ヤンマースタジアム長居/長居陸上競技場 | Stadiums and Arenas

Stadiums and Arenas

スポーツ観戦が趣味の筆者が、これまで訪れたスタジアム・アリーナの印象を綴るブログです。

メインページ

ヤンマースタジアム長居/長居陸上競技場
開場1964年
収容可能人数47816人
名前の変遷長居陸上競技場(1964-2014年)
ヤンマースタジアム長居/長居陸上競技場(2014年-現在)
アクセス鶴ヶ丘駅(JR阪和線)より徒歩約5分
長居駅(JR阪和線・Osaka Metro御堂筋線)より徒歩約5分

(写真は全て、2020年9月5日、J1リーグ・セレッソ大阪浦和レッズの試合から)



上:外観、北側ゲートから撮影
下:内装


関西圏最大のスタジアムで、日本を代表する陸上競技場の1つである。過去に何度もサッカーや陸上競技の国際大会の会場になっており、Jリーグ・セレッソ大阪の本拠地としても使用される。

この陸上競技場がある長居公園は、1928年に整備された臨南寺公園がもとになっており、1934年に長居公園に改称、1941年に一般開園された。戦後は競馬場と競輪場が作られたが、長続きせずどちらも閉場し、その跡地に運動公園が作られた。1960年代になると八幡屋公園にあった大阪市立運動場の機能を移転し発展させる計画がスタートし、1964年に競輪場の跡地に長居陸上競技場が開場した。同年東京でオリンピックが行われたときには、関東圏内に球技場が少なかったこともあって、一部の競技が東京から離れたこの会場で行われている。

1997年に大阪で国体が行われることが決まると、1992年から大規模な増築計画が進められ、日本でも屈指の陸上競技場に生まれ変わった。トラックとフィールドは国際陸連主催の大会を主催するための基準を満たす規格のものに改修され、集客人数も47816人に拡大し、客席の上には屋根もつけられた。なお、このときにユースホステルも付け加えられ、世界でも珍しいユースホステルの併設されたスタジアムとなった。補助グラウンドとして作られた長居第二陸上競技場も15000人以上の集客能力があり、また国際陸連の基準もクリアしているので、補助競技場自体も1つのスタジアムとして十分機能する。

現在の長居公園には、球技場、運動場(野球用グランド)、テニスコート、プール、相撲場があり、運動公園として大阪市民にスポーツレクに必要なインフラを提供している。植物園や自然史博物館なども置かれており、都市公園としての設備も充実している。長居公園の所有者は大阪市で、2009年から2015年までは大阪市の外郭団体と他2社による「長居公園スポーツ・みどり振興グループ」が管理運営を任されていた。2016年以降は、大阪市外郭団体とセレッソ大阪他5社による「長居公園スポーツの森プロジェクトグループ」にその権利が移行されている。




上:ヤンマーフィールド長居/長居第二陸上競技場
下:長居球技場

1993年にヤンマーディーゼルのサッカー部がプロ化してセレッソ大阪が誕生した際、このスタジアムを本拠地に指定した(ただし、長居第二陸上競技場および球技場がメインで、陸上競技場はサブ扱い)。設備が充実していることから、大規模な国際大会の会場になった実績も豊富である。特に目を引くのが陸上競技の世界大会での実績で、1997年から2010年まではIAAF(国際陸連)グランプリを毎年主催し、一時期の中断を経て2018年から再びゴールデングランプリとして大阪で開催されるようになった。2007年の陸上競技世界選手権のメイン会場としても使用されており、国内大会であれば日本選手権をはじめとしてさらに多くの大会の会場となっている。陸上競技では国立競技場以上に日本で最も優秀な実績を持つ競技場だろう。また、2022年にラグビーのプロリーグであるリーグワンが発足すると、NTTドコモレッドハリケーンズ大阪がここと球技場をホームスタジアムに指定した。

サッカーでは、2002年に日韓共催で行われたワールドカップで日本チュニジアの試合を含む3試合を主催し、それ以外の日本代表戦も行われている。2015年のサッカーのクラブワールドカップの会場にもなった。また、2016年以前にガンバ大阪が国際試合を行った際には、当時ホームスタジアムとして使用していた万博記念競技場がスタジアムの国際基準を満たしていなかったことから、長居陸上競技場で試合を行うことがあった。もっとも、全体的に関西圏で代表戦が行われるときには、神戸の御崎公園球技場が優先されるケースが多く、最近では吹田サッカースタジアムも使用されることが増えている。当時、両者と比べて集客能力では勝るが、陸上競技場にはトラックがあるため、客席とスタンドの距離が離れてしまい、サッカーを見る際の臨場感で劣るため、多くのお客さんの来場が見込める大規模国際大会以外では少し敬遠される傾向があるようだ。

2014年に、ヤンマーディーゼルがスタジアムの命名権を獲得したため、ヤンマースタジアム長居という呼称がつき、セレッソが試合をする際には各種メディアでこう呼ばれる。この時に第二陸上競技場にもヤンマーフィールド長居という呼称がつけられただが、国際サッカー連盟や国際陸連の大会ではスポンサー以外の企業の宣伝は行わないという方針を取っているため、これらの大会の時には正式名称である長居陸上競技場と呼ばれ、呼称も正式名称も両方がよく知られている。

サッカー・ラグビーの試合の観戦環境として、球技場より評価が下がるかもしれないが、それでも観戦環境は良好である。スタンドは傾斜がとられていて、上の方の席でもピッチが俯瞰で見れるのがいい。むしろ陸上競技場の場合は他のスタジアムでもそうだが、前列に座るとトラックのせいでピッチが遠くなり、しかもピッチが俯瞰で見れなくなるので、後ろ目の方に座ることをお勧めしたい。関西圏最大とは言え、キャパは5万以下なので、関東のどでかすぎるスタジアムに慣れていると充分コンパクトに感じるだろう。それぞれのゴール裏にオーロラビジョンが一個ずつ備わっており、屋根もしっかりついているのでよほど前列に座らない限り、もしくは雨が強すぎない限りは天候を気にする必要もない。国際大会が主催できるだけあって、インフラの充実ぶりは素晴らしい。ケチをつけるとすれば、このレベルのスタジアムであれば基本的には備わっていることの多い、カップホールダーが座席にないことくらいか。あと、メイン・バックスタンドに屋根はかかっているが、ゴール裏にはないので、サポーター席に座るつもりならば注意されたい。






上:北側ゴール裏(ホームサポーター区画)
中:南側ゴール裏(アウェーサポーター区画)
下:試合の眺め

最寄駅は、長居駅(JR阪和線・大阪メトロ御堂筋線)の長居駅か、鶴ヶ丘駅(JR阪和線)で、ここから歩いて5分くらいなので、交通の便は素晴らしい。異なる路線が2つ乗り入れているので、交通量の多い大阪の道路をバスを使ってやってくるよりは電車で来た方が便利だろう。自家用車でも、長居運動公園の公式ホームページによると公園周辺に有料駐車場が3ヶ所あり、合計で約700台弱を止められるようなので、都市部のスタジアムにしては駐車スペースには割と恵まれている。ただ、それでも駐車スペースを事前予約できるようなサービスはないので、多くの人でにぎわう週末の試合の場合は駐車スペースが見つからないリスクや、交通渋滞に巻き込まれる可能性があることは留意されたい。

メインページ
初めてのスポーツ観戦をご検討されているなら

ヤンマースタジアム長居/長居陸上競技場公式ホームページ
セレッソ大阪公式ホームページ