【4年生の想い】原純平『デブの小話』 | 立教大学体育会サッカー部日記

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立教大学体育会サッカー部のマネージャー日記です☆
2013.3~



《4年生引退企画〜4年生の想い〜》


今日は、口を開けばお喋りが止まらない、皆んなから愛されてやまない関西人、原純平(MF/神戸国際大学附属高校)が担当します!!

どんな状況でも常に笑顔で、周りや自分自身まで楽しませてしまう純平。

クスッと笑いがある中でも彼の想いがぎゅっと詰まった内容です。ぜひご一読ください。



☆Vol.15 原純平☆
『デブの小話』




「デブ。」
そう、この言葉は彼のために作られたと言っても過言ではない。いや、さすがに過言か。
彼は、大学に入学すると同時に、肉体改造に励んだ。
その成果はすぐに現れ、ぷくぷくと彼の身体は大きくなっていった。
体重がどのくらい増え、今何キロなのかはデリケートな部分なので言わない。
大きなお尻、たくましすぎる太もも。ひろーい背中。
全て彼の努力?の結果だ。
さて、私はこの4年間、彼とたくさんおしゃべりをし笑わしてもらった。私がバスで寝たいときも、彼はしゃべり続けてきた。少しうるさかった。
そんな生粋の関西人である彼の文章は言わずもがな面白いだろう。
彼がどんな想いを語るのか、そしてどこにユーモアを入れてくるのかがとても楽しみである。(4年吉澤泰成)



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デブ。
それが僕のあだ名。

思春期の頃なら立派なイジメだ。
でも、僕は何も思わない。むしろ美味しい。

「おい、デブ」
グラウンドに入るとよく言われる。なぜか分からないが、顔を見られる前にお腹を見られる。


まず顔を見ろ。大学に入って10キロは太った。まず、サッカーをしていて痩せないのは不思議だ。サッカー=激しい。サッカーをしている人=痩せている。この方程式は僕で完全に崩れた。身をもって証明している。


私生活はチームナンバーワンのクズだ。
お酒大好き、週4のバイト。コンディションを整えなければいけないスポーツマンとしては0点だ。


こんなクズな奴やけど、応援してくれる家族、友達がいる。いつもありがとう。デブと言う人の数だけ声援が飛んでいるのだ。


おそらく私生活クズの僕が何を言ったところで「お前が言うな」ってなると思うので、今回は僕の長ったらしいお話を笑いながら読んでください。




僕にとって、サッカーは別に生活の全てではない。

たしかに今までの人生をサッカーに助けられてきた。でも、進路を選ぶためにサッカーを続けているわけではない。



ただただ楽しいから。
ずっとその気持ちは変わらない。
幼き頃からずっとお母さんに言われていた事がある。

「楽しかった?」

帰宅するといつも聞かれる。
高校生の時、一度「楽しくなかった」と答えた事がある。めちゃめちゃ怒られた。
僕が楽しむ事が周りの人を元気づける事に繋がっていたのだ。
その頃からいつも1番楽しむことを大切にしている。別に無理に楽しんでいるのではないが。


よく言われる事がある。
「じゅんぺいって悩みあるん?」


そんなに能天気に見えるのか。でもこれは僕にとっては嬉しい褒め言葉だ。たまに悩みあるのか考えてみる。
まじでない。強いて言うなら最近不眠症。

そんな僕にお姉ちゃんがプレゼントを贈ってきた。本だ。
「ますます眠れなくなる宇宙の話」

題名からして不眠症治療に対して全く協力的ではない。あほか、寝たいねん。でもおもろい。さすが、僕の家族や。


だいぶどうでもいい話ばっかやけど、僕が楽観的に生きてて、誰よりも楽しんでる事が伝わればいい。僕だってしんどい時もある。
でも失敗したらその時考えればいい。別に死ぬわけじゃない。お金なくてもおもろいし。

お金ないといえば僕。部費が払えずマネージャーにはよく待ってもらった。この調子やと卒業旅行も行けなさそうや。部費のせいとは言っていないが。



この辺まで読んで、「なんや今日の引退企画はハズレやな。」と思う人がいるはずだ。
そう、ハズレくじだ。

でもちょっとでも笑ってしまったらそれは読者の負け。最後まで読んでください。




そろそろサッカーの話。

今でも印象に残ってる試合がある。
関東2部昇格を決めた1戦だ。
悔しくてとか嬉しくてとかで印象に残っているのではない。だって僕は出てないから。ベンチでアップ。3-2。

僕はベンチメンバーに入りながらも5回泣いた。全部号泣。顔ぐちゃぐちゃ。デブでブスやった。
得点が入るごとに号泣。

そら泣いてる奴は試合出せへん。
これが僕のサッカー人生ナンバーワンの試合。
出てる選手らは死ぬほど頑張ってた。人の頑張りを見てあんなに心動かされるんやってみんな思ってたと思う。どんなフィールドに立っていても、誰かの為に頑張れることが大事で最強やって学んだ。


あの試合で勇気をもらった。
だから、ラスト頑張る。
ラスト1ヶ月でチャンスを与えてもらったから。


引退したらたぶんサッカーはしないだろう。
体動かへんし。デブへの道一直線や。
ボール見たら触りたくなるからボールは見ないようにする。サッカー好きやもん。
将来自分の子供にフリーキック極めさせるぐらいでいい。めっちゃ贅沢な専属コーチや。

それぐらいキックには自信ある。めちゃめちゃ練習したから。
高校の時、1番最初にグラウンド行って練習前に30球。練習終わって30球。股関節めっちゃ痛かった。
そのせいか足めっちゃ太なって、ケツめっちゃデカなった。ズボン入らん。スーツ着たらスキニーみたいなる。足太なってズボン入らんくなるぐらいサッカーに力注いでたんや。


サッカーやってて苦と思った事がない。
体力的にはしんどいけど。とりあえずボール触ってる瞬間が楽しくて仕方がない。
「別にサッカーとか無くてもいいし。」強がって、格好つけて言う。


全部嘘。
僕が1番サッカー好き。


最初、別にサッカーは生活の全てではないと言っていた。でも文書いて、サッカー人生振り返ってたら涙ポロポロ。サッカー部の活動の2時間以外は別にクズでいい。ボール見たらやっぱ夢中になっちゃう。


こういう風にずっと楽しめるのもやっぱ親の存在でかいわ。ずっと支えてくれた。

土日には毎週試合見に来てたな。
休日を犠牲にして試合観戦。割に合わへん。今の僕にはまだ理解はできないが、あれが2人の幸せならいいんやろな。せっかくの土日をって思うけど。そうやって応援してくれたから頑張ってこれたし、楽しませてくれたんやろな。

今でも試合が終わればすぐ結果見て連絡してくる。「試合出んかったな」ただそれだけ。
でもこれが嬉しい。いつかこれが「試合出たな」ってなればええな。今までの人生のありがとうを全部集めて、全力のありがとうを届ける。


ありがとう。




引退が2週間ほどに迫っているが、不思議と全く悔いがない。十分やってきた。
挫折とかあったと思うけど、深く考えた事がない。1日2時間のサッカーで残りの時間を無駄にするのはもったいない。

だから僕は毎日がリセットだ。
これからも「おもろい事ないかな」って毎日過ごして行く。


もう何を伝えたかったかも忘れた。たぶん、とにかく楽しかったらええんちゃう?って事かな。
また飲みにでも誘ってください。





やっぱ笑う事、楽しむ事が1番。
この文を読んで1つでも多く笑っていただけると幸いです。
おやすみなさい。






次はスピードモンスターであり、ファッションモンスターである藤田健吾(DF/清水東高校)です。
常に全力プレーで闘志むき出しの彼が4年間闘い続けた全力の文に期待しています。
涙もろい僕を泣かせてくれるでしょう。




赤羽での飲み会


森(4年森)と俺


片目ブス会(左から、原、4年吉澤、3年栗山)



4年原純平