心の危機管理「あさイチ:夫のうつ」 | 桜井妙の「新ストレスと怒りの調理法」

桜井妙の「新ストレスと怒りの調理法」

★職業:講師 ★専門:ストレスマネジメント アンガーマネジメント コミュニケーション危機管理 ★特徴:「あたま・こころ・からだ」をととのえる ★㈱コミュニケーション・デザイン結 代表

今朝の「あさイチ」は「夫のうつ」でした。

鬱経験者として見ていましたが

私は働いていたので夫の立場に感情移入しました。

 

番組の中で

・夫が病院に行きたがらない、精神科を嫌がる。

・とにかく病院に行くことを拒否する

これは、よく分かります。

 

もし、病院に行って

会社にメンタルに問題があると思われたら困る。

メンタルの問題がばれたら昇格に影響する。

大体、やるべき仕事がたくさんある。

もし休職したら、給与が減ってしまう。

私は夫が単身赴任だったため

実家で母と子どもたちと住んでいて母を扶養していました。

働かなければいけない義務があり

また会社でも仕事を頑張り責任がありました。

 

番組の中の夫側の気持ちと同じく

頑な考えや思い込みに支配され

ネガティブな思考の渦に呑み込まれていました。

 

体重が激減して、精神科ではなく

ホームドクターにやっといきました。

そのために鬱だとう診断ではなく

単なる胃潰瘍という診断になってしまいました。

でも

私は鬱について何も知らず

まさか自分が鬱になっているとは

夢にも考えていなかったし

考えたくなかったというのが本音です。

 

精神科で心の病気と診断されたら

自分の人生に汚点がつくというような

バカな考えさえ持っていました。

番組の中では、妻側の悩みに触れていました。

 

夫の鬱に気が付きながら何も出来ない妻。

その後の生活に不安になり悩む妻。

どうしていいのか分からず困惑する妻。

 

私は初めて妻側の気持ち気づきました。

働いていた私には、理解できていなかった悩みです。

 

同居していた私の母も

たぶんこんな気持ちだったのかもしれません。

母を扶養していたので、

私が休職したり退職したら・・・と

経済的な不安も感じさせていたに違いありません。

鬱のときの私は

自分の気持ちでいっぱいいっぱいでした。

母や子ども達の気持ちを

思いやる余裕は皆無でした。

 

鬱のことは体験したから分かっていたつもりですが

家族がどれほど苦しいのか、今日の番組で

改めて気が付きました。

 

メンタルは多くの人がまだ正しい知識を持っていません。

そして、精神科という診療科を知らないために

恐怖や不安が先行してしまいがちです。

 

私は結局、吐血したのが先なので

心のことは友人の医師に相談しました。

 

そして

鬱状態が回復してから心療内科に行きました。

ですから、会社は私のメンタルの問題は報告しませんでした。

ただ

あまりにも鬱の状態が苦しかったために

自分から仕事の形態を変え、昇格しない道を選択。

そして、転職を決めました。

 

会社や人間関係が原因の鬱ではなかったのですが

仕事と人生について見直し、今に至っています。

 

心のストレスは予防できるし、

未病の段階ならセルフマネジメントも可能です。

心が苦しくても会社を休めない働き盛りの世代のために

ビジネスパーソン向けに

心の危機管理と心のリスク対策や

マネジメント法を伝えていきたい。

 

鬱が与えたものは苦しみだけではありません。

私は鬱に感謝もしています。

私の人生を変えた「素晴らしい気づきのチャンス」

にもなりました。

 

もし、あのとき吐血をしなかったら、数年後

フライト先で倒れて命を失った可能性があります。

命を失う前に鬱を体験して、心がいかに繊細で危ういものかを

体験できたことは幸いです。

 

ストレスはあなたをたくましく成長させることもできます。

ストレスを力に変えて

意味と価値のある人生を過ごせるようにする。

それが今一番私のやりたいことです。

 

 

27歳は女性にとって微妙な年齢です。

 

恋愛も結婚も出産も仕事も

意味や価値が違ってきます。

 

でも

振り返れば悩みながらも

輝いてました。