アーティストのオリジナル音源に合わせてギターを弾いた「弾いてみた動画」をYouTubeへアップしたいとお考えの方に、自分がやっているビデオカメラを使ったライン撮りの方法を「YAMAHA THR10II」を例に御紹介します。

自分が「弾いてみた動画」を始めた頃は、未だスマホを持っておらず、ビデオカメラを購入して「ギターアンプのヘッドホン端子とビデオカメラの外部マイク端子をつないで、映像と音を同時に撮った」わけです。

 

この方法は、いわば「なんちゃってライン撮り」ですが、DAWソフト、オーディオ・インターフェイス等が無くても、それっぽい動画をそれなりの音質で撮ることができます。

 

まず、お手持ちのギターアンプに「外部入力端子(AUX)」が付いているか?御確認ください。大抵は付いているとは思いますが、これが無いと、ここで紹介する方法は実現できません。

 

※「スマホでライン録りしたい!」とお考えの方もいらっしゃると思いますが、自分はその方法を知らないので、ネットで検索してみて下さいませ。

 

 

 

↑ここで紹介する方法で録画した、自分の動画です。これは、SONYのミュージック・ビデオ・レコーダー「HDR-MV1」で、映像と音声を同時に録画したものです。

 

小さい画面で観る場合は問題ないのですが、PCで全画面表示すると、4K映像の動画に比べて画質が劣る感じです(汗)

 

こちらを購入したのはスマホを買う前で、もう10年以上前だと記憶しています。

 

ちなみに、この「HDR-MV1」はモニターが側面に付いていて、演奏しながら画面が確認できません。別売りの外付けモニターを装着する必要があり、面倒なので買っていません。また、ズーム機能が有りません。

 

この機会にビデオカメラを購入されるなら・・・

注意すべきは、ヘッドホン端子外部マイク入力端子が付いているか?の確認です。この2つが付いていないと、ここで紹介する録画方法は不可能ですので、十分御注意ください。

 

Amazonを覗いてみると、最近では4K、もしくは8Kで1万円を切る商品も出ているようです。自分も買い換えようかな・・・

 

 

 

では、行ってみましょう〜! 音譜

 

 

 

(1)ギターとビデオカメラ以外に必要な機材

・外部入力端子が付いているギター・アンプ(マルチ・エフェクターでも可能かも?)

・ギターとアンプを繋ぐシールド

・ヘッドホン

・必要に応じて、エフェクター類

・ステレオ・ケーブル 2本(必須)

・三脚(必須かも)

・動画編集用のPCまたはスマホ

 

 

 

↑上記の「ステレオ・ケーブル」とは「3.5∅ステレオミニプラグ」のことです。2個必要ですが、最も安い商品で、1個300円くらいだったと思います。

 

購入時に注意すべきは「長さ」です。自分は「2m」の物を使用しています。「1m」だと短いかもしれないので、御自身の撮影環境を考慮してお選び下さい。

 

「安いケーブルと高いケーブルでは、音が全然違う」という話もありますが、最初は安いので良いのかもですね。

 

 

 

 

(2)機材のセッティング

↑まず、ステレオ、CDプレイヤー、iPodなどの音源再生機器の「ヘッドホン端子」にステレオプラグを差し込み、もう一方のプラグを・・・

 

 

 

↑ギターアンプの「AUX(外部入力端子)」に差し込みます。これで音源再生機器を再生すれば、当たり前ですが、ギター・アンプから音源再生機器の音が出力されますよね。

 

 

 

(3)ギターと音源の音量バランスを調整する。

ギター・アンプから音源再生機器からの音が出たら、それに合わせてギターを弾いて、音源と自分のギターの「音量バランス」を調整します。

 

この時、自分はギター・アンプにヘッドホンを差し、ヘッドホンで聴きながら調整します。

 

その理由は、ヘッドホンで「ある程度の大きさの音量で確認しないと、自分のギターの音と音源の音量の適切なバランスが分からない」ためです。

 

ヘッドホンは、有線・ワイヤレスともに「耳にしっかり被せるタイプ」が良いかも。有線の場合は「ケーブルの長さ」が重要です。短いと、ビデオカメラに届きませんからね。

 

 

 

音源の音量は、音源再生機器のボリュームで調整します。当たり前ですが、ギター・アンプの「マスター・ボリューム」で調整しても、音源と自分のギターの混ざった音が「同じ比率で増減するだけ」です。

 

同様に、これまた当たり前ですが、自分のギターの音量は、アンプのマスター・ボリュームではなく「ボリューム」つまみで調整しないと、音源と自分のギターの混ざった音が、同じ比率で増減するだけです。

 

つまり、ギター・アンプのマスター・ボリュームは「動画全体の音量を調整するためだけに使う」ことになります。

 

音源に対してギターの音量が大き過ぎると、音源が聞こえにくくて曲に合わせて弾きにくい、というか、まともに弾けない。

 

逆に、ギターの音量が小さくても弾けたもんじゃない。要は、自分の耳で聴いて、ちょうど良い音量バランスを見つければ良いだけなので、難しいことはないです。

 

しかし、この「バランスをとる作業」は非常に大事で、動画の仕上がりを大きく左右するので「最も重要な作業」だと自分は感じています。

 

 

 

(4)ギターの音質も吟味します

どこで聞いたか忘れた話ですが、YouTubeのギター動画は、どんなに演奏が上手くて映像が綺麗でも、ギターの音が悪いと人は視聴をやめてしまうそうです。

 

ま、当たり前ですね。頑張って良い音を造りましょう。それが、ギター弾くことと同じくらい重要だと自分は感じています。

 

上手い人(耳が良い人)は、安いマルチ・エフェクターを使ってもサウンド・メイキングが上手くて、良い音を出しますよね。自分もそうなりたいと思います。

 

音量バランスとギターのサウンドが決まったら、ギター・アンプに挿していたヘッドフォンを抜きます。

 

 

 

(5)試し録りしてみる

次に、もう1本のステレオケーブルのジャックを、ギター・アンプの「ヘッドホン端子」に差し込みます。こうすると、当たり前ですが、ギター・アンプから音は出なくなりますね。

 

 

 

↑次に、ステレオプラグの片方を、ビデオカメラの「外部マイク接続端子」に接続します。

 

これで「自分のギターの音と、音源再生装置で再生した音源をギターアンプでミックスした音」が、ギター・アンプからビデオ・カメラへ送られるわけですね。

 

当たり前ですが、この状態では、そのミックスされた音は聞こえませんので、ビデオカメラにヘッドホンを差して聞くことになりますね。

 

最後に、ヘッドフォンを「ビデオカメラのヘッドホン端子(購入される場合は、付いているか?要確認です)」へ繋げば準備完了、さあ録画!

 

その前に、やっぱり三脚も必須でしょうね。1,000円代からあるようですが「スマホ用」と「ビデオカメラ用」があるので、購入される方は十分御注意ください。

 

 

 

 

 

(6)撮影した動画を再生して、音量バランスを確認する

ここで紹介した録画方法の問題点は「録画後に、音源と自分のギターの音量のバランスが変更できない」ことです。

 

なので、録画した動画を再生して確認し、必要に応じて音源とギターの音量バランスや、ギターの音質を再調整して撮り直す必要があります。

 

というか、これが一発で決まることはまず無いので、あれこれ調整が必要で、なかなか時間が掛かります。

 

しかし、この作業こそ、この録画方法で最も重要なポイントだと思います。自分のギターの音が音源に対して大き過ぎると、ギターの音が楽曲から浮いてしまう。

 

反対に、自分のギターの音が小さいと「お前、本当に弾いてんのか?」って感じ、エアーギターみたいになっちゃいます(笑)

 

最初は、何度も音量バランスを変えて撮り直すことになり、ギターを弾くことより面倒臭い作業なのかもしれませんが、2〜3個動画を撮れば、コツを掴めるのでは?と思います。

 

自分の場合、歌が入っている楽曲の場合は「ヴォーカルがちゃんと聞こえるか?」を判断基準にしています。

 

というか、難しく考えずに「自分が弾きやすいバランスを見つければ良いだけ」なんですよね。

 

 

 

(7)動画全体の音量は?

YouTubeの音楽動画を見ると、その音量は千差万別で、明確な音量の指標は無いようです。

 

自分の場合は「自分が普段YouTubeを視聴している音量」で自分の動画を再生して「他のYouTube動画と同じくらいの音量」になるように調整しています。

 

動画全体の音量は、録画後にいくらでも調整が効くので、全く心配する必要はありません。

 

 

 

(8)曲の頭から合わせて演奏する方法

ビデオの録画ボタンを押し、ステレオ、iPodなどの音源再生機器の「Play」ボタンを押す・・・

 

すると、直ぐに曲が始まってしまい、曲によっては出だしから演奏が出遅れてしまう場合もあります(汗)

 

それを避けるため、自分は曲の前に5秒ほどの無音状態を入れたMD(今だに使ってます 笑)を作っています。

 

録画の際は、ステレオのTIME表示を見ながら「何秒から曲が始まるか?」を確認し、頭の中でカウントを取って、出だしから曲に合わせるようにしています。

 

 

 

(9)やっぱ「一発撮り」っしょ?

何テイクも録って「上手く演奏できた部分だけ編集で繋げた動画」を作ってみようとしたことがありますが、編集が面倒で途中で嫌になり、辞めました(笑)やっぱ、一発撮りっすよね。

 

普段の練習では弾けるのに、録画ボタンを押した瞬間に普段の自分ではなくなってしまう」これは、自撮りやってる多くのギター弾きが言う言葉ですが、録画するということは、最高の練習になると思います。

 

 

 

(10)動画の編集は?

自分は「ビデオカメラの録画ボタンを押してから、演奏を開始するまでの部分」と「演奏が終わってから、ビデオカメラの録画停止ボタンを押すまでの部分」をカットして、動画の最後に簡単なタイトル(文字のみ)を入れているだけです。


動画の編集やったことないし、編集ソフト覚えるの面倒臭い!と言う方でも、心配御無用。YouTubeのアカウントを持っている方なら、簡単にできますよ。

 

 

 

↑YouTubeで、アップロード済みの動画を表示させると「動画の編集」というボタンが表示されます。これをクリックして・・・

 

 

 

↑開いた画面で「エディタ」をクリックすると「動画エディタ」画面が表示され「トリミングとカット」という項目で、動画の不要部分をカットできます。

 

ということは、撮りっ放しの動画を YouTube へアップして「非公開」に設定しておき、不要部分を削除してから「公開」すればいいわけです。

 

「ぼかし」「終了画面」という項目もあるので、試してみてはいかがでしょうか?

 

ただ、その他に何が出来るのか?使ったことがないので自分には分かりません。

 

ググってみますと、YouTubeへアップした動画の音量を変更する場合、YouTubeのエディタでは変更できないため、動画ソフトで音量を変更して再度アップする必要があるようなので御注意ください。

 

 

 

↑こちらの動画、参考になるかもしれません。マスターすれば、簡単な編集なら「YouTube のエディタだけで事足りる」かもしれません。

 

ちなみに、自分は「iMovie」というMac用の簡易動画編集ソフト(無料)を使用しており、その操作は簡単で誰でも直ぐに出来ると思います。動画全体の音量調整もiMovieで行っています。

 

 

 

↑自分の編集作業の様子は、このリンクから御覧いただけます。

 

 

 

(11)本ページで紹介した録画方法のメリットは?

当たり前ですが、ヘッドホンで聴きながら弾くので、真夜中でも御近所迷惑の心配も皆無。これって、けっこう重要だと感じています。

 

また「LINEOUT端子」が装備されていないアンプでも録れることでしょうか。

 

何より、アンプ前にマイク立てて良い音で録音するには、それなりの音量を出す必要があるし、自分は自宅では難しい、ってか、無理。そもそも、専用のマイクを買わなきゃいけない。

 

また「演奏を録画しつつ、音は別にオーディオ・インターフェイス経由でパソコンで撮って、後で合体させる」ということをやった事が無いので詳細は分かりませんが、面倒臭そう(汗)音と映像を一緒に撮ってしまうので、ある意味、楽です。

 

 

 

(12)この方法の問題点は?

アンプ前にマイクを立てて録ってる人に比べたら、音質では敵いません。ヘッドホン端子でライン録りすると、音が薄っぺらい感じ、立体感・奥行き・空気感が無くなると言うか、そもそも、アンプから出る音と音質が変わってしまいます。

 

つまり、いくらアンプから良い音が出ていても、ヘッドホンで聴くとガッカリしてしまう。これらは、一度やってみれば、お分かりになるはずです。

 

結局、ギターの音を決める時は、ヘッドホンで聴きながら妥協できる音を探す感じになります。

 

良い音で録るということは、ギター弾くことより難しい、と自分は感じています。

 

 

 

(13)録画する曲を決める時の注意事項

自分は YouTube 投稿を初めた時、ジミヘンのCDに合わせて弾いて投稿したら「全世界でブロック」され、その動画は「自分しか視聴できないもの」になってしまい、この時「ブロック」という物を知りました(涙)

 

ということで、録画する曲を決めたら、練習する前にYouTubeで検索して「同じ曲のカヴァー動画を、他の誰かがYouTubeに上げているか?」を確認します。

 

「他の誰かが同じ曲のオリジナル音源を使用したカヴァー動画を上げていれば、自分が投稿しても大丈夫だよね?」という安易な手段ですが、こうするのが最も確実だと思います。

 

せっかく頑張って練習して録画したのに、ブロックされてしまっては、馬鹿馬鹿しいですからね。

 

ちなみに、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ジミヘンの曲などは、オリジナル音源に合わせて弾くと、必ずブロックされてしまうようです。

 

また、ブロックされないアーティストでも、曲によってはブロックされてしまう場合あるようです。

 

また、歌が入っていないバッキング・トラックや、別の人が歌ってるバージョンなど、オリジナル音源を使用しなければブロックされないこともあるようなので、録画する曲を決める前にYouTube検索で確認することをお勧めします。

 

 

 

(14)YouTubeのブロックの話

「弾いてみた動画」をYouTubeにアップロードすると、アップロードが完了するまで数分かかります(動画の長さによってその時間は異なります)。

 

その際、YouTube側はアップロードする「弾いてみた動画」の音源の波形を「AI」で検知して、アーティストのオリジナル音源と参照して判断します。

 

ブロックされる事を避けるために、曲と無関係なタイトルを動画に付けたり、曲のイントロだけカットしたり、オリジナル音源の音を小さくしたり、と色々工夫しても「AI」を誤魔化すことは難しいようです。

 

ブロックには、問答無用で「自分しか観れない動画」にされてしまう「全世界でブロック」のほか、日本国内では視聴できてもアメリカでは視聴できないなど「特定の国や地域でブロック」される場合があります。

 

自分の動画の中には、特定の地域でブロックされている動画がけっこうありますね。

 

また「PCでは視聴できるけど、スマホはダメ」など「特定のデバイスでブロック」というのもあります。自分の場合、これは経験したことはありません。

 

これらは各アーティストの契約状況によって異なるようなので「YouTubeに動画を上げてみないと分からない」のです。なので「全世界でブロック以外は、OK」とするしかないでしょうね・・・

 

また、ブロックされずに公開できても、気付かないうちに削除されてしまう場合もあります。こうなったら、もうお手上げ。諦めるしかありません(汗)

 

 

 

(15)非公開・限定公開・公開・評価の話

公開したくない人は「非公開」にして、自分だけが見れる動画にしちゃえばいい。または「限定公開」にして、気の許せる友人だけに見て貰うのも良いかも。

 

「公開」すると、動画作者を馬鹿にするコメントを残す方もおられるので「全てのコメント拒否」にしてしまえば良い。

 

現在は、低評価の数が表示されないようになっていますが、それでもわざわざ低評価を押して下さる方もいらっしゃいますので(笑)チャンネルの統計画面は見なければ良い。

 

ちなみに自分は「全コメント拒否」にして「高評価」の数も表示させないようにしています。他人の評価なんか、全く関係ないですからね(笑)

 

ということで、まずは遊びで短い動画を1本撮って、YouTubeに上げてみることです。とりあえず「非公開」にして、自分だけしか観れない動画でも良いんじゃないでしょうか・・・

 

 

 

(16)収益化の話

アーティストのオリジナル音源を使った「弾いてみた動画」で収益化は不可。人様のオリジナル音源に合わせて弾いて、お金を稼げるわけがありません。例え何億回再生されても、一銭にもならないのです(笑)

 

稀に、弾いてみた動画にYouTube側が勝手に広告を付けることがありますが、その収入はアーティスト側へ回るわけです。

 

そもそも、YouTubeで収入を得ようと思ったら「チャンネル登録者数1,000人」「過去12か月間の総再生時間4,000時間またはショート動画90日間1,000万回視聴」をクリアしないといけないようです。 

 

※その詳細は、youtube収益化の条件と最新方法を初心者向けに解説|審査通過のコツと収益計算の全知識(外部リンク)を御参照くださいませ。

 

 

 

(17)もっと良い音で本格的に撮りたい方は・・・

↑「ギター博士」さんの、自宅で良い音でギターをレコーディングする方法を御覧になると良いでしょう。

 

映像はスマホで十分なので、プレイを撮影しつつPCで音を同時に録音し、映像のデータにPCで撮った音を配置(合体)することになるんでしょうかね。自分も、やってみたいと思います。