るろうに剣心 伝説の最期編 | 夢の続き・・・

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いや~ 「るろうに剣心 伝説の最期編」公開しましたな。




早速観てきた。

8月公開の「京都大火編」の続編。

新キャラは伊藤博文くらいかな?



これまでの京都編でのストーリーはこんな感じ

幕末期、官軍側で剣心の後継者として、幕府要人の暗殺を手掛け暗躍した志々雄真実。

しかし、志々雄の野心を警戒する新政府は、彼を暗殺するも仕留めきれていなかった。志々雄は復讐に燃え、一大勢力を築き、明治政府に満を持してクーデターを起こす。

京都を火の海にするという計画は失敗するも、甲鉄艦「煉獄」で一気に東京に攻め込む志々雄一派。


一方、クーデター阻止を目論む剣心は、甲鉄艦に侵入して戦うも、ヒロインの薫を救出するため海に飛び込み意識を失い、浜辺に漂着。そこを謎の男に救出される。
果たして剣心は、志々雄の野望を打ち砕くことができるのか?

~感想~

原作を観ていなければ、それはそれで楽しめると思う。されど原作を

知っていると、今までのどの作品よりも原作のいい部分が消えてしまった気がする。原作には思い入れがあるので、少々踏み込む。


まず良かったところから。
ここからの記述はストーリー暴露あり。
まだ見ていない方は、ネタバレがあるので、御注意下され。

キャストはみんな良く、熱演している。
個人的には藤原竜也の志々雄はかなり好き。

悪のカリスマぶりが出ていた。
アクションシーンは健在。迫力ある。

一方

とかく実写を成功させるのは難しい。その漫画がヒットすればするほど、ファンのイメージが出来てしまうから、それにそぐわない為、多くが失敗している。

そしてオリジナルストーリーを描くなら、よほど精巧にできていないと厳しい。

この「るろうに剣心」。

これまでキャラに登用した俳優は、イメージに逸脱していない絶妙なキャストを配置した為、多くのファンの許容範囲にあり、また原作を大きく逸脱せず、比較的沿ったストーリーで構成し、素晴らしいアクションで1作目を大ヒットに導いたと思う。



そして2作目となる前回の京都編。

小生は前回の感想で記載したが、志々雄の話を映画化するには、4~5時間程度ではかなり厳しくなると予想し、特に京都編終了した時点で、残りの「伝説の最期編」では時間的に厳しく、見せ場が端折られるのではないかと心配していた。

特に原作を知っている方ならそう思ったはずだと思う。


映画だから、時間的制約や予算の関係もあるし、多少のオリジナルが入るのはいい。
だけど、原作の部分でカットする部分と残す部分のセンスがかなり欠落していた気がする。そもそも2部構成自体無理で、3部で何とかといった気がする。

個人的感想だがオリジナルの脚本は正直、駄作でがっかり。

スタッフの人って「るろうに剣心」本当に読んでるのかな?って思ってしまった。とにかく時間がなく、慌てて詰め込み、

人気キャラの名場面、背景など見せ場のシーンをかなり端折ってしまって、キャラの魅力がなく、無駄シーンは多い。

◎剣心に奥義を授ける比古のシーン。


福山さんは、良かったが、与えられた時間が長いにもかかわらず、奥義の中身がよく見えにくい。よって後の戦いにおいて、この奥義を授けてもらってからの成果が見えにくい。

◎十本刀(今回は残りの9人)・・・・ものすごい手抜き。

後半の見せ場になるべきシーンのはずだったのに・・・。

残りの9本のうち、実質、宗次郎、宇水、方治、安慈しか出ず、戦闘シーンもあっという間に終わり、猛者感0。残り半分のキャラはいつの間にか死亡? これはありえない。

原作で描かれる十本刀のバックストーリーは描かれず、十本刀の魅力が0に。

(宇水)かなりの猛者なんだけど、斎藤一の牙突で瞬殺される雑魚キャラ  

   扱い。とにかく唖然。見事に斎藤、宇水の見せ場が消えました。
(宗次郎) 感情がなく、精密兵器のような剣客が、剣心との戦いの中で

     何故壊れていったのか? 全く描写されず、ただ発狂って感

     じ。好きなキャラなだけに残念じゃ。

(安慈)何の説明もない坊さん。これではただの悪僧。魅力0
    これまた金的という情けない負け方。酷い・・・。

◎クーデータ
明治政府と戦える戦力のはずなんだけど、出てくるのは弱い配下と、ガトリンガン、鉄砲、甲鉄艦「煉獄」のみ。

たったこの戦力で明治政府はなぜか震え上がり、脅しに屈し、剣心を罪人にして処刑しようとする訳の分からんストーリー。 伊藤博文は、ただのお馬鹿政府重鎮。 なんじゃこれ?

しまいにゃあ、203高地で活躍した28サンチ砲をぶち込まれると、甲鉄艦はあえなく轟沈。これじゃあ、剣心を派遣するまでもないような??



◎四乃森蒼紫

本来なら、1作目に登場すべきキャラながら、なぜか2作目登場。

ほとんどバックストーリが描かれることなく、剣心をひたすら付け狙う頭のおかしいキャラに成り下がっている。
翁も勝手に殺しちゃうし蒼紫かわいそ過ぎ。

◎志々雄
原作でも志々雄は強い。演じてる藤原竜也さんもよく熱演だ。

悪ぶりは素晴らしい。

されど最後のシーン。

原作でも、剣心、相良、斎藤、蒼紫と4人と対戦したが、4対1の卑怯な勝負ではなかった。しかもみんな手負いの状態での戦いだった。しかし映画では元気で、卑怯な4対1勝負。
でも志々雄強すぎて、相良はともかく剣、斎藤、蒼紫は価値暴落。


志々雄最強。いい加減にしろよ・・・。

いろいろ文句を言ってしまったが、予算はヒットした1作目をしのぎながら、時間の制約で中途半端になった感じがする。

アクションは確かにすごくいい。迫力十分。だけど、ストーリの雑をアクションで誤魔化した感じがする。
原作ではまだ話は続く。今度はアクションだけに依存せず、オリジナルを混ぜたとしても、原作の見せ場はしっかり押さえた上での描き方なら続編希望だ。

よって評価は☆3