ルーマニア初期のアニメーション「月の上のパカラ」(Păcală în lună, 1920)他 | 妄想印象派 自作のイラストや漫画、アニメ、音楽など

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ハプレア(ハプリャ)=馬鹿者(Haplea)1927(1928?)


作画(Caricaturistul):マリン・ヨルダ(Marin Iorda)

脚本(Scenariul):ニコラエ・バッザリア(Nicolae Batzaria)


【資料】

Haplea - Wikipedia, Română

Haplea - IMDb


Haplea-1


Haplea-2


YouTubeに上げられている、

恐らく最も古いルーマニアのアニメーション。

形式としては、サイレント映画と同じで、

無音で字幕の場面が出てきたりします。


言葉が分からないので

(というか、翻訳が面倒なのでしないだけなのだが)

どういう内容なのかは具体的には分かりませんが、

主人公のハプレアが長旅から帰還したあと、

コアナ(Coana)と結婚式を挙げるという内容で合っているでしょうか?


いや、でも、若くは見えないので、

例えば“銀婚式”などの結婚記念日なのかも

知れません。


内容的には退屈かも知れませんが、まあ初期のアニメーションなんで、

当時ここまで作ったというのは素直に凄いなあと思います。

因みに、『蒸気船ウィリー』とほぼ同時期の制作です。


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月の上のパカラ(Păcală în lună)1920


制作:アウレル・ペトレスク(Aurel Petrescu)


【資料】

Filmul românesc de animație - Wikipedia, Română

Pacala în luna - IMDb


ルーマニアアニメーション史上初のアニメーション!!

しかしこのアニメーションは、残念ながらYouTubeに上げられておらず、

ネットにも画像が出ていないようです。


“Păcală”というのは、「愚か者」「おどけ者」を意味します。

英語で「dupe」(騙されやすい愚か者)と訳されていました。

このアニメーションの英訳題名がネットに出ていました。

『Pacala on the moon』だそうです。

内容を説明してはいるけど、それ自体名前としても使われている?

日本語で表現すれば、『与太郎』という感じ?


作者のペトレスクは、“ルーマニアアニメーションの父”と見られています。

生没年が、1897-1948なので、短い人生なのが残念です。

他にも、『月の猫』(Motanul în lună, 1926)など、色々と制作しています。

Aurel Petrescu - Wikipedia, Română


【追記】

コメント欄に、Hapleaの内容説明の追記があります。


【追記:2】

「Haplea」に意味があるのかどうか調べてみた所、

「馬鹿者」「大食漢」等の意味がある事が分かりました。

(参照:ルーマニア語辞典・大学書林)

そんなわけで、題名の『ハプレア』に『=馬鹿者』を追加しました。

「Haplea」そのものが名前でもあるので、

こちらも、ニュアンスとしては『与太郎』といった感じかも知れません。


【追記:3】2019/6/23

月の愚か者 → 月の上のパカラ

「パカラ」というのは、ルーマニアの民間伝承に登場する

ユーモア溢れるキャラクターだそうで、

「愚か者」を意味する「păcăli」から来ているとかなんとか?

Păcală - Wikipedia, English


「パカラ」は名前として出すのべきのようです。

ルーマニアの児童劇団が「パカラの冒険」という劇を、

1977年に日本で公演したそうです。

ルーマニア児童劇団「パカラの冒険」|神奈川県民ホール