燗酒がいい季節になってきた。写真にあるのは東京の酒問屋の発案から作られた旗で、酒販店の店頭に飾られているもの。
そして右は、今は亡き佐々木久子さんに拙著を贈った際に、返事として受け取った私信。この人は、とことん燗酒に入れ込んでいた。
そもそも燗酒のルーツは、藤原冬嗣(775~826年)という人が嵯峨天皇に差し上げるのに寒いからと、酒を温めたのが初めとされている。その頃に中国では白楽天が「林間に酒を温めて紅葉を焚き……」と詠んでいる。つまり8~9世紀の頃が最初ではないか、といわれている。
その頃の記録からは重陽(ちょうよう)の節句(9月9日)から翌年の上巳(じょうみ)の節句(3月3日)が燗にいい季節だが、これらは旧暦のため、現在ではひと月ほど後になる。
電子レンジが発売されたばかりの頃に「サンケイスポーツ」から、目かくしで電子レンジでつけた酒と湯燗でつけた酒を同じ温度で見分けてほしい、と言われて立ち会ったことがあった。それを数回やって100%当てたところ、どうしてわかるのかと訊かれた。電子レンジでの酒は味がフラットでわかりやすい、と答えたことがあった。
