免疫を高める 5「免疫と生活習慣」
免疫についてのあらましは、大体理解できたと思いますので、先ずは手始めに一番簡単な内容のお話をします。生活習慣は免疫力を正常に保つのに大事です。以下のような生活習慣は免疫を弱める方向に影響を及ぼします。なるべくそうした良くない生活習慣は改めましょう。
1. 免疫に良くない生活習慣
・食事量が少ない
・食事が不規則である
・朝食を食べない
・夜遅く食事をする。
・肉類ばかり食べて野菜や魚を食べない。
・肉を一切食べない
・休肝日がない
・タバコを吸う
・薬を服用することが多い
・低体温になりがちな生活をしている
・入浴はシャワーだけですませることが多い
・運動不足である
・車を使うことが多く、歩く機会が少ない
・過度にハードトレイニングを続ける
・睡眠時間が少ない
・睡眠時間が細切れになっている
・朝すっきり起きることができない
・日常生活に中でストレスを感じることが多い
・仕事に意欲がない
・熱中できる趣味がない
・休日はあまり外出をしない
・笑うことが少ない
・パソコンに向かって1日中仕事をしている
・他人との会話が少ない
・便秘や下痢をしやすい
2. 心がけたい生活習慣
以下の生活習慣は、自然免疫で大事な働きをするNK細胞を活性化する可能性があると言われています。何と言っても、ストレスの無い充実感の或る生活と生活リズム、良い食事と良い睡眠、適度な運動が大事だと言うことでしょう。
(1) 毎日7~8時間の睡眠をとる。
(2) 心身両面の過度なストレスや疲労を避ける。
(3) 心配や不安、悲しみはなるべく短い時間で乗り越える。憂うつ感が長く続く場合は、早めに
専門医に相談する。
(4) 適度な運動を毎日、少なくとも週3回続ける。速めのウォ―キングを毎日30分すると良い。
(5) 過労になるほどの激しい運動は、却ってNK細胞を弱め免疫力を下げるので注意する。
例:1か月間の強化合宿中のラグビー選手では、EBウイルスが活性化しやすくなり(85%)、
IgAの分泌量が低下下低下しやすくなることが多い。風邪も引きやすくなる。
(7) 自分の好きなことに熱中する。
(8) 笑顔を心掛ける。
(9) 規則正しい生活を心がける
(10) 食事は規則正しく腹八分目にする。
ストレスが多くなると、副腎皮質ホルモンであるストレスホルモンであるコルチゾールの分泌量が増え交感神経を刺激し体の緊張状態を引き起こします。具体的には、脈拍や血圧を上昇させて脳を覚醒させます。コルチゾールは、一時的なストレスに対応するために、正常な量が分泌されるのですが、長期に及ぶストレスを晒されてしまうと、コルチゾールが過剰に分泌されたり、副腎が疲れて必要なタイミングで分泌ができなくなったりして、やがてストレスに対処できなくなってしまいます。
体内に入った細菌やウイルスを排除するために免疫機能が働くと熱や腫れなどの炎症を引き起こします。こうしたときに、コルチゾールが分泌され、炎症や免疫機能を抑える作用をもたらのですが、長期間に及ぶストレスがある場合は、過剰に分泌されたコルチゾールの免疫抑制作用により、免疫力が落ち、感染症やがんなどの発症リスクの増加につながります。
笑うことで免疫が上がる?
笑うことで、免疫力が上がると報告されています。その大きな理由は「ストレス発散」にあるようです。やはり、人間、ストレスを抱えて生活することは身体に良くない影響を及ぼし、その結果、免疫力の低下をも招くようです。
(1) リウマチ患者さんに落語を聴いて笑ってもらうと炎症性サイトカインのIL-6やコルチゾール(ストレス
ホルモン)が減少したと言う研究報告がある。
(2) 笑うことでNK細胞が活性化する。「笑い」が引き金となって作られた善玉の神経ペプチドは、 NK細胞
の機能を活性化する。
(3) 単純に笑うだけでも免疫力はアップするが、「作り笑い」でもこの効果がある。
(4) 1日15分笑うと40kcalの消費になりダイエット効果が見込まれる。
なお、世界的に有名な米国の公式の文献検索サイトPubMedで、laugter(笑い)とimmunity(免疫)をキーワードにして検索すると、58報の英文論文がヒットします(文献数として多くはありません)。さらに、Psychological Bulletin と言うインパクトファクターが23.0(かの超有名なNatureのインパクトファクターは42.7:通常、インパクトファクターが、5.0以上のジャーナルはレベルが高い)と言うハイレベルなジャーナルに掲載された総説では、笑いやユーモアが免疫に好影響を及ぼすと言う報告については否定的であり、もっとしっかりとした研究が必要だと述べています。「笑い」と「免疫」との関係性については、その辺の状況も考慮して考えてみる必要がありそうです。