東京紅魔郷計画<改>(最終話) -隔離更生- | Resistance to Despair

Resistance to Despair

絶望への抵抗

<注意!!

当作品は「東方Project」と

「ドラゴンボール」をモチーフとした

二次創作小説です。

原作とは設定が大きく異なります。

 

以上をご理解の上ご覧下さいませ。

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「貴様ら、オレの身体をこんなに…

許さんぞ…

 

「そんな、あの夢想封印をまともに喰らったのに…⁉」

 

ケンブラックは執念の気弾を放つが、

ケイトが素早い反応でブロックした。

 

「…何者だ…⁉」

 

「このお方は時の界王神様。

過去や未来も含め、あらゆる時の流れを守る神よ」と

紫が説明した。

 

「時の、界王…神…⁉」

 

パワーを使い果たしたケンブラックは

そのまま地面に倒れ込んだ。

 

「とても地上の者とは思えないしぶとさね。

あなた方も相当手を焼いたでしょう

 

ケイトが神妙な面持ちで紫に聞く。

 

「ええ、何しろ信じられないような強さで

ご覧の通り、この星に人間は

もうほとんど残っておりません。

私達の住む幻想郷もこのブラックという者が

次元を切り裂いたせいで

今にも結界が崩壊し、消滅しかねない状況です」

 

結界のことなら大丈夫ですよ。

天界当局から事情を聞いて、

幻想郷のあなたのお仲間である妖怪さんに

崩壊の食い止めにあたるよう

お願いしておきましたから。

確か、ユユコさん…とかいったかしら?」

 

「幽々子が…ですか。

確かにあの子の協力があれば何とか立て直すことが…」

 

紫に少し気力が戻ってきた。

 

「界王神様、あの、健さ…いえ、

ケンブラックはどうされるおつもりですか?」と

早苗が尋ねる。

 

「早苗さん、あなたは本当に真っ直ぐな心で、

彼を信頼していたのですね。

だからこそ、あの時あなたへの攻撃に

躊躇いを本能的に感じたのでしょう

 

「もしかして、今までの闘いを

ずっとご覧になっていたんですか⁉」

 

「ええ、もちろん全部ではありませんけどね。

ただ、時と歴史の流れを守るという立場上、

地上の者同士の闘いに

直接的な関与ができないことだけは

どうかご理解下さい」

 

「…はい」

 

「それを踏まえた上で…」と

ケイトはさらに説明を続ける。

 

「まず、この世界を凄惨に荒廃させたケンブラックと

時空を越えて博麗霊夢さんの身体を奪って殺した神綺は

我々天界の者が管理する“隔離更生”の星へ

連れていきます」

 

「そこはあの世とはまた違うのですか?」と

紫が聞いた。

 

「ええ、大小七つの島で構成されていて、

それぞれの島は雲で仕切られている、

この世でもあの世でもない、まさしく辺境の世界です。

仮にこのまま死んで地獄に行ったとしても

現世と同じことをするでしょうし、

二人の罪状を考えるまでもなく、

成仏はまず不可能ですからね…」

 

 

 

そこへ急遽、咲夜が現れた。

 

レミリアとケンブラックの気が急激に小さくなり、

居ても立ってもいられなくなったのである。

 

「お嬢様、ケンさん…!

一体何が…⁉

まさか、あなたたちがこんな酷い目に遭わせたの⁉」

 

「落ち着きなさい、咲夜。

闘いはもう終わったのよ。

そして、このお方は神様のさらに上に立たれる

界王神様よ」

紫がなだめた。

 

「界王神…様?

 

咲夜はキョトンとした表情をみせた。

 

「あら、こんなお仲間もいたんですか?

いけませんね、あなたのような美しい人間の女性が

こんな冷酷な心を持った者たちに仕えるようでは…」

 

「え?」

 

ケイトは再び紫と早苗へ顔を向けて話す。

 

 

「本来ならこれほどの甚大な殺戮と破壊に関与した者を

全員連行すべきところですが、

隔離更生の星にも定員と条件に限度があるので、

今回は先程申し上げた通り、

ケンブラックと神綺だけにします。

 

レミリアと魔法使いの二人には責任を持って、

生涯をかけて、

この世界なり魔界なりで罪を償う意識を

頭に叩き込むよう伝えておいて下さい。

いいですね」

 

「…承知いたしました」

 

人類、建物、時間、

その他かけがえのないものがいくつも犠牲になり、

ケンブラック一味による世界強襲は

憂鬱な未来を残して幕を閉じた。

 

<完>