今日、渦中の東京電力の株主総会があった。
経営者側からは、株主や被災地域・社会に対して、一応の謝罪はあったが、原発撤退を求める株主提案は否決されたのに対して、内部昇格による社長交代を含む役員選任・議案は可決された。
この際、総会に出席した多くの株主から、脱原発を訴える意見や、経営陣の責任を問う意見が出たが、全て打ち消される結果となった。
又、議事進行の不備に対する指摘や、議事録の公開を求める株主の声に対しても、ことごとく経営者側の意向通りに処理された。
出席した株主からは、「茶番だ」とか、「役員は全財産を売却して補償に充てろ」などと、怒号が飛び交う異様な雰囲気の中、抗議が相次いだが、聞き入れられることはなかったという。
全く腹立たしい限りだが、感情論を別にして考えると、この結果は予想通りだと言える。
残念ながら、答えは単純なのだ。
東電の株主構成をみると、半数以上が保険・金融関連の、いわゆる企業間の持ち合い株で、今回の株主総会で、議長の不信任案の採決を取った際に、議長が挙手の数をろくに数えることなく、賛成する多数の委任状を預かっていることを理由に、早々に可決を宣言したことも、事前から計算済みだったはずだ。
浮動株比率が比較的高いとは言っても、少数株主が束になってかかっても、到底太刀打ちできない状況が、初めから出来上がっているのだ。
これに加えて、本来、東電を指導・監督する立場の政治(=政府)が生ぬるい為に、ことごとく情報の隠ぺいが行われていることや、今の政権抗争の裏に見え隠れする、原子力推進に係る電力利権の問題が関わっていることを考えれば、端から結果は見えていたのだ。
会場に詰めかけた株主の声など、初めから全く聞き入れる気などなく、一段高い舞台から見下ろして、腹の中で
ほくそえんでいたのかもしれない。
大口を含む、頭のいいトレーダー達は、このことが分かっていたから、今日の東電株は思いのほか動かず、前日比変わらずで引けたのだ。
全てが絡み合っているんだな。
企業間の株式の相互持ち合いも、いつまでも続く菅降ろしの動きも、経団連がやけに口を出すことも……。
楽天の三木谷浩史社長といえば、先日収監された堀江貴文氏と対比される。
2人とも、企業家としてその名を馳せたのだが、ホリエモンがなりふり構わず突っ走るタイプなのとは対照的に、三木谷氏は、MBAを取得し、近鉄球団買収の時には、オーナー会議に筋を通し、財界では経団連に入会するなど、根回しすべき所はして、足元から固めていくタイプに見えた。
その三木谷氏が、経団連を脱退する理由に、電力業界に対する特別扱いは我慢できないとの趣旨のコメントを出していることからも、電力利権にまつわる大きなスキャンダルが潜んでいるのではないかと、勝手に疑ってしまうのだ。
そう考えると、東電幹部が、一応は株主の話を聞くふりをしても、その実一切の妥協をしなかったことも理解することができる。
いったい、この国の政治も経済も、どうなっているんだろう。
まさか、この問題に、官僚やマスコミは絡んでないですよねぇ?
最低ラインとして、とりあえず、事実だけは一般人に分かるように明らかにしてもらえませんか?
では、また。