宙船（そらふね）
作詞・作曲：中島みゆき 翻訳：やすみやすみ
その船を 漕いでゆけ
おまえの手で 漕いでゆけ
【みずからの課題を背に、
自分の足で歩いてゆけ】
おまえが消えて喜ぶ者に
おまえのオールをまかせるな
【他者の課題に引きずられ、
承認欲求で生きるな】
その船は 今どこに
ふらふらと浮かんでいるのか
【あなたは なにを求め、
いま どこにいるのか】
その船は 今どこで
ボロボロで進んでいるのか
【真理は遠くとも、
この道は正しいと信じている】
流されまいと 逆らいながら
【世間の常識である
承認欲求に従うことなく】
船は挑み 船は傷み
【傷つきながらも、 この道を歩き続ける】
すべての水夫が
恐れをなして逃げ去っても
【他者の問題ではなく あなたしかいない、
まず あなたが始めるのだ】
その船を 漕いでゆけ
おまえの手で 漕いでゆけ
【みずからの課題を背に、
自分の足で歩いてゆけ
「わたし」という船の漕ぎ手は
あなただけだ、あなたしかいない】
おまえが消えて喜ぶ者に
おまえのオールをまかせるな
【他者の課題に引きずられ、
承認欲求で生きるな
オールとは「課題」のことであり、
あなたの「主権」のことだ
承認欲求で生きている他者は、
あなたのことを利用しているだけだ
そんな他者に、あなたの大切な
「主権」を明け渡してはならない】
その船は 自らを宙船そらふねと
忘れているのか
【｢わたし」が解放されて、自由に
空を飛べることを信じていないのか】
その船は 舞い上がるその時を
忘れているのか
【｢わたし」が自由を得て
幸福になるのは、｢いまここ」なのに】
地平の果て 水平の果て
【はるか遠くにある としか思えずとも】
そこが船の 離陸地点
【｢いまここ｣ が､ ニルバーナの入り口】
すべての港が灯りを消して
黙り込んでも
【誰も協力してくれなくても、
あなたしかいない、
まずあなたが始めるのだ】
その船を 漕いでゆけ
おまえの手で 漕いでゆけ
【みずからの課題を背に、
自分の足で歩いてゆけ】
おまえが消えて喜ぶ者に
おまえのオールをまかせるな
【他者の課題に引きずられ、
承認欲求で生きるな】
何の試験の時間なんだ
何を裁く秤はかりなんだ
【評価とはなんだ、
なんのためにジャッジするんだ】
何を狙って付き合うんだ
何が船を動かすんだ
【｢正義」のために生きるのか、
承認欲求が
わたしを動機づけているのか】
何の試験の時間なんだ
何を裁く秤はかりなんだ
【評価とはなんだ、
なんのためにジャッジするんだ】
何を狙って付き合うんだ
何が船を動かすんだ
【｢正義」のために生きるのか、
承認欲求が
わたしを動機づけているのか】
その船を 漕いでゆけ
おまえの手で 漕いでゆけ
【みずからの課題を背に、
自分の足で歩いてゆけ】
おまえが消えて喜ぶ者に
おまえのオールをまかせるな
【他者の課題に引きずられ、
承認欲求で生きるな】