Panasonic Stadium Suita | Stadiums and Arenas

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スポーツ観戦が趣味の筆者が、これまで訪れたスタジアム・アリーナの印象を綴るブログです。

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Panasonic Stadium Suita/吹田サッカースタジアム
開場2016年
収容可能人数39694人
名前の変遷吹田サッカースタジアム(2016-7年)
Panasonic Stadium Suita/吹田サッカースタジアム(2018年-現在)
アクセス記念公園南口(阪急・近鉄バス100番エキスポシティ線)より歩いてすぐ
公園東口駅(大阪モノレール彩都線)より徒歩約10分
万博記念公園駅(大阪モノレール本線・彩都線)より徒歩約15分

(写真は全て、2020年8月30日のJ3リーグ・ガンバ大阪U23SC相模原の試合より)



上:外観(北側)
中:外観(西側)
下:内装(バックスタンド)

Jリーグ・ガンバ大阪のホームスタジアム。2018年からパナソニック社が命名権契約を締結したため、Panasonic Stadium Suitaという公称がついている。公称はローマ字のみらしいが、発音は「パナソニックスタジアムすいた」で、メディアなどでの公式な略称は「吹田S」。公称を略した「パナスタ」という呼ばれ方も一般的になっている。

ガンバ大阪は、1993年のJリーグの開幕の時に関西圏で唯一のチームとして誕生したチームで、誕生から万博記念競技場をホームスタジアムとして使用していた。だが、万博記念競技場は、集客能力が2万人強しかないこと、陸上競技場であることからピッチと客席の間にトラックがあって試合が見にくいこと、スタンドの一部にしか屋根がないことなど、いくつかの問題があり、21世紀に入ると関西圏屈指の人気チームの本拠地にはふさわしくないという声が強まり始めていた。

もはや高度経済成長期もバブル経済期もとうの昔という時代に、新しいスタジアムを建設することは資金的なハードルが高かったが、ガンバが中心となった任意団体「スタジアム建設募金団体」に集まった募金によってスタジアム建設費の大半を賄うという画期的な資金集めの方法を進めた。これが実り、2011年末に万博記念公園の土地に建設が決定されて2年後に起工開始となることになった。当初は募金額が伸び悩んだが、2014年にガンバが三冠を達成したことが追い風となって募金額が伸び、最終的には負債を出すことなく完成にこぎつけた(募金以外にもtoto助成金やふるさと納税による助成も受けた)。開場以来スタジアムは所有者の吹田市がガンバに管理を任せる形で運営されている。

このスタジアムのキャパは39694人で、ガンバのファンの数を考えればもう少し大きなスタジアムを作ってもいいのにと思わなくもないが、資金と土地の事情からそれは適わなかった(集客数であれば、長居陸上競技場や神戸ユニバー記念競技場の方が大きい)。とはいえ、このスタジアムに移転した2016年の平均集客数は、前年度と比べて1万人以上増えているなど、効果は目に見えて出ている。また、トラックのない球技専用スタジアムなので、客席とピッチの距離は近く、観戦環境は素晴らしい。スタンドがピッチの四方を崖のように囲んでいるため、上段に座ってもピッチが真上から俯瞰で見えると評判で、ファンからの評価は非常に高い。また、スタンドの上にはしっかりと屋根がかかっており、よほど強い雨が降らない限り客席に吹き込むことがないところも素晴らしい。






上:北側ゴール裏
中:南側ゴール裏
下:メインスタンド第一層からの眺め

その評判ゆえに、開場以来サッカー日本代表の試合もほぼ1年に1回のペースで主催している。また、国立競技場が建築中だった2017年に元旦の天皇杯決勝の代替地にも選ばれている。J3リーグに参戦しているガンバ大阪U23は、活動を始めた2016年からは万博記念競技場でホームゲームを行っていたが、2020年はホームゲームのすべてをここで主催した。

なお、このスタジアムがある万博記念公園は、大規模都市公園でありながら運動公園としての側面も持ち、上述の陸上競技場の他にも野球場やアメフト用球技場のエキスポフラッシュフィールドがある。いずれもプロや競技レベルの大会で頻繁に使用されることもあって、万博記念公園はスポーツのべニューとして全国規模の知名度を誇る。公園が一つのテーマパークのようなので、食事処には全く困らない。近くにららぽーとも隣接しているので、試合前後にここや公園に立ち寄ってから、という楽しみ方もできるだろう。 




上:万博記念競技場
下:万博記念公園野球場

ただ、その場合はそれらの施設からスタジアムまで意外と歩くので、その点はご留意されたい。地図で見るとそれほど遠くなく見えるが、高速道路や大通りに囲まれており、それらを越える橋の数が限られているので、結構時間がかかる。最寄駅の万博記念公園駅か公園東口駅(大阪モノレール)からでも、歩いて10分以上かかる。JR東海道本線の茨木駅からもバスが出ており(路線バスだけでなく、ガンバの試合の日には臨時のシャトルバスも増発)、スタジアムの目の前で降ろしてくれるので、こちらの利用も検討されたい。

アウェーで遠方から遠征してくる場合、新幹線であれば新大阪駅から30分ほど、飛行機であれば伊丹空港から大阪モノレールで一本で来れるので、割と交通の便がいい。また、ガンバ大阪の公式ホームページで事前に予約と使用料金の支払いをすれば、万博公園南駐車場の利用ができる。予約制ということで、当日会場で駐車場が見つからない、というリスクはなくなるので、自家用車を使用されたい方はガンバのホームページを確認されたい。

ガンバ大阪は、1980年に創部された松下電器サッカー部を前身に持つクラブで、松下は1990年には創部10年目にして天皇杯優勝を果たすなど長足の進歩を遂げた。当時は、サッカー界がプロ化を目指さんと動き出していた時代で、企業チームの中では珍しく関西を拠点としていた松下は、新たに誕生するプロサッカーリーグの関西圏での普及の期待をかけられてJリーグ加盟を認められた。Jリーグ開幕当初は成績が伸び悩んだものの、1997年にはリーグ全体に強烈な印象を残したパトリック・エムボマを擁して優勝争いに加わる躍進を見せると、その後はユース組織から宮本恒靖、新井場徹、稲本潤一、橋本英郎、大黒将志、二川孝広などを優れた選手を数多く輩出する育成型のチームとしてリーグに定着した。2005年には、名将西野朗の下、アラウージョ、遠藤保仁を中心に優れたチームを作り上げ、関西圏のチーム初となるJリーグ優勝を達成。2008年にはアジア・チャンピオンズリーグと天皇杯を獲得した。

2012年には誰もが予期しない形でJ2降格を経験したが、1年でJ1に復帰すると2014年には遠藤を中心に岩下啓輔、丹羽大輝、今野泰幸、東口順昭を中心とした堅守から、宇佐美貴史らによる速攻で勝つスタイルを確立し、J1昇格1年目で三冠を達成する離れ業を見せる。2015年には天皇杯連覇を達成し、再びタイトルをチームにもたらしている。

同じ大阪府に本拠地を置くセレッソ大阪との試合は「大阪ダービー」と呼ばれる。また、2000年代から2010年代にかけてリーグの覇権を争った浦和レッズとのライバル関係も有名。

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