もし今日が人生最期の日なら | 桜井妙の「新ストレスと怒りの調理法」

桜井妙の「新ストレスと怒りの調理法」

★職業:講師 ★専門:ストレスマネジメント アンガーマネジメント コミュニケーション危機管理 ★特徴:「あたま・こころ・からだ」をととのえる ★㈱コミュニケーション・デザイン結 代表

「もし今日が人生最期の日なら
今日やることは本当に自分のやりたいことだろうか?」

ある年のスタンフォード大学の卒業祝辞スピーチの一節です。
言葉の主はスティーブジョブス。

ジョブスは17歳のときにこの言葉を聞き
彼の人生は変わったそうです。
今日という日を大切にするための
物事の判断基準になったようです。

さて
この有名な言葉は、

ある人には「自己実現欲求」の強い動機づけになり
ある人には単に「生理的な快楽欲求」をイメージさせます。

天と地の差がありますが仕方がないことです。
 
どんな言葉も
その人がどこの欲求のレベルにいるかで
言葉がどう作用するか違うのは明らかだからです。

マズローの五段階欲求 で考えると理解しやすいと思います。

欲求には大きくわけると五つあります。
生理的欲求安全欲求社会的欲求尊厳欲求自己実現欲求


上の図は、ふたをあけると「したい!」「ほしい!」という
欲求のゴミバケツのイメージを抱いてください。
人は同時に五つのごみ箱のふたを開けるのではなく
以下のように段階があるようです。

第一段階 生理的欲求・・・「お腹好いた!」
第二段階 安全欲求・・・「安全な場所で暮らしたい!」
第三段階 社会的欲求・・・「友達ほしい!」

第四段階 尊厳欲求・・・「誰かに認めてもらいたい!」
第五段階 自己実現欲求・・・「何かやり遂げたい!」

つまり第一段階の青のごみ箱を満たさないと
第二段階の欲求のふたは開けられません・・・。
手前の青いごみ箱から開けていくイメージです。



自己実現した喜びが最終的な欲求ですから
誰もがそこを望みます。


上記のようなイメージですが
自己実現欲求のモチベーションは簡単には起きません。
手前に自己実現を置いてモチベーションに火をつけたつもりでも
たぶん簡単に火はつきません・・。

ジョブスの言葉を聞き
「俺なら旨いものもの食べたい」と感じたら
ひょっとしたら第一段階の欲求が満たされていないかもしれません。

リスクマネジメントセミナーやコミュニケーションセミナーで
自分の心と体の状態管理をセルフコントロールすることを話すのは

ビジネスや人生で高みを目指すならば
第一段階と第二段階のクリアは物質欲求でもあり
満たされていないと行動の足枷になるのでMUSTです。

次の第三段階と弾四段階のクリアは精神的欲求ですが
やはり行動に影響するので満たすことはBETTERだと思います。

第五段階の自己実現欲求に集中するためには
余計な欲求に気持ちが散らないことです。
気が散るということは満たされていないということかもしれません。

第一段階から第四段階までは
「欠乏欲求」で足りないときは
第五段階の「成長欲求」にはたどり着けません。

でも足りないと思うか
足りていると思うかも・・・実は意識の仕方、感じ方、考え方で
大きく異なります。

あくまで桜井の私的な考えですが、
講師としてよく感じることであり
何より自分自身と向き合ってきて露わになった
自分の行動を阻害する自分の「抵抗」や「障害」の黒幕です。


もし、十分に自己実現したら
「自己超越」だとマズローは言っています。

五段階の欲求は、上がったり下がったりもするように思います。
若いころ、あることを達成し社長表彰され
承認されて嬉しかったとき・・・私は上に上がらず
悲しいかな、私の欲求は第一段階でした。

実は承認欲求のために
寝ないし、食べない、家族とも時間を過ごさないというように
第三段階までの欲求を我慢して得た承認欲求だったからです。

せっかく表彰されてもさほど嬉しくなく
ゆっくり寝たい、休みたい、美容院に行きたい・・・・
と、思い表彰状は全く嬉しくなかったのです。
表彰なんかどうでもよくて
休息の方が私には喉から手が出るほど
当時ほしいものでした。

本末転倒の私の失敗談です。

何事もSTEP BY STEP
欠乏欲求と向き合ってから
ジョブスの言葉をかみしめたいですね。

さて

どんよりした天気の東京です。
これから銀行に行って用事を済ませます。
今日も良い日でありますように♪