社会保険労務士という仕事を始めて10年以上になります。仕事を始めた頃に異業種交流会などで、社会保険労務士は年金の専門家ですと言うと、「年金って将来もらえなくなりますよね」という人がいました。今でもそういうことを言う人はいます。

 

10年位前に「年金はもらえない」と交流会で言っていた人が、その頃で大体50歳過ぎくらいのだったと思います。その人はおそらく今は老齢年金の権利ができて年金を受け取っているんじゃないかと思います。結局どこかで聞いた、いい加減な情報を鵜呑みにして、会話のネタにしただけでしょう。ただ「将来年金がもらえなくなる」という会話はこの先も続いていくでしょう。

 

公的年金の根拠は憲法にあり、憲法が無くならない限り公的年金が無くなることはあり得ない、というのが私の考えです。また「将来年金がもらえなくなる」というのは老齢年金を指しているのでしょう。しかし公的年金には老齢だけでなく、障害年金や遺族年金もあります。年を取ってからだけでなく、何らかの理由で若い内からもらえる年金もあるのです。

 

もっとも老齢年金の支給開始年齢の引き上げや遺族年金の有期年金化などの改正(改悪?)で昔の人と比べて、受給額そのものが減っていくことは容易に想像がつきます。だからといって、公的年金が無くなると言われると、公的年金の専門家として残念な思いになります。