柏の葉公園総合競技場 | Stadiums and Arenas

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スポーツ観戦が趣味の筆者が、これまで訪れたスタジアム・アリーナの印象を綴るブログです。

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柏の葉公園総合競技場
開場年1999年
集客可能人数20000人
アクセス「東大前」もしくは「東大西」バス停(東武バス西柏01・03・04・10系統)から徒歩
約5分
税関研修所前バス停(東武バス西柏03・04・10・柏44系統)から徒歩約5分
柏の葉公園中央バス停(東武バス西柏02・柏44系統)から徒歩約10分
柏の葉キャンパス駅(つくばエキスプレス)から徒歩約20分


(写真は全て、2016年10月15日のラグビートップリーグ、NECグリーンロケッツサントリーサンゴリアスの試合から)



上:メインスタンド
下:バックスタンド

柏の葉公園にある陸上競技場。

現在柏の葉公園がある場所は、元々陸軍の軍用地があり、戦後進駐軍に接収された。1976年に、半分が国の、そしてもう半分が千葉県と柏市の所有地として日本に返還され、1981年に県と市に返された土地が柏の葉公園としてオープン。その後しばらくは市民公園として開放されていたのだが、1980年代後半に敷地内に陸上競技場を作る計画が上がった。

1990年代前半にJリーグ開幕が決まり日立が柏を本拠地に柏レイソルとしてプロ化を決断し、そのホームスタジアムが必要となったことも追い風になり、千葉県と柏市が合同で20000人規模のスタジアムの建設を決断。1995年から工事を開始し、1999年に開場した。現在は千葉県が管理運営を行い、座席13000人収容、立見席で7000人、合計2万人が収容できる。

ただ、レイソルのサポーターの中には、柏の葉ができる前からずっと使用していた日立柏サッカー場(通称日立台)に愛着のある人が多く、柏の葉への移転は2016年現在で凍結されている。臨場感がある日立台と比べ、柏の葉は陸上競技場と言うこともあってピッチとスタンドの間にトラックがあって、試合のアクションが見づらい。またこの競技場、日立台と比べて交通の便が悪く、サポーターから「見にくい来づらい柏の葉」と揶揄されている。さらには、柏の葉は県が所有していることからレイソルが試合を主催すると使用料がかかり、レイソルが所有している日立台を使うよりもチームとしてもコストがかかる。これらの理由が合わさって、レイソルは2009年以降は天皇杯での一部例外を除いて柏の葉でホームゲームを主催していない。

陸上競技場としても、設備は立派だがサブトラックがついていないため、日本陸連一種公認を受けていない。そのため、陸上競技の公式戦は県大会レベルの物しか主催できず、全国大会や国際大会で使用することはできない。サッカーだと、関東大学リーグや高校生年代の大会で使われることが多いが、大学リーグでもせいぜい多くて年に3回使用されるくらい。高校生年代の大会だと、柏の葉の近くには流通経済大学附属柏高校が近くにあるので、彼等が高円宮杯U18プレミアリーグのホームゲームを行うときはここで組まれることが多いが、高校サッカーの千葉県大会メインスタジアムは千葉市のフクダ電子アリーナ。行政の見通しの甘さがたたって、建てたはいいがいまいち使用頻度を最大化できていないところが残念である。

上記以外だと、ラグビーのNECグリーンロケッツが千葉県我孫子市に本拠地を置くことから、毎年1試合この競技場で「ホームゲーム」を主催していた。2022年にプロリーグのリーグワンが誕生した際には、NECグリーンロケッツ東葛として正式にこのスタジアムをホームグラウンドにすることになった。また、2015-16シーズンからJFLに参戦しているブリオベッカ浦安がこのスタジアムでホームゲームを年に数回主催するようになっている。ブリオベッカは元々は浦安市運動公園陸上競技場を本拠地としていたのだが、ピッチが人工芝だったこともあり、JFL昇格と同時に浦安で試合が開催できなくなってしまい、周辺の町で代わりにホームゲームを主催しているようである。そういった形で、徐々に別のチームが使い始めるようにはなってきているので、あるいはインフラの整備も行われるかもしれない。



さて、散々ないわれ方をしている競技場ということもあって、見づらいのを覚悟して見に行ったのだが、それほど悪いとも感じなかった。メインスタンドは結構立派で、試合がしっかりと俯瞰で見えた。また、この競技場はメイン・バック・ゴール裏の全てに屋根がかかっており、よほど前の方に座らない限りは雨風をしのいでくれる。この日は結構日差しが強かったのだが、これも防いでくれて快適な観戦ができた。

もっとも、だからと言ってめちゃくちゃ試合が見易いというわけではなわない。「他の陸上競技場と比べて別段見づらい」わけではないが、やはり陸上競技場なので、トラックがある分客席とピッチの距離は自然と遠くなる。奥のタッチラインのアクションは見づらく、この辺りはどうしても球技場とは見劣りする。また、上の写真を見ていただけるとわかるかもしれないが、バックスタンドはメインスタンドと比べて低く、ここに座るとピッチが俯瞰で見えず試合が見づらいようだ。最後に、この競技場はバックスタンドの後ろにスコアボードがあるだけで、バックスタンドに座ると時計もスコアも見れない。スコアボードも、カラー映像が流せるスクリーンではなく、簡易的な電光掲示板だ。これらの点はレイソル側が千葉県に改善要請を出しているとのことだが、財源の確保が難しいこともあって実現には至っていない。

観戦環境が劣悪というわけではない柏の葉だが、アクセスが悪いというのは本当だった。最寄の柏の葉キャンパス駅からでも、歩くと20分はかかるので、ここから路線バスに乗る人も少なくない(ちなみにこの日見に行った試合では、トップリーグが臨時バスを走らせていた)。この競技場が開場した時にはまだつくばエクスプレスの柏の葉キャンパス駅ができていなかったらしく、その時期の最寄は東武野田線の江戸川台駅で、歩くと30分かかったとか。JR常磐線や東武野田線が乗り入れる柏駅からもバスは出ているが、距離がある上に狭い道を通って来たので20分くらいかかった。また周辺に食事処がないので、最寄駅で調達した方がいい。

柏の葉公園は、合計で1100台ほどが停められる大きな駐車場(合計2面)があるが、イベントのときには何千人、何万人単位のお客さんがやってくる上に、公園の他の施設を利用するお客さんも利用するので、駐車スペースが見つけられないリスクはやはり伴う。

総じて判断すると、アクセスはよくないし物凄く試合が見易いわけではないけれど、それでも観戦環境は他の陸上競技場と比べて著しく劣っているわけではなかったというのが私の印象である。見に行きたい試合があって、近隣に住んでいるのであればためらうことはないのでは、と思う。ご家族がいらっしゃるのであれば、公園で散策がてら試合観戦でも、という楽しみ方もできるだろう。

ちなみに、柏の葉公園には野球場と体育館もあり、こちらでイベントが行われることもある。


柏の葉コミュニティ体育館

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柏の葉総合競技場の紹介(柏の葉公園公式ホームページより)