ジョゼ・ヴィアンナ・ダ・モッタ José Vianna da Motta(2)ポルトガルの作曲家 | 妄想印象派 自作のイラストや漫画、アニメ、音楽など

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Vianna da Motta – Wikipedia

ジョゼ・ヴィアンナ・ダ・モッタ

(ジョゼ・ヴィアナ・ダ・モタ)

José Vianna da Motta(1868-1948)

 

既にここ で紹介済みなので、プロフィールは省略します。

 

ポルトガルのクラシック作曲家は数少ない。

国民楽派ともなると、更に少ないので、彼は大変貴重な存在です。

ポルトガル語は、同形連続子音でも音が詰まったりしないので、

「ヴィアナ」「モタ」が正しいのではないかと思うのですが、

慣例に従います。

私が以前紹介した時は

Wikipedia日本語版が執筆されていなかったけど、

現在では出ています。

ジョゼ・ヴィアンナ・ダ・モッタ - Wikipedia, 日本語

 

 

 

交響曲「祖国へ」イ長調(1894)

Sinfonia em Lá Maior «À Pátria» Opus 13

作曲年が、イマイチはっきりしない。

CDだと「1895年」なんですが、ネット上だと「1894年」と出ています。

Wikipediaポルトガル語版だと「1908年」となっています。

取り敢えず、一番多い「1894年」を採用しました。

第1楽章は、如何にも何かの荘厳な厳粛な催し物の

オープニングで演奏されるような雰囲気の曲。

祖国への愛がひしひしと伝わってきそうな感じ。

思わず頭を垂れてしまいそう(?)。

ポルトガル最大の詩人

ルイス・デ・カモンイス(Luís de Camões)

を意識して作曲したそうです。

第2主題は可愛らしい感じだが、

如何にも昔何処かで聴いた様な「デジャビュ」なメロディ。

第2楽章は、全4楽章の中でも一番息の長い曲で、

うっとりするような夢見心地の美しい曲。

ハープまで動員されています。

前述のカモンイスの「愛のソネット」を意識して作曲したそうです。

第3楽章は、

2つのポルトガルの俗謡「篩たち」(As Peneiras)「おねむちゃん」

(O Folgadinho)が使用されています。

上記の翻訳であっていますように・・・。

翻訳に苦労しました。

全4楽章の中で、メロディライン的に一番国民楽派的と言える曲。

全体的に陽気な雰囲気の曲だが、力強い描写もあります。

最後は力強く、お祭りのクライマックスの様な感じで終わります。

第4楽章は、最初、不安げな雰囲気の弱奏で始まる。

その中に、いきなり驚かすように

金管の不協和音の強奏スタッカートも出てくる。

その後、訴えかけてくる様な悲劇的雰囲気の哀愁の旋律が暫く続くが、

第1楽章のメロディの変形などの

前向きな感じのメロディが所々に顔を出してきて、

ファンファーレ風の旋律の後、

堂々と第1楽章の第1主題の変形や第2主題の変形が登場し、

ハッピーエンドで栄光に包まれているような雰囲気のまま閉じられる。

 

 

 

序曲「イネス・デ・カストロ夫人」(1886)

A Abertura ≪Dona Inês de Castro≫

ダ・モッタよりも少し後の世代の作曲家である

ルイス・デ・フレイタス・ブランコ(Luís de Freitas Branco)

もそうなんですが、早熟ですね。

十代の作です。

ポルトガルの悲劇の王妃を題材に取った

歴史的国民楽派的作品ではあるが、

初期作品だけあって、民謡的要素は殆ど感じない。

でも、年齢の割りには完成度が驚く程高い。

早熟の天才

「ヘイミッシュ・マッカン」(Hamish MacCunn)

を彷彿とさせる。

のっけから暗い雰囲気で始まる。

が、トランペットなどによる

何か希望が垣間見えそうな雰囲気の印象深いメロディもでてくる。

5:00手前辺りから、

マイナーコードの行進曲風の堂々としたメロディが出てくるが、

どういった場面を描いたものだろうか?

イネスの逮捕されようとする場面か?

その後、例のトランペットによるメロディが再現され、

穏やかなメロディになるが、陰鬱なメロディへと変わっていき、

前出の行進曲風のメロディがファンファーレよろしく

高らかに再現されたかと思うと、力強く悲劇的な描写で幕を閉じる。

イネス・デ・カストロ - Wikipedia, 日本語

 


ダ・モッタ:交響曲、イネス・デ・カストロ夫人

演奏:サンクト・ペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団

Санкт-Петербургская академическая филармония

指揮:マリオ・マテウス(Mario Mateus)

【NF/PMA 9938】2005

 

【追記:2021/2/28】

肖像画像、CD画像追加

演奏楽団のロシア語名修正