フクダ電子アリーナ | Stadiums and Arenas

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スポーツ観戦が趣味の筆者が、これまで訪れたスタジアム・アリーナの印象を綴るブログです。

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フクダ電子アリーナ/蘇我球技場
開場2005年
収容可能人数19781人
アクセス蘇我スポーツ公園入口バス停(小湊鉄道バス・蘇我スポーツ公園循環
[グローボ前経由])から歩いてすぐ
蘇我神社バス停(千葉駅・八幡宿路線、千葉駅・ロングウッドステーション路線
[両方とも小湊鉄道バス])より徒歩約5分
蘇我駅(JR京葉線、外房線、内房線)より徒歩約10分

(写真は全て、2017年12月24日に行われたトップリーグ・クボタスピアーズNTTコミュニケーションズ・シャイニングアークスの試合より)






上:外観
中:メインスタンド
下:バックスタンド

Jリーグ・ジェフユナイテッド市原・千葉(ジェフ千葉)のホームスタジアムとして知られる球技場。

ジェフは1993年にJリーグが発足した際からリーグに加盟していた老舗チームだが、本拠地としていた市原臨海競技場(ゼットエーオリプリスタジアム)は交通の便が悪く、多くのファンが新しいホームスタジアムを求めていた。千葉県は、2002年の日韓共催ワールドカップの開催地誘致競争に敗れてしまったためスタジアム建設の機運が若干削がれてしまったものの、大型ではない2万人弱収容の新しいスタジアムを作るという方向で軌道修正され、2003年に千葉市に建設されることが決定、2005年に開場した。

行政上の正式名称は千葉市蘇我球技場だが、開場と同時に医療機器メーカーのフクダ電子社がネーミングライツ契約を更新し続けているため、フクダ電子アリーナという公称、もしくはそれを短縮させた「フクアリ」という呼び方が一般的になっている。フクダ電子社は、同じく千葉市に本拠地を置くプロ野球・千葉ロッテマリーンズのオフィシャルスポンサーも務めており、千葉県のプロスポーツに対する貢献度が高い(東北楽天ゴールデンイーグルスのオフィシャルスポンサーでもある)。

所有者は千葉市だが、開場から2015年3月末日までシミズオクト・東洋メンテナンス共同事業体が指定管理者として管理運営を任されていた。2015年4月からは千葉マリンスタジアム株式会社、東京メックス株式会社、東洋メンテナンス株式会社によって構成されるMMT共同事業体という団体が指定管理を行っている(代表は千葉マリンスタジアム株式会社)。


クラブハウス

スタジアム建設が始まった2003年からジェフは、市原市だけでなく千葉県広域をフランチャイズに指定し、開場した2005年にはホームゲーム16試合のうち5試合をここで開催した。翌年からは、市原市から完全に移転させ、一応現在も公式にはフクダ電子アリーナと市原臨海の両方がホームスタジアムとなっているが、後者では2006年以後ホームゲームを開催したことはない。現在はクラブハウスもフクダ電子アリーナの周辺に隣接されている。

陸上競技のトラックがない球技専用のスタジアムであり、収容可能人数は19781人(うち立見が1281人)。ジェフの試合以外だと、サッカーでは首都圏で開催される冬の全国高校選手権の会場として使用され、千葉県の高校生の大会の決勝の会場になることも多い。また、ラグビートップリーグの試合も開催する。






上:北側ゴール裏を臨む
中:南側ゴール裏、オーロラビジョンを臨む
下:試合の眺め

収容可能人数が少ない分、コンパクトで試合が見易いスタジアムである。陸上競技のトラックがない上に、スタンドの位置がピッチからそれほど高くないので、客席とピッチの距離が近い。グラウンドはしっかりと俯瞰で見えるが、臨場感という意味でも優れている。また、客席全体に屋根がかぶさっているので、最前列でない限り多少の雨であればやり過ごせるのもいい。観戦環境のいいスタジアムである。


多目的グラウンド

この施設がある千葉県蘇我スポーツ公園は、球技場の他にも多目的広場、テニスコート、多目的グラウンド2面があり、これらの施設はイベントがない日には一般開放されている。

ジェフの前身は、古河電工サッカー部である。1946年に創部された日本でも屈指の歴史を誇るチームであり、三菱、日立とともに「丸の内御三家」と呼ばれJリーグ開幕前の日本サッカー界に影響力を放ち続けた。日本リーグ優勝2回、天皇杯優勝4回、リーグカップ優勝3回を経験し、1964年東京五輪でベスト8、1968年メキシコ五輪で銅メダルを獲得した日本代表に、平木隆三、八重樫茂生、宮本征勝、川淵三郎、鎌田光夫らを輩出した。また、長沼健や岡田武史、そして上述の川淵三郎など、古河の関係者は選手以外の形で日本サッカー界に貢献した人物も多い。

1990年にJリーグ発足が決定すると、昭和期の貢献度から古河も当然のように加盟を認められ、JR東日本との共同保有という形でジェフが誕生した。古河時代は練習拠点を横浜に置いていたが、すでに日産自動車全日空が本拠地を置いていたため違う場所に設けることが決定し、仙台、千葉市、千葉県習志野市との交渉がとん挫した結果市原に本拠地を設けることになった。

Jリーグ開幕直後からは苦しい戦いぶりが続いたものの、1990年代後半から2000年代前半にかけて育成組織から阿部勇樹や佐藤寿人など優れた選手を多数輩出し、彼等がトップチームに台頭した2000年代前半には、名将イヴィチャ・オシムの采配もあってJリーグの上位争いをするに至った。2005年と2006年には、キャリアのほとんどをジェフで過ごしたチームの象徴とも言える佐藤勇人を中心に、羽生直剛、山岸智を擁してリーグカップ連覇を果たし、タイトルを獲得している。2009年に降格して以来J1に上がってこれていないが、下部組織や女子チームを通じた千葉県サッカー界への貢献度は非常に高く、地元における認知度の高さにつながっている。


JR蘇我駅はジェフのペインティングがされている

最寄駅はJR京葉線、内房線、外房線が乗り入れる蘇我駅で、ここから徒歩10分ほどである。バスを利用するのであれば、千葉駅や浜野駅、八幡宿駅周辺からバスが出ているので、千葉県在住の人からすれば概ねアクセスがいい。また、羽田空港から蘇我駅までのバスがあるので、飛行機を利用した遠征をする上では便利である。スタジアムのすぐ近くに商業施設はあるし、蘇我駅周辺にもいくつかのお店とコンビニがあるので、食事処には不自由しない。Jリーグやトップリーグの試合があるときには出店もでる。

だが、県外からも京葉線一本で来れるとはいえ、蘇我駅自体が東京駅から40分近くかかる場所にあるので、アウェーサポーターが遠征するにはやはり少し覚悟がいるところではある。ジェフの試合のときには蘇我スポーツ公園の駐車場を事前予約制で利用できるようだが、それほど広くはなさそうなので、予約するのは少し大変かもしれない。

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フクダ電子アリーナの紹介(蘇我スポーツ公園公式ホームページより)
ジェフユナイテッド市原・千葉公式ホームページ