基本データ
名称:金剛滝
別名:蜀江滝
落差:45m
幅:10m
所在地:神奈川県愛川町半原日向
水系:相模川水系中津川支流滝沢支流大椚沢
評価:☆☆☆(5段階中)
難易度:2(5段階中)
訪瀑日:2025年8/16
以前、「神奈川県某所の秘瀑に行ってきました」というタイトルの記事で少しだけ先行公開した滝になります。ほとんどの滝屋も知らないであろう超マイナー滝ではありますが、ネットにはこのページのようにしっかりと写真付きで情報が載っていたりします。今でこそほとんど忘れ去られていますが、昔は隣の沢の胎蔵界滝(2段35m)とともに修行の場となっており、金剛滝、胎蔵界滝の2つを合わせて両部瀧という名称のようです。そして、意外なことに実はこの滝、愛川町を代表する滝である塩川滝から直線距離にして僅か100m程しか離れていないところにあり、割と有名な滝のすぐ近くにありながらここまで知られていないのはかなり不思議なくらいです。
この滝へのアクセスは途中までは塩川滝と同じで、駐車場も塩川滝のものを利用します。駐車場から塩川滝への遊歩道を歩き始めるとすぐ清龍橋という橋があります。この橋の付近で沢が二手に分かれ、左の水量が多い沢が滝沢、もう一方の右手の水量がかなり少ない沢が目的の滝がある大椚沢になります。そして、先述の清龍橋を渡った先で遊歩道が分かれ、左に進むと塩川滝方面、右に進むと塩川神社となります。当然、大多数の人は左に行くわけですが、今回はここを右に進みます。そして、塩川神社の裏手あたりから大椚沢の右岸沿いに踏み跡が伸びているのでそれを辿っていきます。そして、ここを進むとすぐ道中最大の難所が待ち構えています。
滝下流の巨大堰堤
その難所とは、この巨大堰堤です。高さは優に15mくらいはありそうで、一見すると取り付く島も無さそうに見えます。
しかし、よく見るとこのように右岸側に堰堤を横から越えるためにステップが設けられており、これを利用すればそこまで苦労せずにこの堰堤を越えることができます。
堰堤を越えた後は、このように適当に傾斜の緩い部分から沢に向かって進んでいきます。正直最初の堰堤を越えた後は滝の直前までほとんど起伏の無い沢を進めばよいので、ここは問題無いと思います。
そして、堰堤を越えて3分くらいで沢が左に屈曲し、2mくらいの前衛滝の後ろに巨大な滝が控えているのが目に入ってきます。
金剛滝・手前から
写真では伝わりにくいですが圧倒的な高さから水が落ちてきています。ただ、ここからでは良く見えないので、もう少し近付きたいと思います。
滝に近付くには、2m程の前衛滝を越えます。ここが滝への最後の関門になります。
前衛滝
この前衛滝ですが、傾斜はそれほどでもないものの、上部にこのように大量の倒木が詰まっているのでそのまま登るのは難しいです。
なので、ここは倒木の少ない左から越えていきます。このときに、この岩肌が結構滑りやすかったのできちんとグリップの効く靴で行った方が良さそうな感じでした。
そして、前衛滝を越えるとすぐに滝の真下に到着します。
金剛滝
水量が少ないのでわかりにくいですが、2条に分かれた巨瀑です。
金剛滝
塩川滝が落差30mと言われていますが、明らかにこの滝の方が大きく、45mはありそうな感じです。
金剛滝
滝があまりにも大きいので、一度に全景を写すことは困難です。
金剛滝・上部
高さだけではなく、幅も10mくらいはありそうな感じでとにかくスケール感が凄いです。
金剛滝
水量が少ないので、水が落下していく途中で風に煽られて舞い上がる様子も見られました。
金剛滝・下部
水量が少ないのでこのように滝壺はありません。
金剛滝・左側の流れ
左右2つの流れのうち、この左側の方が水が多いです。
金剛滝・右側の流れ
右側の流れは左側よりもさらに少なく、霧状になっています。
金剛滝・真下から
さらに近づいて、滝の真下まで来ました。
金剛滝・真下から
ずっと見上げていると首が痛くなってくるほどの大きさです。
金剛滝・真下から
大雨後の増水時に来たら大化けしそうなポテンシャルを感じます。
金剛滝・上部
落ち口から流れ出た水はまず20mくらいを岩壁に触れることなく一気に落下します。
金剛滝・下部
上部の直瀑部のあとは岩壁の上を伝うようにさらに20m程水が流れ落ちています。
金剛滝・周囲の岩壁
この滝は周囲も見上げるような巨大な岩壁で囲まれた半円状空間に落ちており、滝本体のみならず周辺の岩壁のスケールも凄いです。
金剛滝
ちなみに、この金剛滝の名称は密教の二大曼荼羅である金剛界に由来し、尾根を挟んで北隣の沢にある先述の胎蔵界滝は二大曼荼羅のもう一方である胎蔵界にちなんで名前が付いているとのことです。
金剛滝
ちなみに、もちろんこの後北隣の沢にある胎蔵界滝にも行こうとしたのですが、このときはちょうど夏場で入渓点からかなり草が生い茂っており、進むのが大変そうだったので今回は諦めました。胎蔵界滝の方もそこまで水量は多くなさそうなので、冬場の雨が降った直後を狙って挑戦したいと思います。
金剛滝
ほとんど知られていませんが、アクセスは難しいわけではなく、スケールの大きな滝なので大雨後を狙って訪れることをおすすめします。






















