哀れなピエロ(Pauvre Pierrot)1892
制作:シャルル・エミール・レイノー
Charles-Émile Reynaud(1844-1918)
シャルル・エミール・レイノー(Wikipedia,日本語)
初め、制作年の表記の打ち込み間違いかと思いました。
でも、リュミエール兄弟よりも先で間違い無かったのです!!
私はこの手の話、メチャクチャ好きです!!
歴史を覆す話。
埋もれた偉人の話。
それまで学校で教えられていた
日本悪玉史観の全てがデタラメだったというつもりは無いけど、
一部にインチキや誇張のし過ぎがある事を知った瞬間の驚き!!
(追記:私は今は『第二次大戦プロレス茶番劇説』に傾倒しています)
『ビタミンB1』の真の発見者は鈴木梅太郎なのに
それが国際的に認められない悔しさ!!
初めてヴァスィーリー・セルゲイェーヴィチ・カリーンニコフ
(Василий Сергеевич Калинников)
の交響曲を聴いた時の
「何でこんな素晴らしい曲が無名なんだろう?」
という複雑な思いと感動!!
確か、世界初のアニメーションは、
ジェームズ・スチュアート・ブラックトン(James Stuart Blackton)
『愉快な百面相』"Humorous Phases of Funny Faces"(1906)
とか
エミール・コール(Émile Cohl)
『ファンタスマゴリー』"Fantasmagorie"(1908)
とか言われていましたが、そうでは無かったのか?
アニメーション前史としては、
5200年前のイランの遺物で、
動画の素材を横に並べていった感じに描かれている絵が
発見されたという話があります。
エドワード・ジェームズ・マイブリッジ(1830-1904)
(Eadweard James Muybridge)
が写真でやった事を絵でやったみたいな感じ?
以下は、Wikipedia情報。
ジョゼフ・アントワーヌ・フェルディナン・プラトー(1801-1883)
(Joseph Antoine Ferdinand Plateau)
と
ズィーモン・フォン・シュタンプファー(1792, 1790?-1864)
(Simon von Stampfer)
が、ほぼ同時期(1831)に
フェナキストスコープ(Phenakistoscope)
を発明し、
ウィリアム・ジョージ・ホーナー(1786-1837)
(William George Horner)
が、それに触発されて1834年に改良版の
回転のぞき窓(ゾートロープ, Zoetrope)
を発明。
で、レイノーは、そのまた改良版である
プラキシノスコープ(Praxinoscope)
を1876年か1877年頃に発明しているという。
その後着々と改良を重ねていき、
1892年にはグレヴァン蝋人形館(Musée Grévin)
に於いて世界初のアニメーション上映会が開かれたとのこと。
テアトル・オプティーク(Théâtre Optique)(Wikipedia, 日本語)
こうして見ると、映像関係の発明は、フランスが強いですね!!
リュミエール兄弟(Auguste et Louis Lumière)
もそうですが、
本当の最初の映画発明家の栄光に輝いたかも知れない悲劇の
ルイ・エメ・オギュスタン・ル・プランス(1842-1890)
(Louis Aimé Augustin Le Prince)
もフランス人。
世界初の人の乗る巨大ロボットを登場させたアニメーションである
『王と鳥』"Le Roi et l'Oiseau"(1952, 1980)
を制作した
ポール・グリモー(1905-1994)
(Paul Grimault)
も、フランス人。
レイノーは、動画発明史に於けるもの凄い重要人物の筈なのに、
『シャルル・エミール・レイノー』をGoogleで検索しても、
1000件もヒットしませんでした(2009.12.30現在)。
それなりにネット上でも語られていますけど、功績の割には、
日本に於いてはそんなに知られていないのかも知れないという感じです。
【追記:2022/1/13】
YouTube貼り付け
画像7枚追加
「哀れなピエロ」を「世界初のアニメ」と紹介していましたが、
あくまで「現存するもの」としてであって、同作品の前にも
「一杯のビール」「道化師と犬」が存在していたそうです。
また、「哀れなピエロ」は公開年が1892年ですが、
制作年は1891年だそうです。
この記事を書いてから10年以上、
今ではかなり知名度が上がっている様ですね。