東京紅魔郷計画<改> -揺れる大地- | Resistance to Despair

Resistance to Despair

絶望への抵抗

<注意!!

当作品は「東方Project」と

「ドラゴンボール」をモチーフとした

二次創作小説です。

原作とは設定が大きく異なります。

 

以上をご理解の上ご覧下さいませ。

 _______________________

 

「そうか、もう帰れないのか。

ならば、ここを貴様らの墓場にするといい。

 

それにしてもあそこまで神綺を追い込んでおいて、

易々と見逃すとは…。

圧倒的に強くはなったようだが、

相変わらずその甘すぎる共存と平和主義志向は

オレにはまるで理解できんぞ」

 

 

 

「あんたのねじれ曲がった考えや理屈など、

どうでもいい。

私が闘うのは幻想郷の未来を守るため。

戦意を失った者をわざわざ命まで奪うことはしない。

 

ついにこの世界の非道な‟神もどき”と

決着をつける時が来たようね」

 

稀少となった人類の生き残りをかけて

最終決戦の火ぶたがついに切られた。

 

 

両者のかつてない激しい気のぶつかり合いは

たちまち大地を揺るがし、

先ほどケンブラックが紫のスキマ空間で

気の鎌を作って切り裂いた時空の穴が再び現れ、

それは鋭い閃光を伴って徐々に拡がり始めた。

 

「アレで紫のスキマ空間を破壊したのね⁉」

 

「そういうことだ。

進化したオレのこの能力を使ってな」

 

 

 

「あの二人の闘いは、

まるで地球全体の大気が震えている感じね。

私の見立てではほぼ互角。

でも、ケンブラックが強引に切り裂いて

こじ開けたあの妙な次元の穴のせいで

このままじゃ幻想郷が消滅するのは

残念ながら時間の問題だわ」

 

「確かに普通の技じゃないとは思ったけど

そんなに影響の大きいものだったのね、アレは…」

 

常に人間と争うことを宿命づけられた過去に

紫に幻想郷へ連れてきてもらった

義理と記憶が残るレミリアは少々複雑な思いが

駆け巡った。

 

「あなたもあれから心のどこかでは

密かに望んでいたんでしょう?

いつの日か霊夢の強さを超える戦士が現れ、

自分たちの味方についてもらえることを」

 

「え? まあ、言われてみれば…」

 

「わたしは幻想郷の創始者として

単純なパワーはともかく、

技と経験、能力においては

他の追随を許さないつもりでいた。

それが外来世界の人間相手に

あんなにあっさりと打ち破られ、

こうやって霊夢一人に

儚き希望と未来を背負わせているようでは

管理者として失格ね…」

 

レミリアは答えなかった。

 

 

 

尋常ではない霊夢のパワーアップに

ケンブラックは今までの余裕が失われつつあった。

 

「こんな底力を秘めていたとは…。

所詮は借り物の身体であった神綺では

かなわなかったということか。

だが、オレは奴ほど甘くはない。

すべての人間どもが息の根を止めるまで

攻撃の手を緩めはせんぞ!」

 

これ以上罪のない者を殺して何になるというの⁉」

 

神力昇華した霊夢の真価を知り、

生身の人間を相手に

僅かながら初めて焦りを感じ始めたケンブラックは

一気にカタをつけようと

最大限のパワーで手元にエネルギーを集中させる。

 

「このまま下手に闘いを長引かせては厄介だ。

このオレがよりによって人間風情に

足元をすくわれることなどあってたまるか…!」

 

大気の揺れはさらに激しくなった。

 

「人間相手にこの切り札を使うハメになるのは

不本意だが、

これで貴様も八雲紫も、結界とやらも

まとめて消し飛ばしてくれるぞ!」

 

「そうはいかないわ!

尊く全うに生きてきた者たちの命まで

あんたたちの手で軽々しく奪い取ることが正義なんて

私は絶対に信じない!

 

この一撃に、私と幻想郷の希望…

そして、残されたこの世界の全てを賭ける‼」

 

~<全てを賭した最終決着>に続く~