怪獣映画音楽の様なマイナークラシック音楽 | 妄想印象派 自作のイラストや漫画、アニメ、音楽など

妄想印象派 自作のイラストや漫画、アニメ、音楽など

その他、海外アニメ紹介、無名クラシック音楽紹介など

とうとうこの記事を書く時が来ました。

実は、伊福部先生が亡くなられていたという事を、

最近まで知りませんでした。

作曲家・伊福部昭の歴史的コンサートが蘇る! - Mikiki

私が伊福部先生の事を知ったのは、

実は、平凡社の大きな百科事典みたいな

作曲家名鑑みたいなので、

「日本狂詩曲」という作品で知ったのです。

私は「狂詩曲フェチ」なので、

どんな曲なのか死ぬほど聴きたい~!!と思っていた所、

暫くしてから伊福部昭の芸術1(KICC 175)が登場して、

聴くことが出来ました。

 

譚 ― 伊福部昭の芸術1 初期管弦楽 - Amazon

その時に、

実は「ゴジラ」の音楽を作曲したのもこの方だったと知って、

とても驚きました。

もっと長生きして欲しかったですけど、

かなりの高齢であったし、

天寿をまっとうしたと言えるかも知れない。

 

 

 

エルッキ・メラルティン

Erkki Melartin(1875-1937)

交響曲第6番

Sinfonia VI, opus 100(1925)

彼は概ね、

後期ロマン派的民族主義の作曲家ではあるものの、

後期にはモダニズムへの接近を示すようになった。

そのため、最後の交響曲となったこの曲は、

不協和音や不安感を煽る様なメロディがみなぎっている。

全体的に怪獣映画で使えそうな感じではあるが、

特に第1楽章の冒頭などの、

金管や弦等による低音の重苦しい旋律が、

怪獣の「のっしのっし」という重い歩みを

描写している様に感じる。

ピッコロによる不安感みなぎるメロディも、

何かの怪獣映画にあったような?感じもする。

第3楽章は、わらべ歌の様な雰囲気で始まり、

それが伴奏として大半を支配する。

アニメのおどけた雰囲気のBGMの様な旋律や、

RPGに使えそうな旋律などが出てくる。

余り怪獣映画音楽っぽく無いが、

ホルンなどの不協和音が、

ちょっとそれっぽいかも(ちょっと苦しいけど)。

第4楽章では、おどけた様なメロディが出てくるけど、

これも、怪獣っぽい。

ゴジラがイヤミの「シェーッ!!」をしている場面とかがあるが、

それを彷彿とさせる。

最後はハッピーエンドっぽく終わる。

 

 

メラルティン:交響曲第5、6番

指揮:レアニート・グリン Leonid Grin

演奏:タンペレフィルハーモニー管弦楽団

Tampereen kaupunginorkesteri

【ONDINE ODE 799-2】1993

 

 

 

Ignacy_Paderewski.jpg

イグナツィ・パデレフスキ - Wikipedia

イグナツィ・ヤン・パデレフスキ

Ignacy Jan Paderewski(1860-1941)

祖国ポーランドの為に政治家を努めた事でも知られる。

有名かというと、アルヴェーンみたいにちょっと微妙。

そこそこ有名。

名ピアニストとして知られているが、

私が彼の晩年のピアノ演奏の録音を聴いてみた所、

政治家としての多忙ゆえか、年齢のせいか、

或いはその両方のせいか、そんなに上手に聴こえなかった。

腕が落ちている様に思われた。

私が納得行かないのは、

「ポーランド幻想曲」

(Fantazja Polska na fortepian i orkiestrę, 1893)

が代表作の一つに選ばれていない事。

アルヴェーンで言えば「夏至の徹夜祭」、

エネスクで言えば「ルーマニア狂詩曲」

に匹敵する曲だと思うのだが、

何故誰も代表作の一つとして言ってくれないの?

でも、CDが比較的多く出ているので、

事実上代表作と見なされているっぽい感じはする。

交響曲 ロ短調「ポーランド」

Symfonia h-moll op.24

"Polonia"(1909)

この曲、全3楽章ですけれども、演奏に50分程掛かります。

全体的に重苦しい雰囲気で、

ダラダラした感じのメロディが長く続きます。

その為、余り好まれ難い様な気がする。

でも、私は「怪獣映画音楽っぽい」と思って聴いているので、

逆に、例えば、作業用BGMとして

うってつけだなと思って好んで時々聴いたりします。

冗長さが、逆にBGM用に打って付けなのです。

短い曲をBGMに利用しようとすると、

すぐに終わってCDをやたらと取り替える面倒さがあるけど、

この曲はやたらと長いので、そのかったるさが余り無い。

この曲が作曲された当時のポーランドの状況を考えれば、

この曲の重苦しい雰囲気が理解出来ると思います。

第1楽章は、息の長い序奏の後に出てくる

風雲急を告げる様なせわしい主題が、怪獣映画っぽい。

ファンファーレ風のメロディも出てきますが、

昔の日本のSF映画に相応しいなと感じてます。

第2楽章は、怪獣映画というより、戦争映画っぽい。

苦悩に満ちた怪獣対策本部基地の人々の様子を

描写しているような感じ。

途中に出てくる甘く切ないメロディが、

80年代頃にTVのCMで聴いた事がある様な、

デジャビュっぽいものを感じる。

第3楽章も、戦争映画っぽい。

のっけから、戦闘場面を描写した様な感じ。

それまでは苦悩一辺倒な描写だったのが、

この楽章からは、

希望の光が垣間見えそうな雰囲気を醸し出している。

ポーランドの未来が

明るいものである事を期待するかのように・・・。

後半のある部分に出てくる行進曲風のメロディが、

特に好きです。

最後は、ハッピーエンドっぽく終わる。

 

 

パデレフスキ:ポーランド幻想曲

ピアノ:レギナ・スメンジャンカ Regina Smendzianka

指揮:スタニスワフ・ヴィスウォツキ Stanisław Wisłocki

演奏:ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団

Orkiestra Filharmonii Narodowej w Warszawie

交響曲 ロ短調「ポーランド」

指揮:ボフダン・ヴォディチコ Bohdan Wodiczko

演奏:ブィドゴシュチュ・ポメラニア・フィルハーモニー交響楽団

Orkiestra Symfoniczna Filharmonii Pomorskiej w Bydgoszczy

【Olympia OCD 305】1988

 

 

 

Cornelis_Dopper.jpg

Cornelis Dopper - Wikipedia

コルネリス・ドッペル

Cornelis Dopper(1870-1939)

交響曲第6番「アムステルダム」

第3楽章

Symfonie nr. 6 "Amsterdam" (1912)

Derde deel

伊福部昭の怪獣映画などの

SF映画に使用された音楽を幾つかメドレー形式で繋げ、

演奏会用に編作したSF交響ファンタジー(1983)

という作品があります(KICC 178)

その中に、さりげなくこの曲を紛れ込ませても、

全く違和感が無い!!

宙-伊福部昭 SF交響ファンタジー - アマゾン

「アムステルダム」という表題の曲なのに、

何故こんなに土臭い汗臭い感じの曲なのだろう?

いずれにしても、「祝典音楽」という雰囲気ではある。

 

 

ドッペル:交響曲第3番「レンブラント」

交響曲第6番「アムステルダム」

指揮:マティアス・バーメルト Matthias Bamert

演奏:ハーグ・レズィデンツィ管弦楽団

Residentie Orkest

【CHANDOS 9923】2002

 

 

 

メラルティン Melartin

交響曲第2番

Sinfonia II e-molli, opus 30 nro 2(1902)

冒頭の部分が怪獣映画っぽい。

同じフレーズは後にも現れるが、極一部に過ぎない。

全体的には冒険映画っぽい。

 

メラルティン:交響曲第2、4番

指揮:レアニート・グリン Leonid Grin

演奏:タンペレフィルハーモニー管弦楽団

Tampereen kaupunginorkesteri

【ONDYNE ODE 822-2】1994

 

 

 

ペーテル・ブノワ

Peter Benoit(1834-1901)

序曲「ヘントの和約」

Ouverture

"De Pacificatie van Gent"(1876)

これも、序奏が怪獣映画っぽい。

怪獣が街を蹂躙している場面のBGMっぽい。

 

ベルギーの作曲家によるロマン派管弦楽作品第1集

Romantic Orchestral Music by Flemish Composers, Vol. 1

チェロ:ルール・ディールツィーンス Roel Dieltiens

フランダース放送フィルハーモニー管弦楽団:

VRT Filharmonisch Orkest

スィルフェール・ファン・デン・ブルック:

Silveer van den Broeck

【MARCO POLO 8.255100】1999

 

【記事改訂増補 2008.8.31】

 

【記事修正 2009.2.21】

コルネリス・ドッパー → コルネリス・ドッペル

 

【追記 2021/1/31】

肖像画像貼り付け

CD画像差し替え

レオニード・グリン → レオニート・グリン

夏の徹夜祭 → 夏至の徹夜祭

ビドゴーシチ → ブィドゴシュチュ

Bidgoszczy → Bydgoszczy

 

【追記:2023/2/14】

レオニート・グリン → レアニート・グリン