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今日は修身教授録からです。
修身教授録
第９講 読書③
真に大志を抱く限り、そしてそれを実現しようとする以上、何よりもまず偉人や先哲の歩まれた足跡と、そこにこもる思想信念のほどとを伺わざる得ないでしょう。
すなわち自分の抱いている志を、一体どうしたら実現し得るかと、千々に思いをくだく結果、必然に偉大な先人たちの歩んだ足跡をたどって、その苦心の後を探ってみること以上に、その道のないことを知るのが常であります。
ですから真に志を抱く人は、昔から分陰を惜しんで書物をむさぼり読んだものであり、否、読まずにはおれなかったのであります。
そうした人を探すとしたら、差し当たり二宮尊徳とか吉田松陰というような名が、すぐに浮かんでくるでしょう。
真に大志を抱くならば、人から読書を奨められているようではいけないと思うのです。
すなわち人から言われるまでもなく、自らすすんで何を読んだらよいかを、先生にお尋ねすべきでしょう。
真に大志を抱く、つまり天下国家の役に立つ、人の役に立つ人間になろうと志すなら、先ず偉大な人物の思想信念をよく読み取り、考察することが重要だと森信三先生は言われています。
二宮尊徳、吉田松陰は、幼少より大志を抱いていた人物であります。
四書五経（『大学』『中庸』『論語』『孟子』『詩経』『書経』『礼経』『楽経』『易経』『春秋経』）を少年時代に読破しているのですが、これはものすごいことで、普通の人間なら一生涯かかってもなかなか全てを理解できないのですが、両人とも完璧に自分の血と肉にされている。
しかも少年時代に・・・。
そう四書五経の全てが身についていたのです。
私から言わせれば、天才中の天才です。
努力できる人が天才だと思いますが、本当に寝る間も惜しんで読み続けないと、理解するまで至らないことが想像できます。
読書が好きとかの次元ではなく、読まずにはいられなかった、むさぼり読んだ、むしろ神がかり的な力すら感じるのが、二宮尊徳、吉田松陰のお二人です。
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