にゴールしましたが、電光掲示板のタイムを見ると、1分50秒38で、その時点でのトップの選手から30秒近く遅れていました。後続の選手が2分を超えてゴールしていたので、少し安心しましたが、過去2回とさして代わり映えのしないタイムだったようです。まあ、あれだけのミスをしても、なおかつこのタイムだったので、よしとしないといけないかもしれません。

 

 確定した順位は出走者106人中の55位で、目標としていた真ん中より上にはわずかに届きませんでした。

 

 この大会は1本勝負ですが、タイムをあと10秒短縮できれば、ワールドカップなどで2本目に進める30番くらいになります。80歳以上の男子7部、70代の男子6部、60歳以上の女子3部にも、ぼくより速かった選手が大勢おられます。

 

 ダイナミック・ポジショニング・ターン(DPT、ディプト)のタイミングを合わせることと、旗門の前後のライン取りを考えて、2日目のレースに臨みます。 

 以前のブログで紹介したオリビア・ジアッシオ選手(米国)のYou Tube動画の抄訳です。モーグルのターンの基本的なことが述べられています。

 

 

0:00

(Olivia) *Olivia Giaccio 2022年北京五輪出場のモーグル選手。

ハーイ、私はオリビア・ジアッシオと言います。米国モーグルチームの選手でワールドカップ、オリンピック選手です。

 

0:24

(Olivia)

列車の線路と呼ばれる広いスタンスをとっているときでも同じことなんですが、外足のつま先の小指が乗っているエッジに荷重することを意識して、それから切り替えます。どちら向きのターンでも外足に乗っていることを確かめます。両膝を少し内側に落としながら。理想としてはモーグルのターンの感じですね。こぶの中ではっきりと極端に膝を回そうとするのではないんですが、ターンのたびに膝をちょっとだけ内側に入れるようにします。

 

0:54

(Deb Armstrong) *1984年サラエボ五輪大回転(GS)の米国代表で金メダリスト

内足が前に動いているようですが。

 

(Olivia)

はい、リードチェンジ(左右のスキーに前後差をつけること)になっていますが、はっきりと何かを意識してそうしているのではないと思うので、自然とそうなっているんじゃないでしょうか。

 

(Deb Armstrong)

アンギュレーション(外向傾姿勢、「く」の字姿勢)で外足をエッジングするときに自然とそうなっているのですか。

 

(Olivia)

外足をエッジングするとき、前になっている足が自然と少し前に出るように動くだけです。リードチェンジを意識するように言うコーチもいますが、私たちはしていません。

 

 

1:29

(Deb Armstrong)

みんなそのことで混乱したり、誤解したりしていますね。あなたがモーグルで確認していることによって自然とそうなる副産物なんですね。もう少しここで滑りを見せてもらえるとうれしいんですが。

 

1:57

(Olivia)

練習をするのは、完全にフラットな場所がいいですね。より険しいところに行ったり、もっと実際のターンやカービングをするときの基本になります。

 

2:36

(Deb Armstrong)

ウォーミングアップの練習はどうしていますか。

 

(Olivia)

いつもはGSのように大きなターンをしています。

 

2:49

(Deb Armstrong)

GSのターンをじょうごのようにだんだん小さくしていくのはかっこいいですね。

 

3:44

(Deb Armstrong)

オリビアはカービングをしていますね。ちょっと驚きました。

 

(Olivia)

私は大きな弧のターンが好きです。最初の数年間、ウインタースポーツクラブでボビー(Bobby Aldighieri)と片足で滑るような練習をしました。

 

(Deb Armstrong)

なぜその練習をしたのですか。

 

(Olivia)

4:10

きちんと外足に荷重をするためです。ターンのときに外足に荷重すると思うように操作できます。

 

(Deb Armstrong)

こぶの中でもですか。

 

(Olivia)

はい、そうですよ。素早く足を切り替えます。

 

4:32

(Bob Aldighieri) *ボブ・アルディギエリ。Robert Mathew Aldighieri。1992年アルベールビル五輪米国代表のモーグル選手。オリビアの前のコーチ。

 

デブ、あなたはこんなに深く脚を曲げることはないんですね。

 

(Deb Armstrong)

そのとおりです。そんなにはなりません。

 

(Olivia)

それから、体重を50対50かそれ以上、内足にかけると、脚の角度をすごく小さくすることができません。

 

5:25

(Deb Armstrong)

上体の姿勢は意図的にそうしているのですか。

 

(Olivia)

それは大きなことです。上体をこうしておかないとコントロールを失ったとき、体が飛ばされるでしょう。

 

6:12

(Bob Aldighieri)

モーグルスキーで覚えておかなければいけない重要なことはもう一つ、手の位置です。上手な人は手首を外に向けて(てのひらを前に向けて)ストックを持たないということです。高速で滑っていると、ストックの衝撃も速くきます。手首を外に向けていると、ストックを肩の外側に来て、後ろに持っていかれて、タイミングを逃すことになります。オリビアがしているように、体の前でしっかりとしたアームボックス(腕の構え)を作ることをちゃんと意識してください。

 20日(月)、今週末のモーグル公認大会の前の練習にハチ北高原スキー場に行きました。前日までの雨で崩れたというエア台もきれいに修復されており、いい練習ができました。

 

 吹雪の中で滑りながら一つ気づいたのは、ターンに入る前の直滑降の方法です。スタートしてからこぶの中でのターンを始める前、エアの着地をしてからこぶの中でのターンを始める前は、両スキーをまっすぐ前に向けた直滑降です。今までこのときに、どういう動作を意識すればいいのかがよくわかりませんでした。

 

 前回、気づいたのは、着地でしゃがんだ姿勢から体を前に伸ばして、爪先立ちの姿勢になるということでしたが、これだけではスムーズにターンに入れないようです。

 

 ターンの向きを変えるときにエッジを切り返します。米国のオリビア・ジアッシオ選手がYouTubeの動画で言っていたのは、小指を意識するとうまくいくということでした。

 

 ジアッシオ選手はダイナミック・ポジショニング・ターン(DPT、ディプト)ではなく、普通のターン(スタティック・ポジショニング・ターン、SPT、セプト)ですが、小指を意識すると、ディプトでも切れのあるターンになることがわかりました。

 

 ディプトの場合は、小指で雪面を押します。新たなターンを始めるたびに、左右どちらかの足の小指で雪面を押します。直滑降の後の最初のターンを始めるときにも足の小指で雪面を押すのだから、その前の直滑降のときにも小指で雪面を押しておけばいいのではないかと考えて、試してみたら、今までの苦労がうそのようにスムーズにターンに入れるようになりました。

 

 セプトでは、ターンのときに外足の拇指球(親指の付け根)を意識する人が多いのではないかと思います。ディプトでこれをするとうまくいかないようです。ディプトでは小指球(小指の付け根)を意識するとうまくいきます。

 

 もう一つ、ディプトがセプトと逆だと思うことがあります。セプトでは常にブーツのタン(舌)に脛でプレッシャーをかけるように言われます。「すね圧」という技術用語もあるくらいで、特にモーグルでは重要です。

 

 以前から、ディプトではブーツのタンへのプレッシャーは必要ないのではないかと感じていました。この日の練習で気づいたのは、ディプトではかかとの後ろ側でブーツにプレッシャーをかけておかないといけないのではないかということです。ブーツのタンとは全く逆方向です。ディプトではあらゆる動作がセプトと逆になるので、これも当たっているかもしれませんが、まだ仮説の段階で、理論的な説明も十分にできないので、今後の検証が必要です。

 

 23日、24日は白馬八方尾根リーゼンスラローム大会。アルペンレース(GS)の草大会(*注)の最高峰です。ビブ(胸当て)とプログラムはすでに届いています。

 *注 全日本スキー連盟(SAJ)の競技者登録をしていなくても出場できる大会

 

 

 25日、26日は白馬乗鞍温泉スキー場でモーグルのSAJ公認大会(B級)があります。スタートからゴールまで通して滑れる見通しは立っていませんが、失敗しても新しいターンの開発中であるということで大目に見てもらって、なんとかディプトの目鼻をつけたいと思っています。

 今のところ、ぼくの老後の楽しみにしかなっていない自己満足のダイナミック・ポジショニング・ターン(DPT、ディプト)ですが、苦節十数年、ついにエアの着地後のこぶへの入り方が判明しました。

 

 答えを先に書いておきます。

 

 ランディングバーンに着地後、しゃがんで両ストックを突いた姿勢から、両ストックを前に出しながらゆっくり前に立ち上がり、爪先立ちのまま直滑降してこぶにぶつかる。スキーのトップはまっすぐ前に向けたままで、こぶを乗り越えるまで向きを変えない。

 

 ディプトの開発に取り組み始めてからというものの、エアの着地後のこぶへの入り方がわからず、白馬八方尾根スキー場で自分でエア台を作って練習したり、大会でDNF(途中棄権)を繰り返したりしながら、どういう動作をすべきかを模索してきました。試行錯誤の経験から言っても、理論的に考えても、答えはこれしかありません。

 

 15日(水)、ハチ北高原スキー場に行って、ターンとエアの練習をしました。自宅でも雪が降っていたので、エア台は雪に埋もれて使えないかもしれないと思っていましたが、ちゃんと雪をかき出して、安全に飛べる状態にしてありました。いつも整備、ありがとうございます。

 

 ここのエア台はテーブルトップと言って、ランディングバーンが高くなっているので、着地の衝撃があまりありません。しかも、ランディングバーンの後、大会コースと同じようにしっかりとしたこぶが続いているので、着地後のターンの練習をすることができます。

 

 エアの技は、しっかりとした踏み切りができれば、ウォータージャンプの練習でできていることはできます。問題はエア台への入りと、着地後のこぶへの入りです。どちらもターンを深く理解していないとできないのだると思います。

 

 普通のターン(SPT、セプト)とは逆の動きになるディプトではどういう動きをすればいいのか。見えそうで見えなかったその答えがようやく見つかったのですが、それには前段がありました。

 

 まず、最近のブログで紹介したオリビア・ジアッシオ選手(米国)のYouTubeの映像です。

https://youtu.be/vmPKZ2xFTGQ

 

 ジアッシオ選手は、こぶの中でのターンをフラットバーン(整地)で実演して、こう言っています。

(1)エッジの切り返しのときに小指を意識する

(2)リードチェンジ(左右のスキーに前後差を付けること)は意識していない

 

 ディプトは、セプトとは動きが逆になりますが、共通することもあります。エッジの切り返しはディプトでも必要な動作です。

 

 ディプトで、ジアッシオ選手が言うように小指を意識することを考えました。それで見つけたが、先日の「ディプトの大発見」というタイトルの記事で書いたことです。

 

 右手の小指と右足の小指を同時に動かし、左手の小指と左足の小指を同時に動かす。

 

 これを整地のショートターンで試してみました。結果は思った通りで、切れのあるターンになりました。しかも、今までうまくいかなくて違和感があったターンは、左足の小指がうまく意識できていないときだということもわかりました。左手の小指を農作業で痛めて思うように動かせないことが影響しているかもしれません。左足の小指を意識して動かすようにするとうまくいくようです。小指を意識することによって、こぶの中のターンもスムーズになりました。

 

 もう一つ、参考になったのは、ベンジャミン・キャベ選手(フランス)がワールドカップコースを滑走するときの映像です。

https://fb.watch/iFtZnnzm9x/

 

 キャベ選手は第1エアの着地後、こぶに入るときに、こぶの手前でこぶの向きに合わせてスキーの向きを変えています。最初のこぶが左にあれば、そのこぶの背中は右を向いているので、その手前でスキーのトップを右に向けて、スキーをこぶに沿わせています。

 

 エアの着地後、ぼくも反射的にこぶの向きに合わせてスキーを横に向けてしまうのですが、これをすると、キャベ選手と同じターンであるセプトになって、ディプトにはならないということです。じゃあ、どうすればいいのか。こぶの手前ではスキーの向きを変えず、こぶを乗り越えてからスキーの向きを変えれば、セプトと逆の動きになります。

 

 キャベ選手は、こぶを乗り越えながらスキーの向きを変えますが、完全に逆向きにはせずに、いったん次のこぶに向けてまっすぐにしています。こぶの手前でスキーの向きを変えて、こぶを乗り越えてからスキーをまっすぐ前に向けています。「こぶの手前でスキーを横に向け、こぶを乗り越えた後にまっすぐにする」です。

 

 この逆は、「こぶの手前でスキーをまっすぐにしておき、こぶを乗り越えてからスキーを横に向ける」です。これがディプトです。

 

 まとめると、こぶの中でのディプトは、スキーがまっすぐ前に向いているときにこぶにぶつかり、こぶを乗り越えてからスキーが横に向きます。

 

 エアの着地後も、スキーをまっすぐ前に向けてこぶに入らなければなりません。スキーがこぶを乗り越えるときには、体を小さく曲げてこぶの衝撃を吸収しなければならないので、その手前では、体を伸ばしておかなければなりません。体を小さく曲げた着地の姿勢から、体を伸ばしてこぶに入るということです。

 

 今回はエアを飛ばず、ランディングバーンを滑り下りるだけにして、ランディングバーンの着地の姿勢から、体を前に伸ばしてこぶに入る動作を試してみたら、こぶの中でのターンのタイミングがうまく合いました。

 

 今回の練習は緩斜面でしたが、大会のエアのランディングバーンの斜度は26度以上にするのが決まりで、40度や50度くらいの急斜面になることもあります。そこに着地した後、体を前に向けて伸ばすというのは、こぶに弾かれるのではないかという恐怖心が先に立って、なかなか思いきれるものではありません。

 

 今シーズンの大会には間に合わないかもしれませんが、答えはこれしかないので、なんとか反復練習して成功体験を重ねることによって恐怖心をなくすしかないと思います。

 FacebookのFIS Freestyle SkiingのアカウントでWatchにアップされていたベンジャミン・キャベ選手(フランス)のオンボードカメラの映像をコマ送りして分解写真にしました。

 

 「こんなことをしていいのか」という向きもあるかもしれませんが、公開されているものなので、改変したり、営利目的で使ったりするのでなければ、どんな見方をしてもかまわないと思います。キャベ選手、参考にさせていただきます。

 

 映像の出所はこちらです。

 

 

 

<1>スタート

両ストックでこいでまっすぐにスタートします。

 

<2>最初のこぶへの入り

最初のこぶの向きにスキーを合わせます(こぶの向きに合わせてトップが右を向いています)

 

<3>最初のこぶのターン

スキーのトップがこぶの出口(こぶの曲がり角)を通り過ぎて、ブーツがこぶの出口に来るまでターンするのを待っています(スキーの前半分はこぶの出口より前の空中に出ています)

 

<4>最初のターンのストック

ストックを突いたところにブーツが来るまでターンしていません。

 

<5>最初のこぶのターンの終了

スキーを次のこぶの出口に向けています。

 

<6>2個目のこぶへの入り

スキーの向きをこぶの向きに合わせます。

 

<7>2個目のこぶのターン

こぶのすそか中腹あたりにスキーをあてがっています。スキーの右側のエッジが上がっています。

 

<8>2個目のこぶのターンのストック

こぶの曲がり角にストックを突いています。

 

<9>3個目のこぶへの入り

こぶのすそか中腹あたりにスキーをあてがって、こぶの曲がり角にストックを突いています(ストックはスキーのトップの横あたりにあります)。

 

<10>3個目のこぶのターン

スキーのトップの位置にあったストックがブーツのところまで来て、スキーの前半分が空中に出ていますが、まだターンしていません。

 

<11>3個目のこぶのターン終了

スキーのトップを次のこぶの出口に向けます。

 

<12>5個目(?)のこぶ

こぶにあてがったスキーのトップの横あたり(こぶの曲がり角あたり)にストックを突いています。

 

<13>5個目(?)のこぶのターン

ブーツがストックを突いたところ(こぶの曲がり角)まで来てからターン。

 

<14>5個目(?)のこぶのターン終了

スキーとストックを次のこぶの出口に向けています。

 

<15>第1エアの手前

右のストックを突いて(?)、左を向いていたスキーをまっすぐに向けています。最後のこぶからエア台まではかなり距離があります。

 

<16>第1エアの踏み切り

ブーツがエア台から出るまで体を伸ばさず、踏ん張っています。

 

<17>第1エアの着地

着地したままの体勢ですぐにスキーの向きを変えて、こぶの方に向けています。ランディングバーンの最後のところがこぶになりかけているようです。

 

<18>着地後の最初のこぶのターン

スキーをこぶの向きに合わせて、こぶのすそか中腹あたりにあてがっています。

 

<19>着地後、2個目のこぶのターン

こぶの中腹あたりにスキーをあてがって、こぶの曲がり角に突いたストックのあたりでターンしています。

 

<20>着地後、3個目のこぶのターン

第1エアの着地後のこぶでは、第1エアまでのこぶよりも吸収動作を大きくしているようにも見えます。

 

<21>第2エアへの入り

最後のこぶで左を向いていたスキーをまっすぐに向けています。少し「ハ」の字になっています。

 

<22>第2エアの踏み切り

ブーツがエア台から出てしまうまで、体が伸びないように踏ん張っています。

 

<23>第2エアの着地

スキーの向きはまっすぐです。

 

<24>第2エア着地後のターン

第2エア着地後のボトムセクションでは、スキーをまっすぐ向けたままで滑っています。こぶの起伏に合わせてスキーの前後左右の傾きを変えているだけです。

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 第1エア、第2エアとも、体が泳いでいて、いいジャンプとは言えませんが、ブーツがエア台のリップ(先端)を抜けるまで、しっかりと踏ん張ることによって、大きなジャンプをしています。

 

 第1エアの着地後は、着地したままの体勢ですぐにスキーの向きを変えてターンに入っているのに対し、第2エアの着地後はターンをせずに、こぶの起伏を吸収するだけの滑りをしています。

 

 ターンについては、こぶの手前の溝の向きが変わるところ、すなわち、「こぶの出口」とか「こぶの頂点」と言われるところをスキーのトップが通り過ぎて、ブーツがその上に乗るのを待って方向転換しています。スキーの向きを早く変えると、スキーが横向きになったままこぶの向こう側を滑落するスライドターンになります。こぶのとんがったところでエッジングすることによってカービングターンを引き出しています。

 

 ぼくが練習していているダイナミック・ポジショニング・ターン(DPT、ディプト)とは逆の動きになっています(ぼくが普通のターンの逆の動きをしています)が、大いに参考になります。

 

 

 昨年の今ごろは、母の見送りがあって遠出しにくく、近所のため池の堤防に作ったマイモーグルコースで練習していました。30度の急斜面でエア台も付いていて、基本練習にはよかったのですが、スタートから3こぶしかなく、スピードが上がる前に終わってしまうので、大会のよう長い距離をにハイスピードで滑る練習ができませんでした。

 

 今、スキー場のモーグルコースに練習に行けないので、家でイメージトレーニングだけをしているのですが、FIS(国際スキー連盟)のFacebookにちょっと面白い映像がありました。

 

https://fb.watch/iFtZnnzm9x/

 

 イタリアのキエーザバルマレンコベンで開かれたワールドカップ(W杯)の大会コースで、ベンジャミン・キャベ選手(フランス)とミカエル・キングズベリー選手(カナダ)がキャット・アンド・マウスというゲームをしています。キングズベリー選手の後ろを付いて滑っているキャベ選手のカメラで撮影した映像です。

 

 まず、注目したいのは、こぶの形状です。饅頭のようにぽっこりと丸くふくらんだこぶが左右に互い違いに並んでいます。平らなバーンの上にこぶが乗っている感じのでこぼこです。

 

 ぼくが出場する国内のSAJ(全日本スキー連盟)公認B級の大会では、このような形にはなりません。選手が通るところが沈んで、溝のように掘れたところが低いでこぼこになります。

 

 理由はいくつかありますが、一つには、こぶの作り方の違いが挙げられます。W杯の大会コースは圧雪車で雪を盛り上げることによって作られるのに対して、国内の大会では、ポールの間を滑って雪を削ることによって作られます。平らなバーンを交互に盛り上げるか、平らなバーンを交互に削るかの違いです。

 

 もう一つの理由は、選手のターン技術のレベルの違いです。W杯選手の滑りは、スキーを横に向けて止めようとする動きが少ないので、雪面が削られて掘れるということがあまりありません。それに対して、B級の大会では、スキーで雪面にを削ったり、スキーをこぶに当てたりして、減速する動作が多くなるので、こぶとこぶの間がだんだん深くなっていきます。

 

 このほかに雪質も影響します。降雪直後は深くなり、かちかちのアイスバーンでは、いつまでたっても深くなりません。この映像はレース本番前の公式練習の期間中に撮影されたものと思われます。選手が滑るにつれて、こぶとこぶの間が深くなるので、本番ではもっと掘れたこぶになっていたかもしれません。

 

 次に注目したいのは、こぶを滑るスピードです。こぶとこぶの間隔(ピッチ)はW杯もB級大会も変わりません。こぶを通過する時間でだいたいのスピードがわかります。ぼくが滑るスピードよりかなり速いです。倍くらいのスピードだと思います。

 

 最後に、一番注目したいのは、エアの滞空時間です。キャベ選手がエア台を踏みきってから着地するまでにかなり時間があります。なかなか着地しません。B級大会とは全然違います。B級大会では、高くジャンプせずにペタッという感じで着地する選手もいます。滞空時間はほとんどありませんが、それでも器用にツイスタースプレッドなどのダブル(2動作)の技を入れます。ぼくに至っては、この前の大会、ほとんど飛べませんでした。ウォータージャンプの練習ではキャベ選手ぐらいの滞空時間があります。大会でもそれができなければならないということです。

 今シーズンの初め、絶好調と思われたダイナミック・ポジショニング・ターン(Dynamic Positioning Turn, DPT, ディプト)が、どこかに消えてしまいました。

 

 1月28日、29日に松之山温泉スキー場で開かれたモーグルの公認大会2連戦は、最初こそよかったものの、公式練習、本番と、大会コースで滑りを重ねるにつれてタイミングが合わなくなり、2日目のレース本番ではとうとう第1エアまでたどり着けなくなってしまいました。

 

 根本の原因は、ディプトがマスターできていないということに尽きると思いますが、使用したスキーが、4FRNT(フォーフロント)のORIGINATOR(オリジネーター)191cmで、長くて、硬くて、ただでさえ取り回しがしづらいのに、片方のスキーのエッジが浮いて、ソールが水平でなくなっていたことも影響していたかもしれません。新しく買ったelan(エラン)のBLOODLINE(ブラッドライン)今季モデル170cmは、オランダのネットショップに注文してからすぐに届いたものの、ビンディングの取り付けが間に合わなかったのです。

 

 2月4日(土)、大阪のsports3110に行って、ORIGINATORに付けていたビンディングをBLOODLINEに付け替えてもらいました。BLOODLINEに対する店主の斉藤さんの評価は「反発しそう」。硬くて重くて、長すぎるORIGINATORに対して、板のしっかりしたばねで、素速いレスポンスが返ってきそうだということのようです。

 

 6日(月)、ハチ北高原スキー場でビンディングの取り付けが終わったBLOODLINEを履いて、ディプトの練習をしました。

 

 結果は、こぶが全然滑れませんでした。

 

 緩斜面のパノラマゲレンデに設けられた初級者も滑れるモーグルトレーニングコースに入ったところ、最初のこぶでスキーが引っかかってこけました。その後も、こぶにタイミングが全く合わず、途中で弾かれることがしばしばでした。

 

 スキーに問題はありません。コースも整備されていて問題ありません。コース管理者の加藤大輔さんの滑りは別格として、ほかのスキーヤーもすいすいとなめらかに滑っています。ぼくだけがぎくしゃくぎくしゃく、がたぴしがたぴしと、ぎこちなく、ダイナミックに壊れた滑りです。

 

 ディプトができていないことが問題だと、はっきりわかりました。

 

 緩斜面のフラットバーンで基本のターン練習を繰り返しながら、緩斜面のモーグルコースを滑りましたが、結局、タイミングの合った滑りはできずじまいでした。

 

 最近はゲレンデに着くのが午後になることが多いこともあり、急斜面に設けられた北壁上級コースにはまだ一度も入れていません。せっかくのエア台も飛べないままです。フラットバーンと緩斜面のこぶの練習だけで手一杯の状態です。

 

 諸般の事情により、しばらくスキーに行けないのですが、台所の床の上で、体を動かしながら、ディプトの動きを見直しています。今日、スリッパ履きで流しの前でイメージトレーニングをしているときに、大発見がありました。

 

 今まで、ディプトの動きを考えるとき、足の動きと手の動きを逆で考えていました。右足に荷重するときに左手を動かし、左足に荷重するときに右手を動かすという考えです。

 

 ディプトでは、足のかかと側からつま先側、逆につま先側からかかと側へと体の重心を移動することによってターンします。歩行動作(Locomotion)で、手の振りと足の動きが逆になるのと同じように、ディプトでも手と足の動きは逆になると考えていましたが、これがどうも違うのではないかというのが、今回の大発見です。

 

 詳しい技術解説は、ディプトを練習しない人には意味のないことなので、省略しますが、ぼくは今まで、右手の動きと左足の動きを一致させ、左手の動きと右足の動きを一致させようとして、ターンがバラバラになっていました。細かいこぶでターンを繰り返すときに、「右」「左」と頭の中で言いながら滑ろうとするのですが、「右」が右手なのか右足なのか、「左」が左手なのか左足なのかわからなくなって、パニックを起こしていました。

 

 今回の大発見では、右手と右足の動きが同じ、左手と左足の動きが同じです。もっと細かく言えば、右手の小指と右足の小指が同じ、左手の小指と左足の小指が同じです。右手のストックが前に行くときに体重が右足の前に行き、左手のストックが前に行くときに体重が左足の前に行きます。ストックの重みが手の小指にかかるときに、体重が同じ側の足の小指にかかります。

 

 これだともう何も迷うことがありません。スキーに行けるのは、ちょっと先になりそうです。早くハチ北のモーグルコースで試してみたくて、うずうずしています。

 2月1日、モーグルのトレーニングコースが整備されているハチ北高原スキー場で、ダイナミック・ポジショニング・ターン(Dynamic Positioning Turn, DPT, ディプト)でジッパーライン(Zipper Line)を滑る練習をしました。

 

 こぶの中のどこを滑るかという、いわゆる「ライン取り」については、「ニューライン」「ポーパスライン」「Dライン」などの言葉があるようです。ぼくには詳しいことはわかりませんが、どれもスキーを縦に走らせる直線的なラインのことを言うようです。

 

 

 前回紹介したジッパーラインは直観的にわかりやすい言葉です。閉じたジッパー(チャック、ファスナー)の合わせ目のように、互い違いに並ぶ左右のこぶの合わせ目をつなぐ直線です。

 

 モーグル競技のスキーヤーの通り道はジッパーライン以外にはありません。モーグルの採点基準を記したFIS(国際スキー連盟)のジャッジングハンドブックのターンの項目の最初が「フォールライン」で、スキーヤーはスタートとゴールを最短距離で結ぶフォールラインを通ることとされています。スキーヤーの体がフォールラインから横にそれると大きく減点されるだけでなく、体がフォールラインの左右に揺れながら進む滑りも評価の低いターン点しか得られません。

 

 前回紹介したYouTubeビデオで米国のオリビア・ジアッシオ(Olivia GIACCIO)選手が整地(フラットバーン)で両足をぴったりとくっつけたエッジングでのカービングターンをしていましたジアッシオ選手の滑りはディプトではなく、普通のスタティック・ポジショニング・ターン(Static Positioning Turn, SPT, セプト)です(というか、ディプトをしている選手は世界に一人もいません)。ディプトでも同じような滑りができないかと試してみましたが、うまくいきません。

 

 そこで、基本に立ち返って、プルークボーゲン(ウェッジ、いわゆる「ハ」の字)をディプトでやってみました。プルークボーゲンはスキーの基本中の基本で、モーグルスキーでも欠かすことのできない練習です。ぼくがモーグルを始めて間もない2001年2月3日、滋賀県のびわ湖バレイスキー場で原大虎さんのレッスンを受けたときに最初に習ったのもプルークウェーデルン(プルークボーゲンの小回り)でした。

 

 今まで何回か、ディプトの練習に基本のプルークボーゲンを取り入れようとしたのですが、できませんでした。スキーを「ハ」の字にして前に滑らないように制動したのでは、ディプトの動きができなかったのです。

 

 ところが、今日はできました。スキーで斜面を後ろにけるディプトの動きでターンを連続することができました。ただし、完全な「ハ」の字ではなく、「い」の字くらいに脚を開いたパラレル(平行)スタンスです。スピードが上がらないように制動してのショートターンができました。

 

 整地でできたので、昔練習したように、モーグルコースもプルークボーゲンで滑ってみました。スピードを低く抑えて、こぶを後ろにけるディプトの動きができました。

 

 ジッパーラインを高速で滑る練習はできませんでしたが、プルークボーゲンでディプトの動きとタイミングをつかめば、おのずと高速で滑ることができるようになるのではないかと思います。

 

 ※オリビア・ジアッシオ選手のYouTubeビデオで、ターンするときに両足に前後差をつけているように見えますが、このリードチェンジ(Lead Change)という動きは、ジアッシオ選手が意識してしていることではなく、外足荷重のエッジングをするときに自然と起きていることだそうです。リードチェンジを意識するように言うコーチもいるそうですが、ジアッシオ選手は意識していないと言っています。ジアッシオ選手は、外足のつま先の小指に体重をかけてからターンの切り替えをするようにアドバイスしています。