司馬遼太郎の小説が好きである。翔ぶが如く、世に棲む日日、花神、項羽と劉邦、坂の上の雲、空海の風景はみな5回は完読した。中でも「空海の風景」は論文と言っていいほどに、深い考証をベースに書かれた優れモノの小説である。空海の若き頃の、大学での明経の勉学を中途で捨てての、密一重を求めての四国室戸岬での修行についての説明と考察には、小説を超えた学問の空気が眩しい。そして密教の奥義を求めての入唐と就学の実相を読み進めると、空海の世にも稀な天才ぶりに驚かされる。かなり厚い文庫本で上巻と下巻があるが、非常に読み応えがある。今のZ世代や、アメーバブログ好きな多くの人々には興味が無いかとも思われるが、機会と意思が有ったら、是非とも読んでみて欲しい小説である。これから、思いついた時に、上記の小説について、僕なりの考えを語りたいと思っている。