地球の裏側から | 闘狼荘日記

闘狼荘日記

乾坤を其侭庭に見る時は 我は天地の外にこそ住め

平成24年6月15日(雨)
梅雨入りが決定的とも思えるような重苦しい雨雲を飛び越えて、今年もブラジル人練習生二名が来日しました。
高下駄を履かねば袴の裾までビショヌ濡れになる程の本降りの中、到着するや否や金曜夜の週令稽古に参加する情熱とタフさには脱帽です。



滞在期間は一週間、古流剣術と古流居合を重点的に研鑽する予定ながら残念な事に大先生が御療養中の為、直接の御指導が受けられないのは気の毒ではありますが可能な限り彼らの力に成れる様に我々も惜しみなく協力したいと思います。


明けて16日(雨)
大先生の御宅の庭にて試斬会を実施。
我々の流派の試斬では硬物や畳表などは切らず竹の芯を入れない巻藁を使い、試斬台は斬物を刺して固定する芯は無く全て据切りと土壇切りで行います。
此れは大先生の言い付けによる伝統ですが、現代では長いままの稲藁を入手するのは非常に困難を伴い入手時期も限定されるので公式な試斬会は年に何度も実施されません。
それでも年中切りたい私の様な酔狂は、自主稽古の範疇で自己責任のうえ自身の御刀で色々な物を斬ります。


物斬りに慣れない者は、歩を止め抜刀し構え呼吸を整えた後に斬ります。




稲穂を除いただけの長寸の藁は貴重なので、一本の巻藁を大事に使い最低でも五回ほど斬ります。
据切りは巻藁が短くなるにつれ難易度が増しますが、刃筋正しく腰を入れ体軸を崩さずに斬る事を会得するには良い稽古で大先生の御慧眼に改めて刮目させられます。



ブラジル人練習生も頑張りました。
此の後、巻藁は倒れてしまいましたが・・・



他人が斬る所作を見取り自分自身へフィードバックする事は重要です。



私は全て歩を進めながら抜き打ちで斬りました。



斬り方は、袈裟・逆袈裟・水平と切り下げ・切り上げ・左右を組み合わせて色々試します。
一点に留まり何度もスライスするのは、まるで料理の様で武術とは思えませんので私はスライス切りは余り行いませんが、其れは其れで難しい技術だとは思います。




切断面が湾曲していますね~(><)
切り抜きの際の体軸のブレの証拠であります。
大先生が此の場に居られていたら、「こりゃっ太郎!斬れたが切れてはないぞ!」と一言お叱りになられるでしょう。
まだまだ精進が足りまっしぇん(><)


さて本日17日は道場での古流剣術と古流居合の研鑽です。
地球の裏側から飛んで来た人間が朝から晩まで稽古する気構えなのですから、我々日本人も負けてはおられません。



と言いつつ・・・・午前中は息子と遊ぼ~かなっと・・・・