危機管理:井戸の水がかれるまで、水の価値はわからないもの | 桜井妙の「新ストレスと怒りの調理法」

桜井妙の「新ストレスと怒りの調理法」

★職業:講師 ★専門:ストレスマネジメント アンガーマネジメント コミュニケーション危機管理 ★特徴:「あたま・こころ・からだ」をととのえる ★㈱コミュニケーション・デザイン結 代表

We never know the worth of water till the well is dry. 
井戸の水がかれるまで、水の価値はわからない

その通りですね。

来週の土曜日は東京の新橋でリスクマネジメントのセミナーがあります。
そこに合わせて私の頭の中は危機管理をどうトレーニングするかで一杯です。
そこで昨日気が付いたシンプルことをここで提案してもいいですか?

自分の能力が高くKEEPするために自分の心と体の危機サインを
自分でチェックすることを提案したいのです。

読んでアホらしいと思う方もいるかもしれませんが
以下の状態のとき、人の思考や行動は著しくパフォーマンスが下がります。

H … Hungry (お腹がすいたとき)
A … Angry (怒りがたまったとき)
L … Lonely (さびしいとき)
T … Tired (つかれたとき)

体の状態がHとLの時、言い換えるとお腹空いていたり疲れているとき
人はミスをしやすかったり集中できない。
お腹がすいたら脳はぼーっとするし
疲れたらとにかく眠りたいですしどうでもよくなり。
   
 


心の状態がAとLのとき、つまり怒っていたり寂しいとき
感情的で他人にも周囲にも配慮ができなくなる。
他責したくなるし攻撃的で粗野な行動になったり
自己憐憫や被害者的な思考にもなる。
   



危機管理できないことはミスをするということ
ミスをするのは多くの場合人間です。

どんなに科学が進歩しても
今は人間が最終的に判断や決定・行動しているのですから
人間を物理的に捉えて
身心の状態管理は出来ているかをチェックしませんか?

Q体はお腹が空いていないか?
Q体は疲れがたまっていないか?(眠くないか?)
Q心に腹の立つことはないか?(誰かに怒っていないか?)
Q心に孤独感はないか?(自分一人で頑張ろうと思ってないか?)

シンプルで簡単なセルフチェック。
まず人間としてセンサー(五感)とハードディスク(思考回路)が
正常に働くか否かをチェックしてみることを提案したいのです。

多くの企業研修の依頼は、気づきの促しが多いです。
外部講師の私は、研修に入るとき
受講生の方々から外見上で上記のHALTメッセージを感じることが多いのです。

元気がない人に聞くと、朝ごはん食べていないそうです。
→ダイエットのために食べてなかったり、朝食べたい習慣の方も多いのですが
 手を触ると冷たい手の方が多いです。

研修中居眠りをする人は、公私ともにかなり疲労しているようです。
→悩み事で眠れないか、TASKが多すぎて身体が疲労していると
 ご本人が言い訳をしたりします。
 体を動かす参加型のワークショップ研修では寝ることが容易ではなく、
   それでも寝るのは本当に疲労していないと難しいです。

怒っている人は他人の意見に攻撃的で愚痴や言い訳を発言する
→揚げ足を取ったり、人の意見に反発したり、過剰反応する方がいます。
 自分の価値観をとうとうと述べる方もいて他人の意見を聴かないです。

孤独な人は心にシャッターを下ろしているので研修も上の空です。
→下を向いて思考し続ける方や、コミュニケーションの輪に入らなかったり
  何かシグナルを感じます。

危機管理は予防で依頼して対処される企業が出てきたらいいなと感じます。
しかし、水がなくなるまで水の価値に気が付かないように
危機管理を意識するのは会社や自分が危機に瀕したときなのです。

危機管理のスキルを伝える前に
個々の状態がよくないことに気が付く場合が多いです・・・・。

外部から来ている私は受講生の方々の過去を知りませんので
機内のお客様のように、何かシグナルを感じることがとても多いのです。

ご存じですか?
HALTの法則は人がアルコールに依存するときの原因の法則です。
依存症の治療のときに使われているのです。

身心のSOSに気づくのも危機管理の大事なこと。

ぜひ、周囲の人や社員の方にHALTのサインがないかを
観察して、話を聴いてみてはいかがでしょう?

目に見えない危機管理の原因。
案外分かりやすいサインです。
 


どうか一度意識してみてください!