働くうえで労働時間を特定する、すなわち始業、終業時間を決めておくことは当たり前のことです。考えるまでもない事ですが、これを法的に考えると結構根深いものになります。
まず、憲法13条「ひと」の尊厳から始まって、憲法25条「健康で文化的な最低限の生活の保障」、そして憲法27条「勤労・労働基準の法定」、労基法1条「人たるに値する生活」という流れで労働時間を考えます。
労働時間を決める、特定するということは、労働時間の量を規制することや、労働者が時間外における生活設計を立てられるように配慮することにつながります。労働時間が不特定だと、生活のリズムが一定せず、プライベートを楽しめないでしょうし、健康を害することにもなるでしょう。労働時間の特定は、まさに労働者のためにするものということです。当たり前の事でも突き詰めて調べてみると面白いものですね。
実務で労働契約書を作成するとき、労働時間を書くところがあります。パートさんなど、労働時間を一律に決められない人のを作るときに、書き方をどうするかすごく悩みます。労基署に相談に行くと、なるべく具体的にと言われますが、始業、終業時刻を一律に決められない場合は、最終的に「シフト制により決定」みたいな感じで労働契約書を作成しています。