東京紅魔郷計画<改> -全てを賭した最終決着- | Resistance to Despair

Resistance to Despair

絶望への抵抗

<注意!!

当作品は「東方Project」と

「ドラゴンボール」をモチーフとした

二次創作小説です。

原作とは設定が大きく異なります。

 

以上をご理解の上ご覧下さいませ。

 ________________________

 

紫の霊力も注がれ、霊夢のこれまでの限界を超えた

強大な弾幕が出来上がった。

 

 

 

「オレの‟かめはめ波“は絶対に食い止められんぞ!

愚かな人間どもの完全撲滅のために、

粉々に砕け散れ‼」

 

 

 

「最終夢想封印‼」

 

 

二つの巨大なエネルギーがぶつかり合い、

その衝撃波は即座に

紅魔館に戻ろうとしていた魔理沙たちにも届いた。

 

「アリス、向こうの空が…!

このものすごいパワーは

本当にあの霊夢とブラックなのか⁉」

 

「そうよ、二人とも以前と気の種類は違うけど、

確かに…。

でも、こんな異常な状態での弾幕対決は

どっちが勝っても負けてもタダじゃ済まないわ。

おそらく私達も、ね…」

 

 

 

両者のエネルギー波は

がっぷり四つの様相を呈していた。

 

「神の気を持ち、地上最強の

エンペラー(皇帝)であるこのオレが

人間の巫女などに負けるはずはないんだ‼」

 

「あんたにこの星や仲間の命

まるごと奪われるわけにはいかないのよ‼」

 

均衡を破ろうとレミリアが気功波で

ケンブラックに加勢する。

 

「レミリア…⁉」

 

「邪魔させてもらうわ、ブラック…!

せっかく完成した紅魔郷をまた霊夢に潰されるなんて

悪夢はゴメンなのよ。

紫には幻想郷の恩を仇で返すようだけど、

この期に及んでそんなことに構っていられないわ!」

 

このまま押し切り、

霊夢と紫もとうとう終わりを迎えるかと思われた

その時、

側面から発射された気弾がケンブラックに命中した。

 

それは先程粉砕したはずの早苗が放った

捨て身の一撃だった。

 

「なに⁉

あいつ、まだ生きていたのか…!」

 

「今よ、霊夢!」と紫が呼びかける。

 

「はあああー‼」

 

よもやの早苗の攻撃に気を取られた

ケンブラックとレミリアは

霊夢のフルパワーの押し返しに反応しきれず、

巨大な弾幕エネルギーに飲み込まれた。

 

「ウワーッ‼ バカなー‼」

 

 

直後に凄まじい轟音と大爆発が起こり、

衝撃で空港周辺のゴルフ場や山林をはじめ、

房総半島も大部分が吹き飛んだ。

 

 

力を使い果たした霊夢がそのまま地面に倒れ込み、

紫と早苗が駆け寄る。

 

「霊夢…!」

 

「霊夢さん、大丈夫ですか⁉」

 

霊夢はかろうじて意識は残っており、

僅かに反応を見せる。

 

「霊夢さんが私達を守ってくれたんですね」

 

「ええ、ここまで本当によくやってくれたわ。

ただ、霊夢には感謝の気持ちでいっぱいだけど、

幻想郷やこの荒れ果てた世界の運命は…」

 

紫は自分の力で保てなくなった世界の秩序と

ケンブラックたちの凶行によってもたらされた

重すぎる代償に肩を落としていた。

 

「どうやら無事に決着がついたようですね」

 

上空から聴こえてきたその声に視線を傾けると

そこには光輪を纏った

地上の者とは違う女性の姿があった。

 

 

「この神々しい雰囲気は…

ひょっとして界王神様、ですか?」

 

「さすが幻想郷の主さん、察しがいいですね。

私はあらゆる時代と世界をパトロールしている

時の界王神・ケイトです」

 

「初めまして。私、妖怪の八雲紫と申します」

 

「あ…私は人間の東風谷早苗です」

 

早苗にとってはまさに雲の上ともいうべき

今まで生きてきた

自分の知識にもなかった存在であり、

半分呆気にとられたような表情で、

紫は「いくら巫女とはいえ、

人間でこの若さの子には

次元が違いすぎて無理もないか」と

優しく見守るようでもあった。

 

 

 

その時、ガラガラ…と先程の大爆発の衝撃でできた

クレーター状の穴から石や瓦礫が動く音が聴こえた。

 

「気が…!

まさか、ブラックがまだ生きているというの…⁉」

 

身を引きずるようにして穴から這い上がってきたのは

甚大なダメージを負い、オーラが消え、

髪の色が元に戻りながら、

なおも執念を見せるケンブラックの姿だった。

 

 

~<隔離更生>に続く~