知らないと危ない!職場の法律 -4ページ目

内部告発と守秘義務

社員に犠牲者を出さないEAP機関等の活用

 近年、食品偽装事件を筆頭に、企業の不正行為が内部告発によって明るみに出る例が増えています。
 また、尖閣諸島中国漁船衝突事件では多くの国民が彼の海保職員に拍手喝采を送ったのが記憶に新しい事件です。
 ですが、社会的には正義ですが、会社的には守秘義務違反としての、そしりは免れませんし、通報した本人は懲戒を受け、結局組織の犠牲者となってしまいました。悩ましい問題です。

 それでは、自分の勤めている会社の不正を目にしてしまったとき、それを正したいと考える従業員はどのような行動をとれば良いのでしょうか。また、会社としては社内で不正な出来事が起こった際の通報体制はどのように設けておけばよいのでしょうか。

 その際、関係する法律として、2006年に施行された「公益通報者保護法」があります。
同法では通報の対象を、<個人の生命または身体の保護、消費者の利益の擁護、環境の保全、公正な競争の確保その他の国民の生命、身体、財産>(2条3項1号)などに関係する415の法律の定められた犯罪行為の事実としています。

 通報しても勤務先で問題を処理できなければ、業務を監督する行政機関に通報することが認められます。
 さらに通報が解雇不利益な処遇につながる恐れがある場合、あるいは証拠が隠蔽される恐れがある場合は、マスコミを含む外部へ通報しても法的な保護を受けられることになります。

公益通報者保護法の規程はあくまでもこうした実名での通報を前提としていること。
よって匿名での通報は対象外なのです。しかし、匿名での通報や規定された方式に該当しない事実の通報が、保護されないわけでは決してありません。

 同法は典型的なケースを想定しているに過ぎず、通報内容や動機に正当性や公益性があれば、民法の不法行為や債務不履行に基づき、司法判断が下されるからです。

 こういったことから、会社は規模の大小に関わりなく、事が起こる前に自浄機能を身につけなくてはなりません。まずは会社自治からです。外部に言わざるを得ないような状況は組織の機能不全で末期状態と言わねばなりません。

 ですが、内部告発に関する環境整備は、まだまだ進んでいないのが現状です。大企業の中には専門の通報先を設けている例もありますが、中小企業にはほとんどありません。

 そこで、社内に法務部等を持たない中小企業こそ、外部EAP機関やどの会社にも一番通報の多い雇用法規に関する専門家である社会保険労務士等に「外部コンプライアンス窓口」としての第三者機関機能を委託をすることが、総務の負担的にもコスト的にもメリットがあると考えられます。



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右矢印社会保険労務士濱事務所