『刑務所や拘置所内の性同一性障害の収容者について、法務省がホルモン療法を行う必要はないとする処遇指針をまとめ、全国の施設に通知していたことが分かった。
処遇指針は昨年6月1日付で、同省矯正局成人矯正課長と矯正医療管理官の連名で通知された。性同一性障害の受刑者らの医療措置や居室、入浴、身体検査、衣類、調髪、カウンセリングなどの標準的な対応を記している。
このうち医療措置では、収容施設で性同一性障害を診断するのは「対応困難」とした上で、ホルモン療法についても「極めて専門的な領域に属する」「実施しなくても収容生活上直ちに回復困難な損害が生じるものと考えられない」と、医療措置の範囲外だとした。
性同一性障害学会理事長の中塚幹也・岡山大教授(産婦人科学)は「治療をやめると性ホルモン欠落状態になる。1週間ほどで更年期症状が表れ、数カ月でかなり重い骨粗しょう症になる」と指摘。また「女性の体であることを強く自覚させる月経が嫌で、自殺を考える患者も少なくない。ホルモン療法を止めれば月経が再開してしまう」とも懸念する。
当事者団体の「日本性同一性障害と共に生きる人々の会」は「女性の心を持った人を男性収容者の中で処遇するなど、指針は他にも問題点が多い」(山本蘭代表)とし、改善の要望書を近く、法務省に提出する予定。
同省矯正局は「健康上の問題が起きたという報告はなく、仮にあれば個別に判断して治療は行う。ただ、原則として認めてしまうと『胸を大きくしたいから女性ホルモンが必要』というわがままのような要求まで通ることになる」と話す。』
単純に医療だけの問題ではないし、どちらのいい分も分かるので難しいな。
しかし「それでも選べ」と言われたら、私は「治療続行」の側に着く。
コレを医療措置の範囲外とするなら、精神病のほとんどが「治療する必要なし」になるからだ。
健康上の問題はない?そんなの当たり前だろう。肉体の病気ではないのだから。
しかし「病は気から」の言葉通り、どんなに身体が健康でも精神的に病んでいれば病気になりやすいし、下手をすれば死に至る。
何不自由なく育ち、エリートコースまっしぐらのお偉方には分からんのだろうな。
所詮「それで受刑者の数が減ればラッキー」程度の考えではなかろうか。